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2023年5月13日 (土)

法然院 新緑の境内をめぐる

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事に続いて、哲学の道(洗心橋)から山沿いの「隠れ道」沿いにある法然院に向かいました。

坂道の途中の「ギャラリー オルス・京」、アートギャラリーで、Olus はラテン語で野菜の意味で、京都の自然に育まれる願いを込めているそうです。5.5 (金) - 14 (日)の期間「琉球の手しごと-芭蕉布 と 金細工-」を開催しています。

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T字路の角に京湯どうふ「㐂さ起」、京湯どうふ膳、京湯どうふうなぎ膳、京湯どうふお造り膳、㐂さ起なべ、㐂さ起なべ 天ぷら膳、㐂さ起なべ お造り膳、おまかせコースなどがあり京湯どうふ膳以外は要予約。5月16日~18日は店内工事のため休業。

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隠れ道を東に向かって歩きます。谷崎潤一郎邸跡に建っている「心猿庵」。東京高田馬場にある茶道会館(裏千家)の茶室で、現館長の北見宗峰氏が2005年に建造しました。

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茶室は国宝如庵の写しですが、随所に北見氏の数奇者としてのこだわりがあるといわれています。ちなみに、「心猿」とは、心の欲の制し難いことを、猿がわめき騒ぐのに例えた言葉だそうです。

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「テラス哲学の道」 売りに出ることはまずない希少物件(マンション)だそうです。現在この地区でマンションを建設することはできず、隣接する建物はなく、きれいな庭と市内の眺望に恵まれたすばらしい環境です。

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この日は表門ではなく、山門横にある脇の入口から入りました。

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「法然院」は正式名称を「善気山法然院萬無教寺」という浄土宗の寺院です。

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「山門」は明治20年(1887)に建立された茅葺の門です。その後再建され、茅は数年前に吹き替えられました。

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「白砂壇(びゃくさだん)」 白い盛り砂は水紋を表し、その間を通ることによって心身が清められるとされます。この日はシンプルな砂紋でしたが、季節によって様々な紋様が描かれます。

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白砂壇の横にある「講堂」は江戸時代中期の1694年に大浴室として建立された奥行きがある建物です。最近ではいろいろな目的のために貸し出されています。この日は「陶と花展」が行われていました。

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法然院は、法然が弟子住蓮・安楽とともに六時礼讃を勤めた旧跡です。 六時礼讃とは、浄土宗などで一日を六つに分け、それぞれの時間に唐の善導が作った偈頌(げじゅ、教理をとく詩)を朗誦することだそうです。

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 放生池にかかる石橋を渡ります。左(西)にある「経堂」は、江戸時代中期の1737年に建立され、釈迦如来像、毘沙門天像、韋駄天像、千体地蔵尊が安置されています。

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法然院は、江戸時代の延宝8年(1680)知恩院の38世・萬無上人が法然ゆかりの地に念仏道場を建てることを発願し、門弟の忍澂と共に再興しました。

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上の突き当たりの右手に手水鉢があり季節の花が飾られています(最後の写真も)。以前に庭の手入れをしている貫主の奥様に伺うと、庭園に咲いているものを飾っているそうです。

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右手の本堂へ行く道の突き当りに「十萬霊塔」、三界霊塔のように、生きとし生けもの全ての霊を供養するためと思われます。

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「本堂」は江戸時代前期の1681年に建立され、本尊の阿弥陀如来坐像を安置しています。石の玉垣の先(擬宝珠?)が、何と(鹿ヶ谷)カボチャでした。今まで何度も訪れているのに初めて気が付きました。

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本堂前の石段の上に石の祠があり、「地蔵菩薩像」が祀られています。江戸時代の1690年に忍澂の作で端正なお顔です。

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地蔵菩薩を囲む玉垣の擬宝珠が鹿ヶ谷カボチャ。以前にNHKが1年に渡って「京都法然院 命の庭」を撮影。撮影スタッフは、四季を通じて様々な草花や、珍しいモリアオガエルやタコガエル、それらの小動物を餌にする渡り鳥、ムササビやイノシシ、

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狸と出合いました。その撮影スタッフがカメムシに悩まされた話を聞いた大工さんが、遊び心で本堂横の木戸にカメムシを描いたそうです。奥様はこんな大きなカメムシとは思わなかったといいながらも、不満そうには見えませんでした。

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法然院は、昭和28年(1953)浄土宗より独立して宗派組織に属さない単立宗教法人となりました。 「表玄関」いつもは開いていて雅楽の一場面の衝立が見えます。

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境内の西に行くと、見晴らしがよくなっていて吉田山やその背後の西山・愛宕山まで見えます。ずいぶん高い場所にいることが初めて分かりました。

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境内の西にある千本ゑんま堂の萬霊塔を写しの「多宝塔」、随分拡大しています。

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陶芸家・中野亘氏による「聞思得修信乃庭」 法然800回忌を記念して奉納され、「風と土の声を聴き安楽国の光明を観る」とされています。

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参道横のガラスアートの枯山水「つながる」 ガラス造形作家・西中千人(ゆきと)氏の作品で、市場の廃ガラス瓶を回収して溶かして素材とし、様々なオブジェに仕上げて輪廻転生・持続可能な世界を表しています。

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参道の山側の墓地には、谷崎潤一郎、河上肇(経済)、内藤湖南(東洋史)、九鬼周三(哲学)、濱田耕作(考古学)、福田平八郎(日本画家)、稲垣足穂(小説家)など文化人や学者が眠っています。自然に包まれた環境が好まれたようです。

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隠れ道まで下りてきました。石段の上に冠木門の「総門」があるのですが、日向の中の木陰ではっきりとは見えません。ここから哲学の道に戻りました。

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コメント

こんばんは。ゆーしょーです。
茅葺の山門とは初めて見ました。
良いものですね。 ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2023年5月14日 (日) 01:42

★ゆーしょーさん こんばんは♪
この山門は法然院のシンボルです。20~30年に一度の吹き替えはずいぶん時間と経費がかかるようです。

投稿: りせ | 2023年5月18日 (木) 00:44

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