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2026年2月26日 (木)

妙心寺・退蔵院 2026

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の妙心寺塔頭・大心院に続いて、境内南西にあり常時拝観している退蔵院を訪れました。「退蔵院」は、室町時代の応永11年(1404)に越前(福井県)の豪族・波多野重通が、妙心寺3世の無因(むいん)宗因禅師を開山として創建しました。

右に拝観受付があり、順路は正面の庫裏の左に回ります。

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庫裏の前に「私の石庭」という、ミニ石庭を作れるコーナーがありました。木枠の中には後で登場する元信の庭と同じ白川砂が入れてあり、横には様々な石、ミニチュアのレーキと砂紋引きが置いてあります。退蔵院のインスタには面白い作品があります。

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当初の退蔵院は波多野家の下屋敷(千本松原)に建てられ、その後妙心寺境内へ移転。応仁の乱で妙心寺とともに焼失しましたが、慶長2年(1597)に亀年禅師によって再建され、現在に至ります。「観世音菩薩像」

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「大玄関」 突き当りの右にある玄関は江戸初期の富豪・比喜多宗味居士(ひきたそうみこじ)より寄進されたもので、かっては法要儀式その他高貴な方々の出入りに使用されていました。

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唐破風造りの破風の曲線が直線になっていて、ちょうど袴の腰のようになっていることから「袴腰(はかまごし)造り」と呼ばれ、昭和41年(1966)に国の重要文化財に指定されました。

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「方丈」(重文)は、慶長年間(1596-1615)の建築で、織田信長が足利義昭のために建立した将軍邸を移築したともいわれています。内部は通常非公開で、本尊として開山の無因禅師像を安置しています。

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方丈には狩野派の絵師・狩野了慶の襖絵がありましたが老朽化が著しく、今後400年持つようにと最高級の越前和紙や奈良の墨を用いて2022年に新たに絵師・村林由貴が襖絵を描いたそうです。

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方丈の西の「鞘の間」に「瓢鮎図(ひょうねんず)」(国宝、複製)がありました。瓢箪でなまずを押えるという禅の公案(こうあん)を、相国寺の僧・如拙(じょせつ)が描いたものです。漢字の鮎は本来なまずの意味だそうです。

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将軍義持は当時の京都五山の禅僧31人に賛詩を書かせました。滑りやすいなまずを、滑りやすい瓢箪で捕まえるという公案に、高僧たちが頭をひねって連ねた回答は壮観で、この絵が国宝たる由縁ともいわれています。

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寺を訪れた宮本武蔵も興味をもったようで、刀の鍔に瓢鮎の意匠を施したそうです。方丈の西に 「元信の庭」があります。室町時代の絵師・狩野元信(もとのぶ、1476-1559)の作庭とされ、国の史跡・名勝に指定されています。

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50坪ほどの広さの石組主体の枯山水庭園です。一見無造作に石や橋が配置されているように見えますが、全体としてみごとに絵画的な調和を保っている名園とされています。

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方丈から庭に下りて、南にある余香苑の中門(薬医門)に来ました(欄間にうなぎが彫られています)。正面に大きな紅枝垂桜があり、左右に枯山水の「陰陽の庭」があります。

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ところで、瓢鮎図の公案の最初の回答は、相国寺住持・周崇『瓢箪で鮎を押さえつけるとは、なかなかうまいやり方だ。もっとうまくやろうなら、瓢箪に油をぬっておくがよい』。(右の庭は、黒っぽい安曇川の砂を用いて「陰」を表現。)

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次の回答は南禅寺住持・梵芳『瓢箪でおさえた鮎でもって、吸い物を作ろう。ご飯がなけりゃ、砂でもすくって炊こうではないか』。( 左は、白川砂を用いて明るい「陽」を表現しています。)

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回答は、不可能なことをしようとしている人への皮肉のようです。以下も妙案が浮かばない高僧たちの迷答が続き、「ひょうたんなまず」は容量を得ない様子や人を表す語源となりました。散策路は枝垂桜で左右に別れ、左を行くと「羅漢石」があります。

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「余香苑」は造園家の中根金作が昭和36年(1961)に作庭した池泉回遊式庭園で、東から西への傾斜地に作られ、途中の滝から水が西に流れていきます。手前は六角形の東屋、西の端には茶室、藤棚、待合などがあります

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さらに下ると江戸時代に造られた「つくばい」があり、かって奥書院の中庭にあったものを35年程前に余香苑へ移したものです。水琴窟が造られて軽やかな音色を奏でています。

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「休憩所と売店」 売店では、なまずをモチーフにした様々なお土産や、桜や紅葉の「余香」という線香、退蔵院住職による墨蹟(色紙)などを販売しています。オンラインショップもあります。

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お茶席「大休庵」で抹茶を頂くことができます(売店で受付)。お茶菓子は、瓢箪となまずをあしらったオリジナル半生菓子「是什麼(これなんぞ)」、上品な餡と季節のドライフルーツの甘みや程よい酸味があります。

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余香苑は、近畿各地からの集められた石の配置が洗練されていて、様々な樹木や草花が四季折々に彩りを添え、さつきや楓の青モミジ、秋の紅葉の頃の眺めも見事です。

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藤棚から東の風景は空が借景といわれ、右の奥の滝から水が池に流れ込みます。左の斜面の上にも水源があり、左の池の底からも水が湧き出し、「昭和の名園」といわれています。

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退蔵院では昨年4月より、学生寮「柳田寮」の運営を開始しました。檀家で篤志家でもあったご夫妻の遺志を受け継ぎ、妙心寺門前の物件を全室リノベーションしました。

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寺院での作務(朝の清掃などの日課)を通して禅の修養体験をして、部屋と朝食を無償で提供、「未来を担う人づくり」を目指しているそうです。2026年度の募集は終了して、多数の応募があったそうです。

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コメント

こんばんは。ゆーしょーです。
箱庭で作る私の庭園、いいですね。
ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2026年2月27日 (金) 00:20

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