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2024年3月 5日 (火)

北野天満宮 船出の庭・御土居・梅苑

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事に続いて、北野天満宮の拝観エリアに入りました。絵馬所の横にある入口から入り、最初に「船出の庭」を訪れました。北野天満宮では、2027年に斎行される道真没後1125年「半萬燈祭」に向けて境内の大規模な整備を行っています。

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国宝絵巻「北野天神縁起」などに描かれた境内図にもとづいて、境内や古儀の復興に取り組んでいます。1917年に調理所として建設された建物を、2014年にこの場所に曳家工法で移転して、道真の屋敷の紅梅殿を再現しました。

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2016年には紅梅殿の周辺に石敷きの小川を造り、湧き水を引くなどして道真邸の庭園を再現しました。同年11月3日には北野天満宮では初めての「曲水の宴」が行われました。

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今年は3月9日(土)午後1時~2時に「曲水の宴」が行われます。中国から伝わったこの宴は、奈良・平安時代に盛んに行われ、菅原道真も確認できるだけでも4回、宇多天皇の宴に招かれています。(今回の整備事業で造営された「御手洗側」)

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紅梅殿の横の「連歌所の井戸」 北野天満宮には連歌会所があり、室町より江戸にかけては盛んに連歌会が行われました。連歌を献じて神の御意を慰める「聖廟法楽」が毎月25日に催され、朝廷をはじめ広く庶民にも親しまれたそうです。

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西の幕の外に摂社があります。「豊国神社」(祭神は豊臣秀吉で、開運・立身出世の神)、「一夜松神社」(一夜千松の霊、延命長寿の神)、「野見宿祢(のみのすくね)神社」(野見宿祢命、スポーツ上達の神)。

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他にもいくつか摂社がありますが、外からしか近づけません。船出の庭から御土居に立ち寄りました。安土桃山時代、豊臣秀吉は洛中洛外の境界に水防のための土塁を築きました。ここから右に境内を一望できます。

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こちらは現存する御土居で古くからの自然林となっています。自生のものと後に植林されたものを含め、現在、約350本の紅葉があり、名所「史跡御土居のもみじ苑」となっています。太鼓橋の「鴬橋」

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道真「このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」 昌泰元年(898)に宇多上皇の大和の国巡幸にお供をして、手向山八幡宮に参拝された折に詠った歌です。紅葉も道真とゆかりがある樹木だそうです。

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こちらの御土居は紙屋川(天神川)の土手にもなっていて、御土居の下の散策路は紅葉とともに枝垂れ桜が美しい場所です。枝垂れ梅もありました。

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対岸には竹林もありますがこの日は近づいていません。こちら側はちょっとした梅林になっています。ここから再び御土居の上に上り、梅苑に向かいます。

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右が梅苑の入口で、御土居の上にも紅白の梅がありました。

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梅苑の茶室「松向軒」の前で、猿回しをしていました。覗いてみると、残念ながらパフォーマンスが終わったところでした。北野天満宮では昔から、牛や馬を疫病から守るため猿回しをして厄災をサルことを祈っていたとか。

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お猿は「いちのすけ」という名で、曲芸だけでなくなかなかの芸達者のようです。普段はもじもじしておとなしそうですが、逆立ちや遠くから飛びながらの輪くぐりなどの曲芸をした後は威張った格好をします(上の写真)。

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茶店でみたらし団子をいただきました。梅茶と左上のお菓子の「菅公梅」は梅苑の拝観料についています。

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一休みしたあと、梅苑を回りました、ここには、約2万坪の敷地に道真ゆかりの梅50種約1,500本が植えられているそうです。

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一昨年、北野天満宮梅苑を「雪月花の三庭苑」のうちの「花の庭」として整備しました。

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雪月花の三庭苑とは、江戸時代の俳諧の祖といわれる松永貞徳(1571-1663)が作庭した妙満寺の「雪の庭」、清水寺の「月の庭」とかって北野天満宮にあった「花の庭」のことです。梅苑に見晴らし台が造られています。 

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妙満寺の成就院の庭園は冠雪の比叡山を借景とした眺望、清水寺の成就院の庭園は高台寺山を借景とした池泉観賞式庭園で、月の光に照らされた庭が美しいとされます。

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この地には、かって北野社神宮寺成就院(成就坊)があり、そこには「花の庭」があったそうです。北野社は北野天満宮のことで、神宮寺は神社を管理する寺院です。今回の整備事業で新設された「文道会館」

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いずれも成就院という名の寺院の庭だったので、成就院「雪月花三名園」とも呼ばれました。見晴らし台からは通常は見れない角度で梅苑を見渡すことができ、高い位置に咲く梅の花が間近に見えます。

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梅苑は2月23日(金)~3月17日(日)の週末(金・土・日曜日)の日没から午後8時(閉園)までライトアップが行われます。木の枝には、ライトアップのローソクを入れる透明な器がつるされています。 

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北野天満宮の成就院と花の庭は明治の神仏分離令で廃されていました。今回北野天満宮の「花の庭」が再興されたので、「令和再興 雪月花の三庭園」として上の三寺社は歩調をあわせて公開しています。

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梅苑には新しく(本殿前にもある)「飛梅」が植えられています(上の写真)。梅苑の中央付近には小さいながら州浜と池が造られていました。

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以前にあった排水溝のような水の流れを、今回の整備事業で小川として整備したようです。小川は梅苑を流れて池に注ぐので、様々な色の梅の花が浮かんでいました。

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文道会館の前のテラスから。この後、春の特別公開として北野天神縁起絵巻や刀剣が展示されている「宝物館」に向かいました。

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コメント

梅を見て、茶店でみたらし団子を食べて休んで
また梅を見る。これが一番いい梅林の楽しみ方
でしょうね。ますます春が待ち遠しくなります。

投稿: munixyu | 2024年3月 5日 (火) 13:57

こんばんは。ゆーしょーです。
北野天満宮でも「曲水の宴」が行われるのですね。
今年は3月9日(土)に行われるのですね。
優雅な曲水の宴を見たいものです。
ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2024年3月 6日 (水) 00:03

★munixyuさん こんばんは♪
この季節に毎年北野天満宮に行っていますが、少しずつ変化していて、時の流れを感じます。

投稿: りせ | 2024年3月 7日 (木) 01:12

★ゆーしょーさん こんばんは♪
曲水の宴は、上から盃が流れてくるまでに歌を詠んで(書いて)、酒を飲んで盃を流すという、結構緊迫した行事ですね。実際はあらかじめ歌を用意していたのかも知れませんが。

投稿: りせ | 2024年3月 7日 (木) 01:19

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