平安神宮 節分祭
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
昨日は平安神宮をはじめ、いくつかの寺社の節分祭に行ってきました。下の写真は正午から神楽殿で行われた茂山あきら社中による奉納狂言(少ししか見ていません)。
午後2時から大極殿前に設けられた斎場で「大儺之儀(だいなのぎ)」が行われました。大儺之儀は、平安時代から朝廷で旧暦正月の前日(現在の立春の前日、節分の日)に行われた祓の行事です。
東から、弓を持った上卿(しょうけい)と殿上人が童を従え、その後に五位・七位の儺人(なびと)が斎場に入ります
西から、陰陽師(おんみょうじ)が6人の斎郎(さいろう、所役)を引き連れて入場します。
斎郎は斎場の北に食薦(けこも)を敷き、3つの案(台)に神饌を供えます。その後、斎場の中央の正確な位置を示す印、版(ばん)を敷きます。
次に、儀式をつかさどる陰陽師が独特の歩き方で版の前に進み、
祭文(さいもん)を奏上します。昭和49年故猪熊兼繁京都大学名誉教授の時代考証によって、式次第、作法、祭具、衣裳にいたるまで綿密に再現されました。
祭文の途中で、黄金4つ目の面をつけた大舎人(おおとねり 大男)が扮する方相氏(ほうそうし)が8人のシンシ(子どもの所役)を率いて入場します(最近は松明に火をつけないようです)。
祭文の奏上が終わると、方相氏が中央に進み、3度手に持つ矛で盾を打ち「鬼やらう」と大声を出します。鬼のヤロウ!と威嚇する言葉です。
次に、上卿が中央に進み、北東と北西に向かい桃の弓で葦矢を射ます。実際に矢が飛んできます。
今度は、殿上人が桃の杖で、北東・南東・南西・北西と四方を撃ちます。方相氏の矛と楯をを打つ音と大声、上卿の矢、殿上人の杖が、三重に鬼(邪気)を祓います。
再度方相氏が前に進み出て3度矛で盾を打ちすえて「鬼やらう」と発します。
その後、方相氏は矛と盾を打ち鳴らし「鬼やらう」と発声しながら、斎場の周囲を3回廻ります。
後にシンシと儺人が「鬼やらう」と発声しながら続き、斎場を見守っていた参列者も従います。
TOPの写真もこの場面で、大儺之儀のクライマックスといえます。
周囲を3回廻って斎場での儀式を終えた方相氏一行は応天門に向かいます。
応天門の前でも、斎場と同様に三重に邪鬼を祓います。最初に方相氏が前に進み出て3度矛で盾を打ちすえて「鬼やらう」と発し、
上卿はここでは南東と南西に向かい桃の弓で葦矢を射ます。
殿上人が桃の杖で、南の方角を撃ちます。
最後に、方相氏が3回矛と盾を打ち鳴らして「鬼やらう」と発声し、大儺之儀は終了します。季節の節目に粛々と行われた宮中行事では鬼は姿が見えないものとされました。
室町時代になると、節分の宮中行事は公家や武家にも伝わりました。近世に節分行事が庶民に伝わると、現在のような鬼が出現して豆まきが行われるようになりました(応天門の外に鬼が見えます)。
午後3時から「鬼の舞」が行われました。大儺之儀で追い祓われたはずの邪鬼たちが再び応天門から侵入してきます。
逃げ遅れた邪鬼たちが再び集結して襲ってくるという設定です。鬼たちは境内をわがもの顔で暴れまわります(最後の写真はこの場面)。
鬼は茂山社中の方が扮し、二世茂山千之丞が構成演出を担当しています。面をかぶっていても表情が感じられ、迫力のある動きでした。
ついには大極殿が鬼たちに占拠されてしまいます。
ところが、市民の代表に打豆(豆まき)で反撃され、大極殿から追い出されます。
鬼は茂山社中の方が扮し、二世茂山千之丞が構成演出を担当しているそうです。追い詰められた鬼たちは、応天門から逃げ出し去っていきます。
引き続いて、斎場の結界が解除され大極殿から「福豆撒き」がありました。豆を投げるのは地元知名士と年男年女らの奉仕だそうです。今年は雑踏事故と新型コロナの感染をさけるため、東西の観客の2回に分けて豆撒きが行われました。
午後4時から応天門の前に造られた龍尾檀下斎場で「大火焚神事」が行われました。祈願を込めて寄せられた「火焚串」が焚き上げられ、厄を祓います。*下の写真は過去のもので、この時はもう一つの節分祭に向かっていました。
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コメント
ようやく節分になりましたね。そして今日は立春。
とにかく早く、暖かくなってほしいものです。
異常な寒さで、今年は難儀しています。
寒さって、本当に怖いものですよね。
投稿: munixyu | 2023年2月 4日 (土) 17:07
★munixyuさん こんばんは♪
立春といえども本当の春が待ち遠しいですね。
投稿: りせ | 2023年2月 6日 (月) 01:09