桜の岡崎疏水 徳成橋から仁王門通へ
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
昨日は岡崎の琵琶湖疎水に行ってきました。青天のなかで歩き疲れ、今日は寝過ごして更新が遅れました。
上は「徳成橋」から西、下は東の方、橋の上を東大路が通ります。ここから、桜の風景を眺めながら、右(南)の冷泉通を歩きます。
道路を渡って徳成橋の上から。琵琶湖疏水の南禅寺船溜から夷川ダムまでの約3㎞は「桜回廊」とよばれ、「十石船」が運航しています。今年は3月20日(水・祝)から4月14日(日)の期間、15分間隔です。
橋のすぐたもとに「得長寿院跡」の石碑があります。平安時代後期の1133年、平清盛の父・忠盛が鳥羽上皇のために得長寿院を造営、三十三間堂を建てて千一躰仏を奉納したそうです。
対岸には、先日記事にした手おけ弁当の「六盛」があります。
今まで歩いて来た通りは「れいせん通」と呼ぶそうです。「れいぜい」ではないのにはややこしい事情があり、詳しく説明するスペースがありません。ここで琵琶湖疏水は東西から南北に向きを変えます。
冷泉(れいせん)橋の上から北、いつも見ている「府営住宅西天王町団地1棟」です。疏水が向きを変える市営住宅の右に行ってみます。
この通りは「桜馬場通」というそうです。右はかっての武徳殿跡に建てられた武道センターで、通りの名前と関係があるかも知れません。平安時代、得長寿院からこの通りかけて「尊勝寺」があり、左の市営住宅の前に遺跡の説明板があります。
十石船がひっきりなしに行き交い、向うの夷川船溜で折り返してきます。「岡崎桜回廊十石舟めぐり」として南禅寺船溜から9:30か16:30まで運航し受付は随時、8:00と8:30には特別貸し切りプランがあります。
順正や八千代、都ホテル、長楽館などでランチやアフタヌーンティーと組み合わせた特別プランもあるそうです。これらのプランは既に満席になっているようです。
もう一度冷泉橋に戻って、疏水の西側を歩きます。この南北の道は「疏水浜通」で、舟運が盛んな頃は船荷の揚げ降ろしで賑わったそうです。また、江戸時代に御所の火災で疎開させられた寺が集まった場所でもあります。
また、疏水は深さ3m近くもあり、菊池寛の短編小説「身投げ救助業」の舞台にもなりました。疏水べりで茶店を営んでいた女将は、初めは手を合わせて見送るばかりでしたが、何とか助けてやりたいと思います。「ロームシアター京都」
ある時から竿を差し出すと、みな例外なく竿にしがみつき岸に引き上げられました。女将はそれを巡査に引き渡すと報奨金が貰えましたが、自殺志願者から感謝されたことはありませんでした。
女将は報奨金が溜まり夢が膨らみますが、駆け落ちした娘が持っていってしまいます。女将は絶望して,,,しかし親切な人に助けられ、ただ恥ずかしいばかりで怒りがわきました。その後、身投げ救助用の竿は小屋の壁に立てかけられたままだったそうです。
二条橋の上から南 平安時代後期にこの辺りの白河殿が院政の舞台となり、歴代の天皇が建立した法勝寺や最勝寺など6つの寺院(六勝寺)もありました。二条通はその副都心のメインストリートでした。
この辺りは延勝寺があった場所です。ところで、琵琶湖疏水の流れがこの区間でいったん南北に流れるようになったことには、紆余曲折がありました。
琵琶湖疏水の計画案に舟運が組み込まれ、明治20年にインクラインを設けて南禅寺船溜から鴨川に向かう直線的な水路案が考えられました。
しかし、直線的に鴨川に向かうと水位差が大きいので二個の閘門(水位差がある場所で船を昇降する機構)が必要で、船が一つの閘門を通過するために約15分を要すると試算されました。
更に調査をすると、現状のように鍵形に曲折して水路を長くすれば、一つの関門で北西の夷川鴨川に舟を導けることが判明しました。北に行くほど鴨川の水位が高いので、そこに接続する疏水の水位差が小さてすむからです。
それに対し、疏水事務所理事・坂本則美は直線的にインクラインから夷川に向かう案を建議。理由は、斜行すれば流路が減り、回り道を嫌うのは自然だとして、疏水事務所長・尾越書記官も賛成しました。延勝寺跡の石碑
しかし、北垣知事は後の市街開発のことを考えれば道路を直角に通すことが必要であると、その建議を退けました。当時の知事は選挙ではなく国から指名され、絶大な権限を持っていました。(琵琶湖疏水が向きを変える場所に来ました。向うは東の慶流橋。)
北垣知事が将来の岡崎地区の開発を予見していたとは考えられませんが、このあたりで疏水が直角に折れ曲がることにより土地利用が容易となったことは確かです。
向うは「みやこめっせ{京都市勧業館)」、ここから疏水は東西の区間となり、仁王門通に沿って南禅寺船溜に向かいます。
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コメント
こんばんは。ゆーしょーです。
岡崎疏水の両岸のサクラがとてもきれいですね。
この疎水に観桜船が出ているのですね。ポチ♪2
投稿: ゆーしょー | 2024年4月12日 (金) 00:03