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2025年7月 7日 (月)

七夕伝説と二つの恒星・ベガとアルタイル

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

今日(7月7日)の七夕にちなんで、七夕伝説の原型となった説話と現在の七夕祭に至るまでの歴史をたどります。また、その主人公の二つの恒星について最近の話題を紹介します。写真は京都の七夕風景です。

TOPから3枚は高台寺の「七夕会」で、先日七夕に行われる寺社の行事の日程を紹介しました。

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7月7日に織姫と牽牛が出会うという説話は、中国の南北朝時代(439-589)の『荊楚歳時記』に初めて登場するそうです。

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織姫は織姫星、織女星ともいわれ、こと座の0等星ベガです。牽牛(けんぎゅう)は牛飼いの意味ですが、伝説では牽牛星、夏彦、夏彦星ともいわれ、わし座の1等星アルタイルです。(下は貴船神社の「七夕笹飾りライトアップ」)

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織姫は天帝の娘で、機織の上手な働き者でした。牽牛も働き者で、天帝は二人の結婚を認めました。二人はめでたく夫婦となりましたが、夫婦生活が楽しく織姫は機を織らなくなり、牽牛は牛を追わなくなりました。

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このため天帝は怒り、二人を天の川を隔てて引き離しました。ただし、天帝は年に1度の7月7日にだけ会うことを許し、どこからかやってきたカササギが天の川に橋を架けて、会うことができました。

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しかし7月7日に雨が降ると天の川の水かさが増し、織姫は渡ることができず牽牛は彼女に会うことができません。

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星の逢引であることから、七夕は星あい(星合い、星合)という別名があります。また、この日に降る雨は催涙雨とも呼ばれ、織姫と牽牛が流す涙といわれます。(下は月遅れの「京の七夕・鴨川会場」で現在は開催されていません。)

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7月7日に織姫星にあやかってはた織りや裁縫が上達するようにお祈りをする中国の風習が乞巧奠(きこうでん)です。庭先の祭壇に針などをそなえ、星に祈りを捧げます。やがてはた織りだけでなく芸事や書道などの上達も願うようになりました。

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一方、日本では古来から棚機津女(たなばたつめ)の伝説があり、夏に選ばれた乙女が清らかな水辺の機屋にこもり、着物を織って神棚にそなえ、秋の豊作を祈ったり人々のけがれをはらう行事になりました。

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やがて仏教とともに乞巧奠の風習が日本に伝わると、上の行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになります。最初は、宮中や貴族の間で行われ、桃や梨、なす、うり、大豆、干し鯛、アワビなどを供えて星をながめ、香をたき、楽を奏でました。

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サトイモの葉にたまった夜つゆを「天の川のしずく」として墨を溶かし、梶の葉に和歌を書いて願いごとをしました。(こちらは「京の七夕・堀川会場」。)

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江戸時代に七夕行事が五節句の一つとなると庶民の間にも広まり、野菜や果物をそなえて、詩歌や習いごとの上達を願いました。梶の葉のかわりに五つの色の短冊に色々な願い事を書いて笹竹につるし、星に祈るお祭りと変わっていきました。

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今年の「京の七夕」は、7月1日(火)〜8月31日(日)の期間に願い事を募集、京都仏教会と京都府神社庁が合同で行う清水寺でのお焚き上げにより天に届けるそうです。詳しくはこちらをご覧ください。

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ところで、アルタイル(牽牛星)はわし座で見かけの明るさが最も明るく、ベガ(織姫)はこと座で最も明るく、両星とはくちょう座のデネブは、夏の大三角を形成しています。「清凉寺」

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アルタイルは太陽の1.8倍の質量と約11倍の明るさを有し、自転周期が約9時間(太陽は25日)の高速回転しています。複数の伴星のうち二つは肉眼でも確認でき、和名類聚抄には犬を引き連れている姿の「いぬかいぼし」と記されています。NASAによる写真。

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アルタイルは太陽系近傍の星間雲Gクラウドの近くに位置し、恒星表面の画像が得られている数少ない恒星の一つです(2006年に太陽以外で初めて表面画像が得らました)。左下がアルタイル、右上が太陽です。

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一方、ベガ(織姫星)の見かけの明るさの0等級は星の明るさの基準となっていて、質量は太陽の2.6倍、距離25光年、0.19日の周期でわずかに変光することが知られ、こちらも自転周期12.5時間という高速回転しています。「石像寺(釘抜地蔵)」

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ベガは地球の歳差運動(自転のこま振り)により、12,000年後には北極星となるそうです。2013年には太陽系そっくりの「小天体ベルト」の存在が確認されました。スピッツァー宇宙望遠鏡による写真。

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ベガ(左)と太陽(右)の大きさの比較。高速で自転している影響で潰れた楕円体となっています。画像はMatúš Motloの論文で作成された想像図です。

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ベガの内側のベルトは太陽系の火星と木星の軌道の間の「小惑星帯」にあたり、安定して存在するためにはその内外に惑星があることが推定され、観測技術の向上が待たれていました。「北野天満宮」

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ところが昨年11月、ベガの周りに、巨大惑星が存在する証拠はどこにもないとする最新の研究結果が発表されました。アリゾナ大学の研究チームが、ハッブル(HST、下)とジェイムズ・ウェッブ(JWST、2枚下)の両宇宙望遠鏡を用いて、

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ベガを取り巻く直径約1600億kmのデブリ円盤(主に岩石や氷の破片や固体微粒子)を調査。その結果、惑星が存在しないことを意味する乱れのない完全な円盤が発見され、天文学者たちを困惑させているそうです。

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ところで、中国の伝説で7月7日の夜に牽牛と織女が会うとき、カササギが翼を並べて天の川に渡す「烏鵲橋(うじゃくきょう)」ができるといわれています。祇園祭で行われる「鷺(サギ)舞」は、この伝説をもとに八坂神社に奉納された舞がはじまりとされます。

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祇園祭では、江戸時代初期七夕の日に少女が舞った「小町踊」も奉納され、元禄時代の粋で優雅な風情を感じさせます。鷺舞や小町踊が奉納される「お迎え提灯」は7月10日(木)に行われます。最後の写真はお迎え提灯のお囃子「赤熊(しゃぐま)」。

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コメント

こんばんは。ゆーしょーです。
昨夜は七夕祭りの日でしたね。
京都でも盛大に催しが行われたのですね。
毎年7月7日は曇りや雨の日が多いですが
今年こそはよく晴れましたね。
これで天の川を渡って牽牛星と織女星は
会うことができるでしょうね。
ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2025年7月 8日 (火) 00:40

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