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2023年1月12日 (木)

宇治神社とみかえり兎

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

宇治神社は宇治川をはさんで平等院の対岸にあり、宇治の地名の由来となり、今年の干支の兎に所縁がある神社でもあります。以下の写真の大半はコロナ前の5月の撮影ですが、最新の情報や新しい写真を追加しました。

鳥居の左には「式内宇治神社」の石標があります。江戸時代まではこの先にある宇治上神社と宇治神社は一つの神社で、それが式内社(延喜式で認定された社)だったことを示しています。

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両神社は平等院の鎮守社で、かっての人々はまずこちらにお参りしてから船で宇治川を渡り平等院に向かったそうです。下は「宇治神社船着場」。

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鳥居の右には「兎楽(うらく)の樹」と名付けられた楠の大木があります。兎たちがいつでも集うことができるようにと植えられたそうです。

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かってこの地は応神天皇の皇子・菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の離宮・菟道宮があった場所です。菟道は宇治の古代表記、稚は若という意味、郎子は例は少ないが(王や命と同様に)皇子を指す言葉です。

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菟道稚郎子は、この地を住まいと定めて河内の国から来る途中、道に迷よい難渋していました。そのとき、一羽の兎が現れ、後からついて来る皇子を振り返り振り返り道案内したという伝承から、この神社では兎が神の使いと考えられています。

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皇子が亡くなった後、邸宅跡に兄の仁徳天皇が祠を建てその霊を祀ったのが両神社の始まりで、宇治神社では313年5月のこととしています。両神社の創建には皇位継承にまつわる悲しい物語があります。(社務所)

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『日本書紀』によると、菟道稚郎子は幼少から学問に優れ、父・応神天皇の寵愛を受けて、兄たちを差し置いて皇位継承順位の1位(皇太子)となりました。社務所の前の手水舎、兎の像から水が出ています。

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応神天皇の死後、菟道稚郎子は皇位(皇太子)を兄の大鷦鶺(おおさざき)皇子(後の仁徳天皇)に譲り、自らは宇治に離宮を建てて移り住みます。拝殿の「桐原殿」

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兄の大鷦鶺皇子も皇位を受けず、皇位継承は3年に及んで混乱します。この間に、異母兄である大山守皇子(おおやまもりのみこ)が菟道稚郎子を殺害して皇位を奪おうと、数百の兵を挙げました。「参集殿」には御朱印所があります。

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この二の鳥居の横にかって一対の木造狛犬(宇治市指定文化財)が置かれていました。鎌倉時代作の木造としては最大級のもので、現在は宇治市歴史資料館に預けられています。

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平成20年度に木質の朽損、虫喰穴には合成樹脂で木質を硬化し形状を整えるとともに、欠失部には檜材で補足、補修するなど原状を回復させるための修理を行いました。

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菟道稚郎子と大鷦鶺皇子は大山守皇子の挙兵を察知して、宇治川を渡る際に船を転覆させて、大山守皇子を討ちとりました。大山守皇子を討った後、菟道稚郎子は、優柔不断な大鷦鶺皇子を即位させるために自らも命を絶ちます。

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この事態になって大鷦鶺皇子はようやく皇位を継いで仁徳天皇となり、菟道稚郎子の霊を祀るために祠を建てたのです。現在の「本殿」は鎌倉時代初期に建立され、重要文化財に指定されています。

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菟道稚郎子の道案内をした兎は「みかえり兎」といわれます。後に、道徳にかなった正しい人生の道を歩むよう教え諭しているとして、神様のお使いとされています。

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ところが、菟道稚郎子の自殺の話は日本書紀以外には記載がなく、『古事記』では夭折(若くして死去)したとだけ書かれています。(本殿の右手には「寝そべり兎」がいます。)

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『播磨国風土記』には菟道稚郎子を「宇治天皇」と表現し、いったんは皇位を継いだ「天皇即位説」があります。また、皇位を譲り合うという美談は考えにくいとして、仁徳天皇によって菟道稚郎子は殺害されたという「謀殺説」など、数々の説が提唱されています。

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いずれにしても、菟道稚郎子は宇治の屋敷でのんびり暮らそうとしていたのに、皇位継承問題に巻き込まれて悲しい運命をたどったといえます。宇治の地名の由来にも諸説あります。「絵馬舎」、絵馬も見かえり兎です(最後の写真)。

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世界的な博物学者の南方熊楠は、ウサギが群れて通ったケモノ道「菟道」が宇治の由来としています。そして、菟道の地に住んだ皇子が菟道若郎子、離宮が菟道宮と呼ばれたという説が有力とみられています。(本殿右手の遥拝所には「願いうさぎ」がいます。)

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ところで、今年(令和5年)宇治神社は創祀1710年を祝し、限定特別授与品を用意しました。ところが好評につき、3日で授与品はなくなり、参拝されても授与品がない方が大勢いました。(本殿の右背後には「春日神社」)。

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今後、追加の授与品を用意して、郵送で先行受付けすることにしたそうです。左は「金福守」右は「勾玉 子供守」、他に「金運上昇守」もあります。詳しくは宇治神社のHPをご覧ください。

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本殿の左背後に、右から伊勢両宮、高良神社、松尾神社、廣田神社。

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おみくじの入れ物もみかえり兎で、あまりにカワイイのでおみくじを出さずに家に持って帰りました。

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宇治神社の西を通る「さわらびの道」 ここからすぐ近くにある宇治上神社には、菟道若郎子と父・応神天皇、兄・仁徳天皇が祀られています。

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コメント

こんばんは。
宇治神社へお参りに行って来たのですね。
宇治神社は宇治川をはさんで平等院の対岸
にあるのですね。
立派なウサギが沢山奉納していますね。
勾玉の中に兎を埋め込んだホルダーいいですね。
近ければ買いに行くのですが。欲しいです。
ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2023年1月13日 (金) 01:47

みかえり兎、可愛い兎ですね。
おみくじのみかえり兎、持って帰るのは、分かる気がします。
たぶん、ほとんどの人が持って帰ってるかもしれませんね。

投稿: munixyu | 2023年1月13日 (金) 18:03

★ゆーしょーさん こんばんは♪
コロナが流行してからは様々なものが、自宅で手に入るようになりましたね。神社のお守りなどの授与品も、お詣りせずに手に入る場合が多いようです。ご利益が同じかは知りませんが。

投稿: りせ | 2023年1月15日 (日) 02:57

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