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2024年2月27日 (火)

城南宮 都の南の守護神

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日は伏見区にある城南宮に行ってきました。創立年代は不詳ですが、平安遷都の際に国常立尊(くにのとこたちのかみ)を八千矛神(やちほこのかみ)と息長帯日売尊(おきながたらしひめのみこと)に合わせ祀って創建さましれた。(東の鳥居)

国常立尊は日本書紀で初めての神、八千矛神は大国主神の別称、息長帯日売尊は日本書紀で神功皇后のことです。城(平安京)の南にあることから「城南神」と称したといわれます。「社務所」

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「真幡寸神社(まはたきじんじゃ)」祭神として真幡寸大神と応神天皇を祀り、当初、深草の地にあった式内社です。室町時代の永享10年(1438)に現在地に遷座されたといわれます。

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その後、真幡寸大神は城南宮と一体化したとされ、昭和43年(1968)になって新たに真幡寸神社が作られました。ここまで、東の鳥居から入った参道を歩いています。

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「芹川天満宮(せりかわてんまんぐう)」 平安時代後期の1111年に城南宮の南の芹川の地に菅原道真を祀ったと伝えられ、幕末には京都や伏見の人々が石の鳥居や多数の和歌を奉納しています。大正時代の初めに現在地に遷座しました。

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鳥居の向こうの石柱に「唐渡(からわたり)天満宮」とあるのは、鎌倉時代に禅宗の僧侶の間に起った、菅原道真が宋に渡り禅を修めたという渡唐(ととう)天神の信仰を物語っているそうです。学業成就・留学成功の神様です。

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今年の絵馬がありました。運気上昇と書いてありますが、中央の絵が何なのか分かりません。オナガドリが飛んでいるという方がいますが、下は水のようなので龍かも知れません。

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平安時代後期、白河上皇や鳥羽上皇によって、この地を取り囲むように城南離宮(鳥羽離宮)が造営されて院政の拠点となりました。離宮は『源氏物語』の主人公・光源氏の邸宅「六条院」をモデルにしたといわれています。

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その際、城南宮は離宮の鎮守社となりました。当時9月に行われた城南祭では、神輿行列に加え、流鏑馬や競馬(くらべうま)も行われ大いに賑わったといわれています。絵馬舎では例年のように「慶樹園」さんの植木市が行われていました。

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承久3年1221)後鳥羽上皇は「流鏑馬揃え」を城南宮で催しました。北条義時を打倒する兵を集結させる口実で、上皇は承久の乱を起こすものの鎌倉幕府勢により敗れてしまいました。鉢植えの枝垂れ梅、神苑の枝垂れ梅の開花状況が分かりました。

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手水舎「菊水若水」 江戸時代の初め霊元法皇がこの伏見の名水を飲み痛みが治ったといわれ、お百度を踏んで祈願して水を持ち帰る風習があります。若狭の水がこの下を通り、東大寺のお水取りの「若狭井」に通じているという伝承もあります。

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東からの参道の右手にある「城南鳥居」(朱の鳥居)、この向うが本殿前の広場になっていて正面は「拝殿」です。

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「三光の神紋」太陽と月と星を組み合わせた神紋は、全国的に見ても珍しい紋章だそうです。祭神の神功皇后の御座船の旗印に由来しているといわれます。

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「三照宮(さんしょうぐう)」 朱の鳥居の前の石段の上にあり、天照大御神を祀ります。城南宮の氏子地域のうち、特に上鳥羽の人々の信仰が厚いとのことです。城南宮の神紋の「三光の紋」が桧皮葺の屋根の棟にあり、「三光社」ともいわれました。

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城南離宮の御殿は、熊野詣の精進所や方違(かたたがえ)の宿所にもあてられ、京都御所の裏鬼門を守る神とされたことから、上皇や貴族が方位の災厄から無事であるように祈願しました。

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方違とは、外出や儀式などの際にその方角が悪いと、いったん別の方向に出かけ、目的地が悪い方角にならないようにすることです。朱の鳥居をくぐった右手に一本だけ枝垂れ梅が植えらています。

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室町時代の頃に、この地にあった真幡寸神社を取り込んでしまったようです。城南宮は、応仁の乱などの戦乱で荒廃しましが、江戸時代になって復興され、幕末の文久3年(1863)には孝明天皇がここで攘夷祈願をおこないました。

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これを機に1年に3回(正月、五月、九月)の天皇家の代参・御祈禱が恒例となりました。慶応4年(1868年)の鳥羽・伏見の戦いの主戦場となり、新政府軍の掲げる錦の御旗の前に旧幕府軍が総崩れとなりました。

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2月18日から3月22日の期間、「しだれ梅と椿まつり」が開催されています。また、随時「梅の花守り特別授与」が行われます。「授与所」

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初穂料を納めて美容健康と招福を祈願した花守り を受ける方を、一人ずつ巫女さんが神楽鈴でお祓いします 期間中の午前10時、さらに、土日祝日は午後3時からも、本殿の右にある「神楽殿」の表舞台で「梅が枝神楽」が行われます。

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「本殿」は 「向拝」が張り出した「前殿」の背後にあります。城南大神の3柱を祀り、工事や引越の時に限らず、新年や節分、年度初めや人生の節目となる大切な時、新しいことを始める際に、力を与えてくれる神として信仰されています。

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「前殿」の左右に「翼廊」か伸び、中に入って本殿の周囲を回ることができます。左手には稲荷社、厳島社、住吉社、兵主社(ひょうずしゃ、勝利の神・素戔嗚尊)、粟島社(少彦名神、婦人病平癒の神)を祀ります。

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右手には、天満宮社、妙見社、金比羅社、庚申社(道案内の猿田彦神)、大国主社、春日社を祀っています。回廊の中では撮影ができません。

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ところで、おとぎ話の「一寸法師」は、お椀の舟に乗って都を目指して城南宮の南にある鳥羽の津に着いたといわれます。その後の物語はご存じの通りですが、開運や良縁をもたらすシンボルとして城南宮の絵馬になっています。

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このあと『源氏物語』に描かれたほとんどの植物か植えられている神苑「楽水苑」に向かいました。現在は枝垂れ梅が見ごろです。

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コメント

今年の絵馬の中央の絵は、たぶん龍
なのでしょうが。
ヒゲか目か手か、わかりやすい龍の特徴を
描いて欲しいですよね。
これでは、さすがにわかりません。

投稿: munixyu | 2024年2月27日 (火) 16:43

こんばんは。ゆーしょーです。
今年の絵馬は登り龍ですね。
しかも白竜です。
立派なヒゲですね。
縁起がいいですね。
そして出ました、一寸法師の絵馬が!
以前と違い、今回は本物の一寸法師ですね。
このお宮さんには年中一寸法師の絵馬が
売っているのですね。
鬼が忘れた打ち出の小槌、一振りごとに
一寸法師は大きくなって立派な武士になるのですね。
一寸法師のお椀の前面には、「三光の神紋」
が描かれていますね。
一寸法師の絵馬、欲しいです。
ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2024年2月28日 (水) 00:05

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