西尾八ッ橋の里 邸宅と食事処
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
昨日は聖護院にある西尾八ッ橋の里でお昼を頂きました。東大路通から春日北通(上)を少し東に行くと「本家西尾八ッ橋」があり、その東隣の別邸が西尾八ッ橋の里です。春日北通は丸太町通の一筋北で、金戒光明寺の高麗門(西門)まで至ります。
「西尾八ッ橋の里」は大正8年(1919)、財界人で学識者の河原林檉一郎(かわらばやしていいちろう )の邸宅として建てられました。河原林は東洋レーヨンなどの要職を歴任、数多くの論文を残し、京都法政学校(後の立命館大学)の設立に尽力しました。
邸宅は後に東芝産業の所有となり、主に役員専用の保養所として利用されていたものを本家西尾八ッ橋が購入しました。表門から玄関への道脇は苔庭になっていて、様々な植物が植えられています。
2012年には「京都市民が選ぶ 京都の財産として残したい京都を彩る建物や庭園」に指定されました。翌2013年に、床下の基礎から全面改修・復元を行い「お食事処・甘味処 西尾八ッ橋の里」として公開されています。二葉葵
通された部屋は玄関から見て右手の二間続きの和室で、床の間の前の席に座りました。席からは庭園が見渡せ、前に月見台が設けられています。
南(下の写真)にもちょっとした庭があります。
庭の東には、本家西尾八ッ橋が八ッ橋の由来として新たに「かきつばたの池」を再現しています。 八ッ橋の由来には二つの説があり、一つは八橋検校の箏に似せたせんべい状の焼き菓子です。
一方、本家西尾八ッ橋やその一族の店は『伊勢物語』第9段かきつばたの舞台・三河の国の八橋にかけて、8枚の橋板を模したせんべい状の焼き菓子がルーツだとしています。
京都にある代表的な八ッ橋のお店の由来や、最近あった騒動などについては、こちらの記事に詳しく説明しています。以前から自生していたものと思われる樹齢百五十年を超える椋の大木が保存されています。
数寄屋造りの和館は庭を挟んでL字型になっています。
頂いたのは名物の「山椒 鶏みそうどん」と小さな炊き込み御飯のセットです。旨味たっぷりの和風味噌出汁で鶏と季節の京野菜を煮込み、腰のあるうどん麺で仕上げ、京北峠で採れた香り高い山椒が添えられています。西尾の八ッ橋がついています。
山椒 鶏みそうどんは、クール宅急便で全国配送しています。(床の間には聖護院門跡の書が架かっていて、右には違い棚があります。)
床の間には取り込み書院が設けられていて、庭が見えます。
庭先には履物が置いてあって、池の向こうまでいってみました。正面は先ほどの和室で、その左(東)に茶室があるようです。
デザートに「蓮餅」を頂きました。レンコンのでんぷんから作られた上品なお餅で、美しく器に盛られて食べるのが惜しい気がします。
襖の取っ手や釘隠しなどの調度、室内に飾られた書画や置物、庭にある石造品など、邸宅を建設した河原林檉一郎やその後に購入した西尾八ツ橋の趣向が反映されて見どころに溢れています。
玄関横の洋館は「資料室」になっていて、西尾八ッ橋の資料が展示してあります。上で紹介した八ッ橋騒動の記事に出てくる、八ッ橋の歴史史料を見ることができます。
資料の一つだけを紹介します。文化3年(1825)熊野神社に寄進された祈願成就の絵馬です。熊野神社には八ッ橋の中興の祖ともいうべき西尾為治の銅像があります。
西尾為治の子供たちが戦後になって開業したのが本家西尾八ッ橋を始めとた西尾の店舗たちでそれぞれ聖護院に店を構えています。
和館と洋館の間の小間にカキツバタが描かれた衝立が見えます。
最後に頂いたパンフレットから季節の異なる庭園の写真を。昨日は、西尾に所縁のあるカキツバタの花はありませんでしたが、この写真は見頃の時期です。
紅葉も美しいようです。
春は枝垂桜が庭園を彩ります。最後の写真は廊下から、今では貴重な大正ガラスの窓越しに庭が見えます。
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コメント
八ッ橋は、凄く有名なのに由来が定かでないって、不思議ですよね。
意外と記録とかって、されてないものなんですね。
あと、デザートの「蓮餅」も涼しく、美味しそう。
レンコンのでんぷんから、ということで
取るのが大変そうで、作るのも大変そうですね。
投稿: munixyu | 2023年5月31日 (水) 19:11
こんばんは。ゆーしょーです。
八つ橋発祥の家の名物は、山椒・鶏みそ
うどんと炊き込み御飯のセットなのですね。
京都らしいお料理ですね。
これだけ全部食べられましたか?
ポチ♪2
投稿: ゆーしょー | 2023年6月 1日 (木) 00:34