須賀神社 節分と懸想文
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吉田神社の節分前夜祭を見た後、南の北春日通にある須賀神社にきました。正確には「須賀神社・交通神社」ですが、ここでは節分にユニークな懸想文(けそうぶみ)売りが登場します(説明はのちほど)。
須賀神社は平安時代初期の869年に建立され、聖護院一帯の産土神として信仰されてきました。創祀当時は西天王社とよばれ、平安神宮の青龍殿あたりに鎮座して、岡崎の東天王社(岡崎神社)と対をなす神社でした。手水鉢の龍の顔が・・・
鎌倉時代の1332年には北条高時の反乱により吉田神楽岡に避難し、南北朝時代1336年に社殿が造営されました。その後、江戸時代の慶安元年(1648)には現・山蔭神社(吉田神社摂社)あたり遷座したといいます。
明治政府の神仏分離令により、西天王社から須賀神社に改められ、大正13年(1924)にかって御旅所があった現在地に移転しました。昭和39年(1964)交通神社を分祀しました。(下は外の通りから見たところです。)
右の須賀神社には素戔嗚尊とその妻・櫛稲田比売命(くしいなだひめのみこと)を祀り、縁結び、夫婦和合、厄除けの信仰があります。左の交通神社には久那斗神(くなどのかみ)、八街比古神(やちまたひこのかみ)、
八街比売神(やちまたひめのかみ)が祀られ、交通安全、旅館業守護などのご利益があります。この交通神社の3祭神は、日本書紀や古事記にも現れる日本古来の神で、道祖神の原形で道案内や旅の安全を守護するとされてきました。
「須賀神社」の名は、八岐大蛇を退治した素戔嗚尊が櫛稲田比売命と住む新居を建てた出雲国須賀の地名に由来するそうです。「社務所・授与所」
本殿の左手前に「白龍大明神」と「稲荷大明神」を祀る摂社があります。白龍大明神は厄除け開運をもたらし、稲荷大明神は五穀豊穣、商売繁盛の神です。
本殿の前の参道はテントで挟まれ、様々なお守りや札があります。ここで、ペットも含めての家内安全のお札を頂きました。
ところで、懸想文とは恋文(ラブレター)のことです。 この文を鏡台や箪笥に入れておくと容姿端麗になり、衣装も増え、良縁に恵まれるといわれています。
懸想文売りは烏帽子に水干、覆面姿の異様な姿をしていて、かっては懸想文を梅の枝に付けていたそうです。この怪し気な格好には訳があります。
平安時代以来、読み書きのできない庶民のために、公家や侍が身分を隠して恋文の代筆、代読を行っていた姿を表しています。身分が高くても生活が苦しく、顔を隠して懸想文で副収入を得ていたようです。
江戸時代になると、懸想文は正月の京都の町で縁起の良いお札として、梅の枝に付けて売り歩かれたそうです。いつしかこの風習は途絶えましたが、昭和22年(1947)頃須賀神社の節分祭に復興されました。
懸想文の表は梅の花の絵と「むすほれし 霜はうちとけ 咲く梅の 花の香おくる 文召せやめせ 」、「白妙の 袖を濡らしつ 書き染めし 清き思いを 伝えむと」などど和歌が書いてあります。本文も毎年変わります。
ネットによると、懸想文の内容に興味があり開封して確かめた方が何人もいます。京都芸術大学の栗本徳子先生(日本美術史、文化史)もその一人で、2022年の懸想文の全文を同大学HPの『瓜生通信』に掲載しています。
その懸想文の本文は、コロナ禍で苦しい日々を送った年を終え、新たな年がコロナ収束の良き年となることを、西天王社に始まる疫病退散の祈りの歴史を交えて作られた格調高い願文となっていました。
そして、返歌として「彼方より 千里の道を 駆け抜けて 君に告げなむ 春の兆しを」が記され、最後は「壬寅の初春 千牛より 寅治朗(とらじろう)さま まゐる」とあります。
毎年の決まりで、旧年の干支に因んだ名前の女性(男性)から、新年の干支に因んだ名前の男性(女性)へ送る恋文となっています。最後の「まゐる」は差し上げるという意味です。
以前の記事で懸想文を書いているのは大学の国文学の先生ではないかという噂を書きました。ところが、改めて調べると、作者は宮司の佐師郡壱(さしともかず)氏であることが分かりました。
宮司は懸想文売りの復活に尽力して、京都市の伝統行事・伝統行事・芸能功労者として表彰されています。「節分の準備は、夏ではどうも気が乗りません。暮れからお正月を迎えた頃でないと…」ともおっしゃっていました。
鳥居の奥の休憩所で一休みして須賀多餅を頂きました。この餅は求肥(ぎゅうひ)でくるんだこし餡の和菓子で、柚子と梅による香り付けがされています。横にあるのは福豆が入った縁起ものの「福茶」で、こちらも節分の時だけいただくことができます。
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コメント
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投稿: ゆーしょー | 2026年2月 5日 (木) 01:17