雪の京都を歩く 清水寺舞台へ
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
先日の記事で、産寧坂・清水坂を通って清水寺の仁王門前まで来ました。「仁王門」(重文)は清水寺の正門で、応仁の乱の戦火で1469年に焼失、1500年前後に再建、2003年に解体修理されました。
この日は仁王門の急な石段が危険ということで、右横の広い石段を上るようになっていました。
「西門」(重文)は江戸時代前期の1631年再建。あとで近くに行きます。
右の小さい灯籠の火穴の部分に、「景清の爪彫観音」が入っています。平安時代後期から鎌倉時代の平家の武将・平景清が獄中で爪で刻んだという観世音菩薩像です。
「随求堂」 1735年の建立。衆生の願い、求めに随って、叶えてくれるという大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)を本尊(秘仏)として祀ります。また、縁結び、安産、子育ての神仏も祀り、胎内めぐりができます。
西門の方に行きます。
西門を通して見る西山の日没は素晴らしく、極楽浄土に往生する入り口の門とされます。浄土を観想する修行「日想観(にっそうかん)」の聖所です。
西門の横から、仁王門と前の広場が見渡せます。見晴らしがあれば西山まで見えるはずです。
「三重塔」(重文) 高さ約31mの国内最大級の三重塔です。847年創建、江戸時代の1632年に再建。大日如来像を祀り、四方の壁に真言八祖像、天井・柱などには密教仏画や飛天・龍らが極彩色で描かれています。大修理で極彩色がよみがえりました。
放生池の近くの塔頭「宝性院」が見えます。この寺は清水寺で「執行」という最上位の寺格を持つ塔頭です。さらに成就院の「本願」と自慈院の「目代」を加えて、清水寺の「三贖」と呼ばれます。
「経堂」(重文) 寛永10年(1633)の再建で、平成12年(2000)に解体修理されました。平安時代中期には一切経を所蔵し、全国から学問僧が集まる講堂でした。それ以降は記録から消えて一切経は伝来していません。
堂内には釈迦三尊像をお祀りし、鏡天井に江戸時代の絵師・岡村信基筆の墨絵の円龍が描かれています。この横から北総門(北門)、その向うに成就院があります。北総門は平成の大修理で解体修理が完了しました。
「田村堂」 (重文) 堂内中央には、清水寺を創建した坂上田村麻呂夫妻像を祀り、併せて清水寺開基・行叡居士と開山・延鎮上人を祀ります。現在の建物は寛永10 年(1633 )再建、平成18 年(2006 )に修復。繧繝彩色という手法が施されています。
「轟門」(重文) 寛永8~10 年( 1631~33)の再建、平成28年(2016)に全面改修。ここを通って本堂へ向かいます。正面には左右両脇に持国天と広目天、背面には阿・吽形の狛犬を安置しています。
産寧坂の石段下を流れていた「轟川」がここを流れていたそうです。門の前には、四角にフクロウが彫刻された石造の「梟の手水鉢」があります(写真ではよく分かりませんが)。
轟門から本堂へ渡り廊下が続きます。「本堂」(国宝)は音羽山の断崖に建つ1633年再建の木造建築で、懸け造りという日本古来の伝統工法による丈夫な構造です。
「朝倉堂」(重文) 洛陽三十三所観音霊場。越前の守護大名・朝倉貞景の寄進により、1510年に創建、寛永10年(1633)に現在の全面白木造りに再建。堂内には、清水寺型千手観音ら三尊像を祀っています。平成の大修理で解体して全面修復されました。
本堂前にある「弁慶の鉄下駄と錫杖」 『義経記』によると、弁慶は本堂で牛若丸をみつけてお経合戦(弁慶は僧侶、牛若丸も鞍馬寺で修業)をしかけ、やがて二人は太刀を抜いて舞台で闘います。
本堂の脇にある「出世大黒天」 大きな黒頭巾、左肩に宝物袋、右手に打出の小槌を持ち、米俵を踏む典型的な大黒さんのスタイルです。平成20年(2008)に修復されて、室町時代の姿に甦ったそうです。
舞台の横から、紅葉が美しい「錦雲峡」ですが、この日はうっすらと雪化粧です。
本堂最奥の内々陣の厨子内に、本尊の十一面(四十二臂)千手観音と、脇侍の勝軍地蔵菩薩、毘沙門天を祀っています。写真に写っているのは御前立です。
舞台は積雪のため危険ということで立ち入り禁止でした。ここからは子安塔が見えます。舞台に上がれば音羽の滝や子安塔からの下の参詣道も見えるはずです。
舞台の横に絵馬懸け所があります。今年の干支の絵馬、シンプルなデザインでした。
「阿弥陀堂」と「奥の院」どちらも重要文化財(この後行きます)。
「子安塔」(重文) 聖武天皇・光明皇后の祈願所と伝えられ、詳しい創建年代は不明。現在の建物は1500年に建立、檜皮葺の三重塔の内部には、子安観音(千手観音)を祀ります。その名の通り安産の信仰を集めてきました。
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コメント
こんばんは。ゆーしょーです。
清水寺へは3度行ってますが、ほとんど忘れています。
一番新しい三度目に行った時、(と言っても40年以上の昔です)
滝の裏側を通った記憶が残っています。
改めて清水寺はかなりの高いところにあるのが分かりました。
この正月、清水でなく八坂神社にして正解でした。
清水なら、途中で帰ったかも知れません。
しかし清水寺の門前町は魅力がありますね。
ポチ♪2
投稿: ゆーしょー | 2023年2月 7日 (火) 01:27
★ゆーしょーさん こんばんは♪
八坂神社から清水寺まで歩いて30分もかかりません。もっとも、何もせずに歩いた場合です。ぶらぶら歩いて、お店や近くの見どころに立ち寄って、1時間程度でしょうか。私の場合はお店や風景の写真を撮るために人通りが途絶えるのを待つので、その倍ほどの時間がかかります。
投稿: りせ | 2023年2月12日 (日) 00:38