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2023年5月 7日 (日)

三千院 花と石仏と青天井

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事に続いて、大原・三千院の山側にある境内をめぐります。境内にはシャクナゲ、ボタン、ヤマブキ、シャガ、遅咲きの桜などの花が咲き、石仏が点在しています。 青天井は最後に出てきます。

有清園から次の高台にいく坂道に京の七福神の一つ「妙音福寿大弁財天」と「宇賀神」(下の箱のなかでとぐろを巻いている蛇)が祀られています。

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「金色不動堂」 護摩祈祷を行う祈願道場として平成元年に建立され、本尊として智証大師作と伝えられる秘仏「金色不動明王」(重文)を祀ります。毎年4月に行われる不動大祭期間中の約1ヶ月間、秘仏が御開帳されます。

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金色不動堂の右手にある石段を上ると、一番高い4段目の高台にお堂があります。

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「観音堂」 平成10年に建立され、身丈3メートルの金色の観音像が祀られています。

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観音堂の両側に「小観音堂」がいくつも建っていて、奉納された小観音像が安置されています。こちらは左の小観音堂で、その横に美しい姿の「聖観音像」が立っています。

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石仏彫刻家・長岡和慶師の作品です。師は石彫家として初めて三井寺や三千院から大仏師の称号を受け、石仏の文化財あるいは信仰の対象としての価値を高めたと評価されています。永観堂阿弥陀堂前にある「やすらぎ観音」も師の作品です。

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中根史郎作庭の「二十五菩薩慈眼の庭」 斜面に配置した25の石を菩薩に見立てて補陀落浄土を再現しています。草木が茂って石が見えなくなっています。

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ここから、いつものように律川の方(あじさい苑)に向かいます。この日は天候が良かったので、金色不動堂の前には下りずに斜面にそった小道を歩きます。

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この道沿いにも様々な花が咲いています。

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雨や雪が降って足元が悪いとこの道は通行止めになるので、久しぶりに歩きます。

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律川にかかる上流側の橋を渡ります。

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右岸(北岸)には数年前から、「おさな六地蔵」が祀られています。

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おさな地蔵は、宮崎県日南市在住の彫刻家・橋口弘道氏の作品です。橋口氏は昭和13年(1938)宮崎県都城市鷹尾町で生まれました。 「お花地蔵」、六地蔵の名前は通称で正式名称ではないかも知れません。

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都城泉ヶ丘高校美術部で野口徳次に学び、東京芸術大学彫刻科に進学。その後、インドなどでの海外放浪を経て日南市にアトリエを構えました。周囲に石が積み上げられて、賽の河原のようになっています。 「笑み地蔵」 

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インドでの体験を元に、様々な素材を用いた仏像と仏画の制作をライフワークとして創作活動をしています。くしくも、昨日のわらべ地蔵の作者・杉村孝氏と同年代の人です。 「良寛地蔵」 

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平成2年(1990)には都城市立美術館前に宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を意識した不軽菩薩というブロンズ像を制作しました。橋口氏は宮崎市の「森のこども園」の園長でもあります。「鳥地蔵」

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いわゆる「六地蔵」とは、全ての生命は6種の世界に生まれ変わりを繰り返すという、仏教の六道輪廻の思想に基づいて、六道にいる人々を救う菩薩です。 「スマホ地蔵」 

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おさな六地蔵が六道輪廻にもとづいているのか分かりませんが、現代の身近な姿をしていることから、様々な人々に安らぎを与え、心に救いをもたらそうとしていることは確かなようです。「猫地蔵」、この名は三千院のHPにも現れます。

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鎌倉時代中期に念仏行者たちによって作られた阿弥陀如来像。かってこのあたりで炭焼きが行われ、その製造・販売に従事する人々にちなんで「売炭翁石仏」ともいわれています。当時の浄土信仰を物語る貴重な遺物とされています。

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石仏の前の苔むした岩の上に可愛いお地蔵さん2体、特徴的な顔立ちで焼き物と思われます。ここ何年も作者を探していて、それらしい人がいますが、まだ確証がありません。苔が深くなって埋もれてしまいそうです。左は「笠地蔵」と呼ばれるようです。

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下流側の橋を渡って、再び律川の南の境内に戻ります。

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帰り道は最初に通った妙音福寿大弁財天の横に出ます。大手鞠?

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看板によると「大原菊」(ミヤマヨメナ)、ここに植えられた経緯が書いてあるようですが読めません。

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昨日の「往生極楽院」の前を通って西門に向かいます。ところで、往生極楽院(重文)には、国宝「阿弥陀三尊像」が安置されていて、その頭上は、現存最古といわれる山形に板を張った舟底天井に、極楽浄土を表す天井画が描かれています。

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西門を出たところにある「円融蔵」の展示室にその舟底天井を原寸大で再現し、創建当時の天井画も復元されています。直接撮影はできませんが、入口にあるポスターや三千院のHPには写真が掲載されています。

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藤原時代の人々が現世に往生極楽を願い、浄土思想に基づいて描かれた天井画が、赤外線カメラを使った調査により創建当時の顔料のまま、極彩色に復元されました。見事な青色の天井に天女が舞い、

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壁には様々な楽器を演奏する天女が描かれています。先日記事にした大塚国際美術館の「スクロヴェーニ礼拝堂」を思い出させます。帰りはいつもとは違い、横の通用門から呂川沿いの道に出ます。

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コメント

こんばんは。ゆーしょーです。
シャクナゲやシャガが咲く季節となりましたね。
三千院のボタンもとてもきれいです。
苔むした地蔵さまも可愛いですね。
最後の天女舞う青天井が素晴らしいです。
ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2023年5月 8日 (月) 03:00

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