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2023年9月12日 (火)

宝ヶ池から地下鉄国際会館駅へ

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

先日の記事で宝ヶ池の西端まで来ました。この辺りは「友愛の広場」というそうで、対岸の国立京都国際会館や比叡山の景色が美しい場所です。ボートの前を鴨が泳いでいます。

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昭和36年に国立京都国際会館が池の北側に建設されることが決定してから、宝が池公園の施設整備が具体化されました。当初から国際会館が公園の風景と調和するように設計されました。

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この広場の南(山側)にある「グアダラハラ エスタンピーダ野性馬真鍮像」 京都・グアダラハラ姉妹都市提携10周年を記念して、グアダラハラ市から寄贈されたものです。エスタンピーダとは野生馬が群れをなして爆走するさまを表すそうです。

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グアダラハラはメキシコ第2の都市で、街には年中花が咲いていて「西部の真珠」と呼ばれる美しい都市です。この日は相当歩いてきたので、この近くで一休みすることにしました。

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地図には宝ヶ池公園売店と書いてありましたが、「Garden」が店名のようです。ここでかき氷を頂きました。

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最初は、この横の道路(八丁街道)を通るバスに乗って帰宅しようと思っていてのですが、既に路線が廃止となっていました。現在は入出庫系統が狐坂を1日1便経由するだけのようです(おそらく形式的な路線維持のため)。

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宝ヶ池というバス停は叡電の駅の近くの国道367号(鯖街道、白川通)にあります。売店の方に教えていただいて、プリンスホテルの近くのバス停に行くことにしました。もう一度池の畔を歩いて北端の菖蒲園まで戻ります。

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宝ヶ池公園を通るバス路線は地下鉄の開通によって減便や路線の変更が行われ、平成9年に完全に廃止となったようです。途中で湖畔の休憩所が見えます。

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菖蒲園に戻ってきました。この奥の坂の上をかってのバス道路の八丁街道が通っています。

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「八丁」という名称は北山の八丁山に由来して、「八丁平」や「廃村八丁」が北山をご存知の方にはよく知られている地名です。通りが見えてきました。

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八丁平は八丁山の麓にある湿原で、ちょっとした尾瀬沼のような雰囲気の場所です。また八丁一帯は豊富な森林資源に恵まれ、14世紀ころから知井庄と弓削本郷両村の間で境界争いが絶えない場所でした。

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そのため、奉行所によって御留山(おとめやま)に指定され民間人の立ち入りが禁じられました。明治維新となり、入村した元会津藩士原惣兵衛が、八丁の山林を均等に分割し収益を共同管理することで、5戸5家族の所有権が認められました。

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その後、高等尋常小学校の分校もできましたが、昭和8年の豪雪で村は孤立してほとんどの住民は山を下り、昭和16年には残った1家族も八丁を捨て、廃村となりました。プリンスホテルがありますが、ここまでバス停が見当たりません。

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八丁平と廃村八丁は北山のハイキング(登山)コースとして人気があり、私にとっては懐かしい名前です。右手に国際会館のメインゲートが見えてきました。

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「国立京都国際会館」の会議場(本館)は、国が主催となって昭和38年開催された建築コンペで、195点の応募作品から大谷幸夫氏の設計が採用されました。左には国旗の掲揚ポールが並んでいます。

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設計上の特徴は、日本古来の合掌造り様式と現代的建築様式の融合だそうです。付属施設として池と木々からなる日本庭園があり、現代的建造物との対比を演出するとともに、隣接する宝が池への導線上に位置づけられています。「会議場(本館)」

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大谷幸夫(さちお、1924-2013)は、東京大学工学部建築学科卒業で丹下健三の片腕として、広島平和記念資料館や旧東京都庁舎の設計を手伝いました。後に東京大学教授、退職後名誉教授となりました。

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国際会館としては1997年、 地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催され、「京都議定書」が採択されました。この会議の目的は、大気中の温室効果ガスの増加が地球を温暖化し、自然の生態系などに悪影響を及ぼすおそれがあることを、

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人類共通の関心事であると確認し、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、現在および将来の気候を保護することでした。

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京都議定書では、地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素などについて、1990年を基準として各国別に先進国における削減率を定め、共同で約束期間内に目標値を達成することが定められました。「岩倉川」

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温室効果ガスの削減率は、実際の排出量の削減、温室効果ガスを吸収する森林の植林を削減量に換算したもの、排出量を目標以下に抑えた国の排出量を買い取る炭素クレジットなどからなります。

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2008年から2011年までの京都議定書の削減率では、日本は主要先進国では唯一実際の排出量が増加していて、炭素クレジットによってようやく削減目標を達成したことになっています。こちらは八丁街道が通る橋。

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京都議定書は各国が温室効果ガスの削減目標を設定したという点では画期的でしたが、その後も温室効果ガスは増え続けています。最近の調査では、平均気温の上昇率が過去最大となっています。バス停が見当たらないので地下鉄の駅に向かいました。

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最近、国連のグテーレス事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と発言したことが注目されました。大げさだという方もいますが、地球の将来が心配になります。地下鉄の駅はもうすぐです。

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コメント

地球沸騰の時代ですかあ。
ますます住みにくくなりそうで、怖いですね。
難しい問題ですよね。難しい難しいと言っているうちに、
更に状況は悪化していく。どうすればいいのか、八方塞がりですよね。

投稿: munixyu | 2023年9月12日 (火) 14:26

こんばんは。ゆーしょーです。
宝ヶ池の西端からの風景は素晴らしいですね。
借景に比叡山を取り入れているのですね。
この池でボート遊びも出来るのですね。
気持ちの良い景色です。
ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2023年9月13日 (水) 02:01

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