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2024年9月14日 (土)

新京極を歩く その1 染殿院

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事の四条通から新京極通に入りました。「新京極通」は四条通から三条通までの通りで、明治5年(1872)に当時の京都府参事であった槇村正直によって開かれた比較的新しい通りです。

東京遷都で沈滞している京都を活性化するために寺社の境内を整備して開いた通りに、明治の中頃には見世物小屋や芝居小屋が建ち並び、現在の新京極商店街の始まりとなりました。

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京都で最も古く、全国でも浅草についで2番目に古い商店街です。7つの寺院と1つの神社が通りに面した珍しい商店街でもあります。「阪急電車9番出口」

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「阪本漢方堂」 東大阪市で約100年前に製薬会社として創業、現在関西を中心に医薬品会社、漢方薬局として事業を展開。日本の風土や気候、日本人の体質に適応しながら発展してきた漢方薬を処方しています。

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「染殿院」 時宗四条派大本山金蓮寺(こんれんじ)の塔頭です。石標には「時宗開祖・一遍上人 念佛賦算遺跡」とあります。賦算(ふさん)とは、時宗において「念仏札」を配ることだそうです。

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染殿院は、平安時代の初め(808年)空海が創建したといわれています。空海がここで「十住心論(じゅうじゅうしんろん)」という書物を書いたので、「十住心院」と呼ばれていました。

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それから間もなくして、この寺は「染殿院」と呼ばれ子授け・安産のご利益があると信じられるようになります。以下のような出来事があったからです。

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文徳天皇皇后・藤原明子(829-900)は美貌の女性でしたが子供ができず、この地蔵尊に祈願したところ、皇子を懐妊しました。明子は「染殿」と呼ばれる邸宅に住んでいたので、染殿后(そめどののきさき)と呼ばれていました。

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祈願した地蔵は染殿地蔵尊と呼ばれるようになり、現在でも本堂(右手)に祀られています。染殿地蔵尊は空海作ともいわれ、高さが2m以上もある木彫裸形立像のお地蔵さんです。

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染殿地蔵尊は秘仏となっていて、50年に一度しか開帳しないそうです。明子が子を授かったことにより、父・藤原良房は摂政となることができ藤原氏の摂関政治が始まりました。「本堂」

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また、明子が産んだ皇子は後に清和天皇となり、その子孫は清和源氏と呼ばれ、源頼朝や足利尊氏など有力な武士を輩出しました。染殿地蔵尊のおかげで、藤原氏の摂関政治や清和源氏があるともいえます。「そめどの犬」

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鎌倉時代の1284年、時宗の開祖・一遍上人は染殿院に滞在、都の各地で踊り念仏を広めました。1311年に住持・真観は、後伏見天皇の女御・広義門院藤原寧子の安産をもたらし、この地を贈られて金蓮寺四条道場と改め、染殿院もその一院になりました。

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南北朝時代になると、足利尊氏や有力武将から土地が寄進され、足利氏の祈願所となり幕府に加護されました。江戸時代に、天明の大火(1788年)と蛤御門の変(1864年)で焼失しましたが、その後仮堂が建てられ現在に至ります。

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昭和3年(1928)金蓮寺が北区鷹峯に移転したとき、染殿院だけがこの地に残されました。(航空写真で見ると、本堂の横の長い通路の先に大きな日本家屋があり、庫裏と思われます。)

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染殿地蔵尊には不思議な話が伝わっています。夢窓疎石が苔寺を作庭した際に、大石が重くて動きませんでした。そこに一人の僧が忽然と現れ、一人で大石を動かして、夢窓疎石は思い通りに庭を造ることができました。「妙見堂」

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喜んだ夢窓疎石は袈裟を持っていなかった僧に自ら着ていた袈裟を贈りました。僧は袈裟を受け取り、持っていた錫杖を地に立てたまま消えたといいます。(四条通側にも通路があります。)

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後日疎石がこの辺を托鉢しているとき、見かけたお堂で染殿地蔵尊を拝みました。すると、先の僧に送った袈裟が地蔵の肩にかかり、手に錫杖を持っていなかったので、先の僧はこの地蔵の化身であると知りました。

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南(河原町通)の出入り口は、甘栗和菓子で有名な林万昌堂四条本店の中を通ります。右端にある石標の左面には「左 京極近道」とあります。(写真は後で四条通の南から撮影しました。)

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京都でもっとも人通りが多い場所ですが、ここでは誰もいない静かなひとときを過ごすことができました。新京極通に戻ります。

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「SILVERS」 シルバーアクセサリーの専門店として京都・神戸・名古屋・沖縄に出店。卸しに力を入れているために、商品を大量に仕入れ、安く仕入れ安く販売できるそうです。商品のバリエーションにも力を入れています。

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「BRAND REVALUE」 ジュエリー・時計・バッグなどのブランド買取専門店です。ご不要になった品物等がございましたら、是非一度ご相談くださいとのことです。最後は、このあと訪れる「花遊(かゆう)小路」です。

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コメント

そめどの犬
幸運のマスコットなんですね。
可愛いから、調べました。
僕なら何匹も買ってしまいそうです。

投稿: munixyu | 2024年9月14日 (土) 18:00

こんばんは。ゆーしょーです。
新京極はほとんど知らないのです。
60年以上の昔、京都の夜の散歩で
新京極の入り口を通りましたが
店はほとんど閉まっていたので
中へはいらなかったです。

地蔵さんの涎掛けはほとんど赤ですが、
この地蔵さんの涎掛けは柄物の可愛い
涎掛けですね。

投稿: ゆーしょー | 2024年9月14日 (土) 23:43

ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2024年9月15日 (日) 00:11

★munixyuさん こんばんは♪
そめどの犬は正月にはおみくじが付いているそうです。

投稿: りせ | 2024年9月18日 (水) 01:06

★ゆーしょーさん こんばんは♪
飲食店以外の京都のお店は6時ころには閉まるところが多いようです。

投稿: りせ | 2024年9月18日 (水) 01:19

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