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2025年1月20日 (月)

称念寺(猫寺) 2025

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

浄福寺通寺之内上ルに称念寺があります。「称念寺」は山院号を本空山(ほんくうざん)無量寿院という、浄土宗知恩院派の寺院です。通称を「猫寺」といい、猫を始めとして動物(ペット)の霊を供養していることで知られています。

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江戸時代初めの慶長11年(1606)嶽誉(がくよ)上人が陸奥国土浦城主松平信吉の帰依をえて建立しました。(山門の横の祠には地蔵菩薩が祀られていました。)

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上人は浄土宗捨世(しゃせい)派の祖・称念上人を開山とし寺号を称念寺と定め、自らを中興開基としました。創建時の最初の住職が、尊敬する師を開山(勧請開山)として迎え、自らは中興開基や中興開山を名乗ることは珍しくありません。

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松平信吉は徳川家康と義兄弟に当たり、当寺の寺紋は三ツ葵が許されました。当時300石の寺領を得て寺は栄えました。信吉は元和6年(1620)に京都の藩邸で没し、当寺に葬られました。三代目住職・還誉のときです。

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しかし松平信吉が没すると、称念寺と松平家はだんだん疎遠の仲となり、いつしか300石の寺領も途絶え、称念寺は急激に衰退していきました。

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寺伝によれば、還誉和尚は一匹のかわいい猫を飼っていました。寺禄を失った和尚は托鉢に回り、自らの食を削って猫に餌を与えました。ある夜のことです。「本堂」

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和尚が托鉢を終えて寺へ戻ると、本堂前で美しい姫が扇をかざし舞っていました。本堂の障子には、月光に照らし出された猫の影が映っています。(本堂には本尊として、平安時代中期の恵心僧都作と伝わる阿弥陀如来像を祀っています。)

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和尚は愛猫の化身ときづくと、自分はこんなに苦労しているのに踊り浮かれている猫に怒って追い出してしまいました。(撫で仏の賓頭盧尊者、以前は吹き曝しの縁側にいたのがケースに入っていました。)

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姿を消した愛猫は数日後に、和尚の夢枕に立ち、「明日、寺を訪れる武士を丁重にもてなせば寺は再び隆盛する」と告げました。

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翌朝その通りに松平家の武士が訪れ、亡くなった姫がこの寺に葬ってくれるよう遺言したと伝えました。

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以後松平家と復縁した寺は今まで以上に栄え、猫の霊を厚く供養するようになり、いつしか「猫寺」と呼ばれるようになりました。「玄関」の前にペットのお守りが置いてありました。

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本堂前に、還誉和尚が愛猫を偲んで植えた老松「猫松」があります。一本の太い枝が地面と平行に20メートルにものび、猫が寝そべった形をしているとされます。(横に伸びた松の中央に観音堂の「みたまや」があります。)

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観音堂は動物の法要を執り行う専用のお堂です。ペット堂とも呼ばれ。 ここで住職が丁重にお経を称えペットの法要を行います。納骨もでき、遺品や遺影があれば回向もできるそうです。

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内部の撮影はできませんが、釈迦像、阿弥陀像、慈母観音像が祀られています。ここに納骨や遺品を納めている方は、連絡すればいつでもお参りできるそうです。

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家族は物言わぬペットの死で様々な後悔が残り、悲しみは深いものです。右手に小さな鐘楼があり、お葬式の際に鐘を撞くことで動物の魂を浄化して成仏を願うのではないかと思います。

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称念寺では、毎年春(4月)と秋(10月)に、本堂で動物合同供養の大法要を執り行っています。塔婆に動物の名前を書きお一人お一人に回向(えこう)し、冥福と成仏を祈念します。「寺務所」、ここでペットの供養を受け付けています。

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動物合同供養祭には釈迦を偲んで涅槃図をかかげます。釈迦はすべての生きとし生けるものにはみな仏性がある。人間のみならずすべてが仏になりえるとと説きました。

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涅槃図では、多くの菩薩や弟子、善男善女と共に動物たちも悲しみ馳せ参じ、お花をささげています。動物合同供養の大法要では、参列できない方のためライブ中継もあるそうです。

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境内の墓地に供養碑「愛塔」があります。亡き動物たちが浄土で仲良く安らかに過ごせる願いを込め丸い石塔にして、愛の文字を刻んでいます。みんな仲良く安らかに眠るよう四季折々の花々が咲き、鳥がさえずります。

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動物の慰霊のため、また健康・長寿を祈るため、開門時はいつでもお参りできるように、新たに参道に慰霊碑「ともだち」と観音菩薩像が建立されていました。

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称念寺では、すべての生き物は平等であるとして、みんなが力を合せ不幸な殺処分のない社会が訪れることを願っています。還誉和尚が老松を植えたときにも夢に猫が現れ、松の枝が本堂まで伸びると大きな福があると伝えたそうです。もう少しのようです。

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コメント

こんばんは。ゆーしょーです。
称念寺ではペットの供養を受け付けているのですね。
和歌山でもペットの供養を受け付けるお寺が
いくつかあります。
わが家で飼った犬や猫もそのお寺で供養してもらいます。

投稿: ゆーしょー | 2025年1月20日 (月) 22:16

★ゆーしょーさん こんばんは♪
ペットでもいなくなると悲しくて、なかなか立ち直れません。お寺で供養してもらうと、少しは気が楽になるかも知れませんね。

投稿: りせ | 2025年1月22日 (水) 01:49

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