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詩仙堂の2回目は、昨日簡単に紹介した石川丈山(1583-1672)の生涯をたどりながら、庭を見て回ることにします。用意されたスリッパを履いて、お庭に出ます。
秀吉の天下統一の時代、丈山も官に仕えようとしたが父が許ず、やむなく13歳の時にひそかに家を出て忍城(埼玉県)にいた祖父の弟石川遠江守信光の元に行きます。至楽巣を見ながら・・・昨日の記事で、いっぱい枯山水を撮ったところです。
16歳の時に父を失い、親戚の松平正綱が丈山の境遇に同情して家康に丈山のことを話したところ、家康は石川家は代々武勲の家柄であるとして、丈山を召出して近習としました。
18歳の時(1600)関ヶ原の戦いに従い、家康は丈山の武勇とその忠勤を愛でて、寝所の側に侍せしめたといいます。
25歳の時(1607)落成した駿府城が炎上し、当時5歳の徳川頼房(家康の第十一子、のちの水戸藩主)と乳母を火の中から救い出します。このことから、後年水戸家が丈山を召し抱えようとしますが、丈山は辞退しました。嘯月楼 (ちょうげつろう)
33歳の時(1615)大坂夏の陣では、長年参禅した駿河清見寺の説心和尚に武勲を誓い出陣しますが、腸チフスにかかり生死をさまよってしまいます。そこに、母から「特別の戦功を立てなければ母は再びお前に会わない」との激励の手紙を受け取ります。この景色もサツキの詩仙堂ではお馴染み。
丈山は意を決して秘かに先陣争いに加わり、先鋒隊の第一の武功をあげました。ところが、最後の攻城で無益の損害を避けるために一番乗りを禁止していた家康は、戦後に丈山に蟄居を命じます。
叔父の本多正信は何とかとりなそうとしましたが、丈山は髪を切って妙心寺に入って隠退してしまいました。小さな小さな葉っぱから赤い花が飛び出していて可愛い。
翌年、母の病を聞いて江戸に行き、看病をしながら文筆活動に励みます。その後、病気が全快した母を伴って京都に帰ります。
友人であった儒学者・林羅山の勧めによって、その師でもある藤原惺窩(ふじわらせいか)に師事し、儒学(朱子学)を学びます。
この頃、丈山は文武にすぐれるとの評判がたち各所から仕官の誘いを受けますが、隠退して風雅の道に親しんだ丈山は容易にきき入れませんでした。池の周りにも草餅のようなサツキ。
でも、老母のことが気がかりで、本多出羽守のすすめもあり、紀伊の浅野長晟侯に仕えました(36歳)。抹茶をいっぱいまぶした和菓子のよう、美味しそう。
ところが、浅野侯に仕えること数ヵ月、やがて仕官にあきたらず、壁に「白鴎(區鳥)は野水に停まらず」と書いて、京都へ帰ってしまいます。京都へ帰った丈山は、また自適の生活を送りました。
紀伊の浅野侯のもとを去って5年後、板倉重昌が丈山の窮乏を憂い、紀伊から広島に転封された浅野侯に頼んで、丈山に再び仕えるようにすすめます。
客人待遇で千石を給するとのことで、丈山は老母に孝養を尽すために再び浅野侯に仕えることにしました(41歳)。詩仙堂も四季折々に撮っていますので、過去記事も見て下さいね。
丈山の広島在住は前後14年間に及び、その間にしばしば京都に出向き、老母を名勝地に伴ったそうです。池の周りの花はこれから咲きだします。
丈山53歳の時に母が亡くなり、引退を願い出ますが藩主はなかなか許しません。ついに病気療養のため有馬温泉に行くと称して、広島を去ってしまいました(54歳)。残月軒も青もみじの中。
京都に戻った丈山は相国寺の近くに睡竹堂(すいちくどう)を造り住みます。そして、終(つい)の棲家(すみか)に適する地を探し、丈山59歳になってようやく洛北の一乗寺村に凹凸?(おうとつか)を建てたのです。
その建設費は、丈山が愛蔵する書籍を売り、衣食を節して捻出したもの、あるいは、浅野侯が、丈山は有馬に入湯し、ついで京都に帰ったもので、正式に辞職したものではないとして、4年間の俸禄四千石を給付したからであるともいいます。
丈山は中国歴代の詩人を36人選んで三十六詩仙とし、狩野探幽に肖像を描かせて堂内に掲げました。このことから凹凸?は詩仙堂の名で知られるようになりました。ここは最も下の庭(4段目) 向こうに十方明峰閣(坐禅堂)が見えます。
丈山はこの詩仙堂で学問に没頭し、隷書、漢詩の大家としても知られ、わが国における煎茶(文人茶)の開祖とも言われるようになりました。また、東本願寺・渉成園や一休寺にも丈山作庭と言われる名園があります。
丈山は詩仙堂で30年余りを過ごし、90歳でその生涯を閉じました。
丈山考案の僧都(鹿おどし)が今でも音を響かせています。
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