建仁寺 本坊の庭園と小泉淳作展
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
昨日の記事の方丈からの本坊の小書院、大書院に入ります。ここにも小泉淳作の作品が展示されています。方丈と小書院の間に小さな内庭があります。
「〇△□(まるさんかくしかく)乃庭」 2006年北山安夫の作庭で、〇は苔地や砂紋、△は手前の白川砂の砂地、□は井筒を表します。〇△□は禅の神髄を表すとされますが、解釈には諸説あります。左は小書院。
建仁寺では小泉淳作の作品を四つのカテゴリーに分けて紹介しています。『山水画への挑戦』1960年代末から風景画の模索を始めた小泉淳作は、中国の唐・宋画に出会い水墨山水画に心酔するようになります。『石廊崎』紙本彩色 1998年 個人蔵
全国各地の山を行脚し写実をつきつめ、自然の気をとらえるような作品に結実しました。『鳥海山』紙本彩色 製作年不詳 個人蔵
小書院に展示されている絵画はガラスにいろいろな物が反射して少し見づらくなっています。『白山残照』紙本彩色 1997年 個人蔵
二つ目は「存在との対話―花卉画」 水墨山水画へと向かう一方、中国の宋・元時代の花卉画にも魅せられ、晩年まで花や野菜の作品を発表し続けます。『薄墨牡丹図』紙本彩色 1986年 個人蔵
対象の内実に迫る描写スタイルを創り出し、存在の神秘を探求。還暦を過ぎてようやく絵が売れ始め、「遅咲きの日本画家」として注目を浴びました。『牡丹花』紙本彩色 製作年不詳 個人蔵
『臥竜梅』紙本彩色 1985年 個人蔵、こちらは衝立に描かれていて、画像が四角くなくように補正してあります。
三つ目のカテゴリー(展示はありません)は「錬磨の初期作品 ― 1950~70年代」 小泉淳作は東京美術学校(現東京芸術大学)で山本丘人に師事しました。小書院からみる「潮音庭」
「顔」などの初期作品は、ジョルジュ・ルオーやベルナール・ビュフェなどの影響を受けた重厚な作風です。売れなくても自分が納得できる絵を試行錯誤し、デザインの仕事で生計を立てる日々でした。小書院から大書院への渡り廊下から
大書院から、潮音庭(左)の反対側に苔庭があります。
四つ目は「奉納三部作 ― 2000年代以降」 晩年、鎌倉・建長寺の法堂天井画「雲龍図」を手始めにお寺に奉納する大作を手がけました。
京都・建仁寺の法堂天井画「双龍図」は畳百八畳分の大きさを誇り、迫力は圧巻です。東大寺の襖絵「蓮池」「しだれ桜」はがんや腰痛と闘いながらも一筆入魂の思いで描きあげました。
大書院には東大寺の襖絵「蓮池」が展示されていました。複製とは書いてないので東大寺からお借りしたものだと思います。
大書院のこの絵だけは、美術館のように照明の反射が写らないようになっていました。
『しだれ桜』 展覧会のHPに掲載されていて原本の所蔵は東大寺です。80代で制作した本坊の襖絵の一つで、奈良県宇陀市の又兵衛桜を入念に観察・写生したそうです。日経アートからシルクスクリーン版画が販売されています(¥418,000)。
大書院からみる「潮音庭」 小堀泰巌老大師(臨済宗建仁寺派管長)の作庭、北山安夫監修による苔庭です。中央に三尊石が見えます。建仁寺は外国人の方が目立ちました。
小泉淳作のグッズはビデオルームで販売、通販もあります。また、8月2日~9月22日、19:00~21:30には夜間拝観が行われています。
台風の影響で8月31日と9月1日は展示が休止となりました。このあと、初めて公開される塔頭の西来院に向かいました。
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コメント
襖絵を生で見たことはありませんが、
東大寺の襖絵「蓮池」は迫力が凄いですね。
圧倒的な力を感じます。
投稿: munixyu | 2024年8月31日 (土) 19:11
こんばんは。ゆーしょーです。
何と建仁寺案内部ビデオルームまで
あるのですね。ポチ♪2
投稿: ゆーしょー | 2024年9月 1日 (日) 00:03