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2023年3月14日 (火)

涅槃会と釈迦・涅槃図

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

京都のいくつかの寺院では、本日(3月14日)から「涅槃会(ねはんえ)」が行われ、釈迦の「涅槃図」が公開されます。写真の最初は「大涅槃図」が開帳される本坊寺です。

「本法寺」は堀川通から一筋西にある小川通に面して山門がある日蓮宗本山(由緒寺院)の一つです。室町時代中期の1436年に、本阿弥清信が日親上人を開祖にして、東洞院綾小路に創建したのが始まりとされます。

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仏教を開いた釈迦は北インドの人物ですが、その存命していた時代は紀元前7世紀から紀元前5世紀などの複数の説があり、正確な生没年は分かっていません。

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釈迦は2月15日に80歳で入滅(にゅうめつ、死去)したとされます。実際には入滅の日もはっきりとしていませんが、南伝仏教ではインド暦の2番目の月の満月の日と定められていることから、一般的に2月15日とされています。「多宝塔」

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入滅は涅槃に入ったといわれます。「涅槃」はニルヴァーナの和訳で、煩悩や迷いがなくなり、悟りを開いた境地を意味します。唐門の向うの宝物館には長谷川等伯作「釈迦大涅槃図」(重文)が1、2階突き抜けでかかっています。

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「本堂」には光悦筆の扁額「本法寺」がかかり、本尊「法華題目牌」、「釈迦如来像」、「多宝如来像」、「日親上人坐像」を安置しています。

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「涅槃会」は、涅槃講や涅槃忌とも称し、陰暦2月15日の釈迦の入滅の日に釈迦の遺徳追慕と報恩のために行われる法要です。京都では旧暦の2月15日にあたる3月14~15日に涅槃会を行う寺院もあり、春の風物詩として親しまれています。

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涅槃会では、釈迦が沙羅双樹の木の下で、頭を北にして西を向き、右脇を下にした姿で臥している最期の様子を描いた涅槃図が公開されることが多くあります。本法寺では3月14日(火)~4月15日(土)の期間に公開されます。左が宝物館です。

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宝物館には等伯による紙本濃彩図「釈迦大涅槃図」(重文、791×402㎝)が展示されています。26歳で急逝した息子・久蔵の7回忌(1559年)に寄進したもので、京都三大涅槃図(他は東福寺、大徳寺)のひとつとされます。

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沙羅双樹の下で入滅する釈迦と、その周りに集まった羅漢や動物たちを描いています。釈迦の左の木の陰にいる緑の衣の人物は等伯自身だといわれています。(大きいので、宝物館の1、2階のそれぞれから眺めます。)

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特別公開の期間以外は複製が展示されていますが、宝物館の中では撮影できません。ここの写真は、書院にあった(縮小された)複製です。下の方に動物たちが描かれ、猫もいます。*本法寺の涅槃会についての情報はありません。

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東福寺では涅槃会が3月14日(火)~16日(木)の期間行われ、献花展、尺八献笛、甘酒の接待、花供御(はなくそ)の特別授与があり、国宝の三門特別公開も開催されます。

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本堂で大涅槃図の開帳が行われ、その大きさは縦約12m、横約6mです。室町時代の著名な画家「明兆」の作によるもので、画風の素晴らしさも有名です。他とは違い、猫が描かれている珍しい特徴があります。

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猫を探しているのですが、まだ見つかりません。

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「泉涌寺」では3月15日に仏殿において「常楽会」(涅槃会)が厳修されます。10時から14時30分頃までで、堂内にて参列できるそうです。また法要の間に限り仏牙舎利を仏殿にお祀りします。

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3月14日(火)~16日(木)の期間、縦16m、横8mと日本最大の「大涅槃図」が一般公開iされます。江戸中期の浄土宗僧侶で多くの優れた画を描いた明誉古礀上人が描いたものです。

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泉涌寺の湛海律師により安貞2年(1228)宋朝より請来された、釈迦の聖遺物・仏牙舎利にも深い思慕を持ち、涅槃図の裏面に常楽会では仏殿に大涅槃図と共に仏牙舎利をお祀りするよう遺言を残しています。

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「清凉寺」(嵯峨釈迦堂)では3月15日(水)に「涅槃会」および「お松明式」が行われます。本堂では「涅槃会」の法要が行われています。

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「高張り提灯」 本堂前に長い竿につけた13個の提灯が備えられています。高さがまちまちなのは、江戸時代にこの高さにによって米の相場を占った名残といわれています。

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「お松明」は京都でも最も古い行事のひとつです。釈迦を荼毘に付した様を再現したものといわれています。火の燃え方で豊作を占います。境内の中央にコーンを逆さにしたような形の3基の大松明の据えられています。

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高さが7~8mあり、それぞれ少し異なります。夜8時過ぎになると手前の「護摩壇」に火がつけられました。

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最初はすごい煙iがでます。

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護摩壇から火を取って、大松明の上にのせます。

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「お練り」といって、僧侶や保存会の皆さんが護摩壇と大松明の周囲を提灯を持って回ります。

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三つの大松明は、早稲(わせ)、中稲(なかで)、晩稲(おくで)を表しています。かっては、それらの燃え方によって、各品種の今年の出来具合を占ったそうです。

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お松明式は京都三大火祭りの一つで、あと二つは鞍馬の火祭と五山の送り火です。また、京都に春の訪れを告げる祭りともいわれています。

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コメント

少し暖かくなってきたと思ったら、
もう涅槃会なんですね。早いものです。
猫のいる大涅槃図。うーん、これは難しい。
猫探しといえど、入試問題になりそうな気がします。

投稿: munixyu | 2023年3月14日 (火) 16:39

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