産寧坂と轟川
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
少し前のことになりましたが、清水坂の仁王門前から清水坂を下ってきた続きです。清水坂の途中に産寧坂に下る石段があります(上の写真)。
石段上の左は「七味家本舗」 創業明暦年間(1655-1659)、一味、山椒、 唐辛子などを扱っています。天候不順で山椒の収穫量が大幅に減少したときは、品質を維持するために山椒の販売を休止することもあるそうです。
右手は「PORTER STAND 京都」 吉田カバンによる新しいコンセプトショップで、「様々なバッグが集まる荷物預かり場所」をコンセプトに品ぞろえをしているそうです。
「清水焼安田」 明治10年(1877)伏見で萬屋(よろずや)を商っていた安田福蔵が清水一丁目で開業、昭和21年(1946)に産寧坂に移転しました。現在は五代目で平成25年(2013)に「京の老舗」とし表彰されました。
「伊藤軒/SOU・SOU清水店」伊藤軒は幕末の1864年に創業、因幡薬師参道で瓦煎餅の製造しました。後に飴やくずゆなども製造し、全国の店舗に納入。2021年9月和菓子の小売店としてSOU・SOU清水店をオープンしました。
「明保野亭」 幕末に新選組、土佐藩士、会津藩士が関係する明保野亭事件(複雑で説明するスペースがありませんが)が起こった跡地に建つ同名の料亭です、2020年から一時休業中ですが廃業はしていません。
「タマゴパーラー」2020年オープン、丹波黒大豆を食べて育った京丹波産の鶏卵を使った商品を提供、1階はショップ、2階はイートインスペースとして食事ができます。
「産寧坂まるん」 和菓子やカワイイ小物を扱っています。
「雲ノ茶 KUMONOCHA 清水三年坂店」 京都に数店舗あるデザートカフェで、店内は和モダンな雰囲気です。おススメは甘すぎず食べやすいケーキと抹茶ラテからなる雲の茶セットだそうです。
「おちゃのこさいさい 産寧坂本店」 一味・七味、京のお出汁、京ラー油などの調味料のお店です。
「京・お漬物処やました 清水産」 亀岡盆地で自家栽培した野菜を使った京漬物のお店。冬は千枚漬け、夏はカボチャの漬物がおススメだとか。
「瓢箪屋」 かって清水寺の音羽の滝の水を入れる容器としてひょうたんを販売したのが始まりとか。猫グッズもあり、いつも右のウインドウを覗く猫がいます。
「轟川跡」 かってここを轟(とどろき)川が流れていたことを示す看板で、下に可愛いジオラマがあります。混雑していてうまく撮影できなかったので今年の冬の写真です。
向かいは「一千花 京都清水産寧坂店」 古民家を利用したカフェで、みたらし団子やアイスクリーム、パフェなどがあります。この横に轟川が流れていて、現在は「轟小路」と呼ばれています。
この日は、何か轟川の痕跡があるかを確かめにこの小路を入ってみました。道は小川のように緩やかに曲がっていて、側溝の蓋からは水音が聞こえています。
轟川の名称は、平安時代この川から青龍が飛び出し、轟音をとどろかせて彼方へ消えていったという伝説が由来だそうです。意外にもお店がありました。
「京の味処うえ村」 お肉や海鮮、野菜の天丼などが味わえるお食事処です。揚げたての天ぷらとかやくご飯、お吸い物、おばんざいのセットが美味しいと評判です。
昭和36年に市電の敷石を用いて産寧坂を整備する際、この場所を流れていた轟川が暗渠化され、産寧坂が通る橋が撤去されました。その橋の欄干がこの小路や八坂の塔付近に残されているといわれています。
右は、「京都ヴィラ三年坂 by 宿ルKYOTO HANARE」 暮らすように家族やグループにもおすすめの1日1組限定一戸建ての宿です。
「食堂エンドウ」 まぐろ丼が名物のようで、まぐろ+アボガド、山かけ、とうふ、キムチラー油の組み合わせや、まぐろあぶり丼、まぐろが多い丼などがあります。他にも、いろいろな定食や一品があります。
轟川は清水寺の裏山の音羽山を源として、音羽の滝(上流)から轟門前で境内を横切り、成就院の池に注いでいたといいます。「清水三年坂 Home in KYOTO」 こちらは二つ星ホテルです。
轟川は成就院の池から大講堂の裏を流れて産寧坂に向かっています(この部分は地表を流れています)。江戸時代中期(1787年)に刊行された「拾遺都名所図会」には産寧坂を横切る轟川が描かれ、名所の一つだったようです。
ここまで来るとお店は見当たらず、左は興聖寺の敷地に造られた車庫です。暗渠の轟川は右を流れています。
地面を見ながら歩いていると見たことのない標識がありました。「土地境界プレート(金属標)」といい、矢印の先が不動産登記に書かれた土地の境界を示すそうです。
下のプレートの先が清水寺の境内です。側溝が道を横切っていて勢いのいい水音が聞こえてきます。もう少し先に行ってみます。
轟小路はここで行き止まりになっていて、崖の周囲が金網で囲まれています。「関係者以外立入禁止」と「ここから清水寺に行けません」という看板が見えます。
崖の下に水溜まりがあって、上から少し水が流れ込んでいます。水量から、こちらは轟川の本流ではなく途中で暗渠に合流するようです。
崖の下に坂道がありました。先ほどの看板に「ここから清水寺に行けません」と書いてありましたが、この道は立入禁止ではなかったようです。後で考えると、ここが轟川の跡ではないかと思いました。
轟川が暗渠となる場所や橋の遺構は分かりませんでしたが、ここから引き返しました。右の崖上は興聖寺霊山本廟の参道で、轟小路が谷を通っていることが分かります。
産寧坂を横切った暗渠の轟川が、その後どうなっているのかもまだ謎です。再び賑やかな産寧坂に戻ります。
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コメント
「京・お漬物処やました 清水産」
カボチャの漬物って、珍しいですね。
カボチャは、どちらかというと嫌いですが、
漬物になるとどうなるのか、気になります。
投稿: munixyu | 2023年11月18日 (土) 14:05
こんばんは。ゆーしょーです。
相変わらず清水坂や産寧坂は賑わってますね。
清水焼のお店がありますが、じっくり見たいです。
昨夜、NHK BS プレミアムの夜の7時30分~9時30分までの
2時間、「2時間でまわる嵐山」を見ました
渡月橋、天龍寺、竹林、野々宮神社、落柿舎、祇王寺、二尊院。
何回か行っているのでとれも楽しく見ることが出来ました。
ポチ♪2
投稿: ゆーしょー | 2023年11月19日 (日) 00:18
★ゆーしょーさん こんばんは♪
私もその番組を見ました。綺麗な紅葉ばかりで、今年も同じような風景が見られるのかちょっと心配にはなりました。
投稿: りせ | 2023年11月22日 (水) 00:42