京都薪能と平安神宮南・西神苑
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
昨日の記事の西尾八ッ橋の里を後に、平安神宮の神苑を見にいきました。応天門をくぐると境内で作業をしています。今日(6月1日)から始まる薪能の準備をしていましたので、最初に紹介しておきます。
千年の歴史を持つ古都・奈良の春日大社・興福寺で行われる薪御能にならった「京都薪能」は、1950年に京都市と京都能楽会の共催で平安神宮という絶好の場所を選んで始まり、今や初夏の風物詩となっています。
第72回 京都薪能 「安寧を願い巡る京都の九寺社」が6月1日(木曜日)、2日(金曜日)、午後6時~午後8時30分頃まで行われます。ただし、雨天の場合の会場はロームシアター京都のメインホールになります。
九つの演目がすべて京都の寺社仏閣に所縁のあるものになっていて、両日ともに1曲目の上演後に「火入式」を行います。前売券は4月15日(土曜日)から発売されており、当日券(自由席)もあります。以下の数枚は過去の薪能です。
6月1日(木曜日) 観世流能「賀茂(かも)」(下鴨神社・上賀茂神社)、金剛流能「熊野(ゆや)」(清水寺)、大蔵流狂言「鬼瓦(おにがわら)」(因幡堂)、観世流能「舎利(しゃり)」(泉涌寺)
6月2日(金曜日)金剛流能「経正(つねまさ)」(仁和寺)、観世流能「百万(ひゃくまん)」(清凉寺)、大蔵流狂言「石神(いしがみ)」(幸神社)、観世流能「鉄輪(かなわ)」(貴船神社)
平安神宮では年に2回(春と秋)神苑が無料開放されます。春は花菖蒲が咲きそろう頃を見はからい、今年は6月13日(火)が公開日です。西の翼廊にある拝観入り口を入ると「南神苑」になります。
ここは、源氏物語など平安時代に書かれた書物に現れる200種余りの植物が植えられていて「平安の苑」ともいわれます。「カワラナデシコ」、大和撫とも呼ばれ、枕草子にも「草の花はなでしこ、唐のはさらなり やまともめでたし」。
南北に長い庭の中央を小川が流れています。 ちんちん電車の前から小川に沿って北に向かいます。
「ヤブコウジ(藪柑子)」 源氏物語の浮舟の巻に、正月のおめでたい縁起物のつくりものとして登場します。
「サツキ」も平安時代の文学に登場します。枕草子には「五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし」、サツキの咲くころに・・・という意味です。
小川を遡っていくと「白虎池」に着きます。この池を中心とした庭が「西神苑」です。
池の畔に花菖蒲が咲いていました。
池の周囲には何羽もアオサギが潜んでいました。まだ小さいのですが、小魚を捕まえたところです。
池の周囲に散策路があって、一周します。
この池には約200種、2000株の花菖蒲があるそうです。詳しい品種は分かりません。
平安神宮の神苑は明治28年以降に造られた人工の庭ですが、百年以上を経た現在では自然の一部となってその営みを繰り返しています。池の水は、東にある中神苑と東神苑から流れてきて、それらの水源は琵琶湖疏水です。
さまざまな種類の生物が(周囲とは異なる)一定の環境で影響し合いながら生息するような場所を「ビオトープ」(生息空間)というそうです。 午後を過ぎていましたが、少しだけ花が開いている睡蓮がありました。
ビオトープは一定の環境を維持するために人の手が必要で、「里山」や「里海」もその例だそうです。 平安神宮の神苑は、ビオトープという言葉が知られるずっと前に造られましたが、7代目小川治兵衛の作庭が現在からみても先駆的だったともいえます。
サギや小鳥が飛んできて、小魚や昆虫を捕食するのも生態系の営みの一つだそうです。
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コメント
さまざまな種類の生物が(周囲とは異なる)
一定の環境で影響し合いながら生息するような場所
そう考えると、ビオトープの難しさが分かる気がします。奥の深い世界ですね。
投稿: munixyu | 2023年6月 1日 (木) 16:50
こんばんは。ゆーしょーです。
薪能は和歌山でも見られるのですが、
まだ一度も見たことがないのです。
平安神宮へは複数回いっています。
修学旅行での平安神宮はほとんど忘れていましたが、
30歳頃に行った時の平安神宮は写真も写し
よく覚えています。
裏の庭園は素晴らしかったです。
ポチ♪2
投稿: ゆーしょー | 2023年6月 2日 (金) 01:23