閑臥庵と普茶料理
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昨日は烏丸鞍馬口にある閑臥庵を訪れお昼の普茶料理を頂きました。「閑臥庵(かんがあん)」は山号を瑞芝山(ずいしざん)という黄檗宗の禅寺です。
この地は、江戸時代前期には後水尾法皇の実弟・梶井常修院の宮の院邸でした。1671年に法皇は、王城鎮護のために貴船の奥の院から鎮宅霊符神(ちんたくれいふじん)を歓請して開山したのが当寺の始まりです。
御所の祈願所として法皇自ら「閑臥庵」と命名し、御宸筆の額を寄せて勅号としたそうです。境内のあちこちに源平咲きの梅が咲いていました。
閑臥庵は普茶料理を頂けることでも知られています。本堂への参道途中に玄関があります。
閑臥庵の普茶料理は懐石普茶料理といわれ、肉類は使わず油を巧みに使う精進料理です。この懐石普茶料理は健康的で薬膳料理と相通じるものがあり、食べていた黄檗の高僧は、みな長生きだったといわれています。
参道に面した個室に案内され、お昼の「紫膳(むらさきぜん)」を頂きました。
上と下は筝羹(シュンカン)、季節野菜の煮合せです。華やかな盛り付けは京都のおもてなしの心をお膳に表わしたいと庵主(女性のご住職)の発案で、季節の花が飾られていました(最後の写真も)。
うめぼしの日の出揚げ、甘い梅に衣をつけて揚げてお出汁に浸してあります。
揚油(ヤンウー)、野菜の揚げ物でそれぞれお味がついていてタレにつけずに頂きます。左にランの花、右に生姜を揚げたものがあります。
麻腐(マフ)、ごま豆腐です。山椒の葉がのっていてワサビを付けていただきます。
雲片(ウンペン)、くず引きです。小さく切った様々な野菜を餡で煮た温かい料理です。
浸菜(シンツァイ)、浸し物で、上は麩の味噌和え、下は野菜の胡麻和えです。
もどき、見立て料理でこの日は「くりもどき」でした。揚げた細いソーメンでサツマイモを包んであります。どちらも植物由来ですが、これももどき料理のようです。
湯葉、重ねて豆腐のように切り、生姜をまぶした大根おろしがのっています。HPの柴膳のメニューには汁物の寿免(スメ)がのっていましたが、その代りのようです。、
酸菜(サンツァイ)、酢の物です。数種類の野菜を千切りにして甘めのお酢でまぶしてあります。
飯子(ハンツウ)と澄子(スメ)、掩菜(エンツァイ)、ご飯とすまし汁、香の物です。
果菜(クオウサイ)、水物でこの日はおゼンザイでした。
こちらの普茶料理のお汁は、かつお節などの動物性素材をつかわず、椎茸や野菜などからとったものだそうです。油や葛を巧みに使って、見た目より腹持ちもよく、ベジタリアンやヴィーガンの多い外国人客にも人気があるそうです。
お食事のあと、本堂を拝観させていただきました。本尊として釈迦如来を祀っています。現在は本堂内は撮影禁止でしたが、下3枚は撮影可能だった2008年の写真です。
このとき、来日した2人のチベット高僧が1週間をかけて描いた砂曼荼羅が公開されていました。「砂曼荼羅」とはチベット語で「円」を表し、四角と丸が書かれた台に、何も見ずに種類の色砂を置いて描いたそうです。
中央に四角で囲まれた楼閣があり、楼閣は金剛の籠で覆われてそれぞれに仏が鎮座しています。中央に大日如来(白)、東に阿(青)、南に宝生(黄)、西に阿弥陀(赤)、北に不空成就(緑)が描かれています。
砂曼荼羅は二つ作られ、一つは法要後に直ぐ壊されたそうです。写真にあるのは残された大きい方(公開用?)です。やがて風や振動で自然に崩れてしまうといわれていましたが、昨日は本尊の脇で奇跡的に残っていた砂曼荼羅に再開しました。
ところで、閑臥庵を開いた後水尾法皇は、春に、秋に、和歌を詠んで庭を愛でたといわれ、御宸翰(法皇の書)その他が今も伝えられています。本堂の横からお庭の一部が見えます。
法皇は境内庭前に、霊符神遷座記念として桜を植え、「霞みゆく 松は夜ふかき 山端(やまばた)の あけぼのいそぐ 花の色かな」と歌を詠みました。
後水尾法皇が勧請した鎮宅霊符神は、参道の正面にある鎮宅堂(御廟)に祀られています。この神像は、平安時代の陰陽師・安倍晴明の開眼といわれ、円融天皇の命により御所の守護神として貴船神社・奥の院に祀られていました。
お堂の前の狛犬の台座には五芒星が刻まれています。五芒星は安倍晴明の紋で、陰陽五行説では木・火・土・金・水の5つを表し、あらゆる魔除けの呪符とし重宝されていました。
鎮宅堂の前には羅漢像が置かれていました。この後、咲き始めた桜を求めて市内を回りました。
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コメント
精進料理といえど、精進料理はボリュームがありますね。
デザートまであって、意外と食べきれないかもしれません。
たまには、こういう料理もいいですよね。
投稿: munixyu | 2024年4月 2日 (火) 16:19
こんばんは。ゆーしょーです。
ムチャ美味しそうな普茶料理ですね。
普茶料理とは、本宗の開祖隠元禅師が
中国から伝えた精進料理なのですね。
最後にぜんざいも付くのですね。
ぜんざい大好きです。
ポチ♪2
投稿: ゆーしょー | 2024年4月 3日 (水) 00:10