重陽の節句 9月9日
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
明日の9月9日は重陽の節句です。陰陽道の考え方では奇数は縁起の良い数字とされ、陽数の極である9が重なる日は「重陽」と呼ばれ、宮中では邪気を払い長寿を願う行事が行われていました。
また、旧暦の9月9日は菊が咲く季節であることから「菊の節句」ともいわれます。以下では、各地の寺社で行われる重陽の節句を紹介します。最初は上賀茂神社の「重陽神事と烏相撲」です。上と下は一の鳥居と楼門。
当日は本殿前にて神前に菊花を供え、延命長寿・災難除の祈願をする重陽神事が斎行されます。 本殿祭の後、二の鳥居内の細殿前前庭に作られた土俵で烏相撲が行われます。本祭典には斎王代が参列、陪覧されます。
立砂前で白い装束を纏った刀祢(とね)と呼ばれる所役が「カーカーカー」「コーコーコー」と烏の鳴きまねや烏飛びの所作を行った後、
立砂前に造られた土俵で、児童による相撲の取り組みが奉納されます。*儀式の写真には、寺社のHP、京都観光オフィシャルサイト、ボーダルサイト、京都旅屋さんのHPからの転載があります(ありがとうございました)。
嵐山・法輪寺 平安時代前期の天長6年(829)空海の弟子・道昌が寺を再興、自刻の虚空蔵菩薩像を安置して、法輪寺と称しました。その像は今も本尊として本堂に祀られ、嵯峨虚空蔵ともよばれ日本三虚空菩薩像の一つです。
「重陽の節会」菊の露を飲んで、八百歳の長寿を得たという菊慈童(きくじどう)の像が本堂に祀られ、菊の花を供え、菊酒を飲んで、除厄長寿、無病息災を祈る法要がおこなわれます。菊慈童については、最後の市比賣神社で説明しています。
謡楽の奉納もあります。
「車折神社」は、平安時代後期の儒学者で、天武天皇の皇子・清原頼業(よりなり)を祀ります。参道の途中の芸能神社には、芸能・芸術の祖神とされる天宇受売命(あめのうずめのみこと)を祀り、芸能人が奉納した玉垣が並んでいます。
「重陽祭」は平成9年に130年ぶりに再興致した当社にとって由緒ある神事です。 江戸時代の神仏習合時代には、神事とともに大般若経の転読も行われていたそうです。祭典では、菊の花を神前にお供えします。
祭典中は雅楽が奏でられ、宮司が「不老長寿」「除災招福」を祈念する祝詞を奏上します。
菊の挿頭をつけて舞う舞楽が奉納されます。祭典終了後、見学者に菊酒が振舞われるそうです。
市比賣神社は女人守護の神社として知られ、創建は平安時代初めにさかのぼります。桓武天皇が平安京を造営した翌年(795)左大臣藤原冬嗣に命じて、東西両市場の守護神として宗像三女神を勧請して市姫大明神として祀ったのが始まりです。
「重陽祭(敬老感謝)」この日は長寿を祈る日とされます。古代中国の物語「菊慈童」を模して、菊を浮かべた菊酒が接待されます。菊慈童は中国の侍童(貴人のそばに仕える少年、小姓)でした。(菊壽の舞の奉納)
容姿が美しく、周の穆王(ぼくおう)に愛されましたが、16歳の時、罪のため南陽郡酈県(れきけん)に流されました。しかし菊を愛し、菊の葉に法華経を書いたところ葉から水が滴り、それを飲むと不老不死になったといいます。
菊慈童は絵画や能の題材にされてきました。能では700年後の魏の時代。酈縣山麓から霊水が湧き出たとの報せに、勅使が派遣され、山中の一軒の庵に一人の童子を見つける場面から始まります。下は戦前の画家・岡本大更(たいこう)筆の掛け軸。
お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。
★こちらを是非よろしく→ ブログ村→
-------------------------------------------------------------------
| 固定リンク
コメント
重陽の節句は、季語なのですが、
この言葉の意味は、未だにわからないです。
日がよくて長寿や無病息災を願う日で、
山に登るなど・・・。この辺りで挫折してしまいます。
難しい文化ですよね。
投稿: munixyu | 2023年9月 8日 (金) 17:39
こんばんは。ゆーしょーです。
中国では奇数を重んじるのですね。
1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、
ここまでは一般庶民でもお祭りしますが、
9月9日はしないですね。
中国では、九が重なるとあって、
最大のお祭りなのですね。
ポチ♪2
投稿: ゆーしょー | 2023年9月 9日 (土) 00:03
★munixyuさん こんばんは♪
確かに、他の節句と比べると何の日か分かりにくいですね。もともとは宮中で祝った日に、庶民の様々な習慣が積み重なったのでしょうか。
投稿: りせ | 2023年9月12日 (火) 00:47
★ゆーしょーさん こんばんは♪
あまり庶民の中でこの日が根付いていないので、寺社の節句がクローズアップされるのかも知れませんね。
投稿: りせ | 2023年9月12日 (火) 00:49