« 大徳寺・総見院 特別公開 | トップページ | 雪の岡崎を歩く »

2023年1月24日 (火)

妙心寺・玉鳳院 特別公開

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

Jmw_3665a
※写真は全てクリックで拡大します。

今日は「京の冬の旅」で特別公開されている妙心寺塔頭の玉鳳院(ぎょくほういん)です。以前の特別公開の際の記事を修正して、今回新たに公開されている箇所や、見どころを追加、補足しています。

また、以前は撮影できなかった室内や建物、庭などの多くの写真がパンフレットやサイトで公開されたので載せてあります。この日は、嵐電妙心寺駅から出発、妙心寺の南総門をくぐりました。

Jmw_3668a

この年は、妙心寺の塔頭の玉鳳院、霊雲院、天球院が特別公開されていました。

Jmw_3666a

妙心寺は臨済宗妙心寺派大本山、46の塔頭寺院をもつ京都最大の禅宗寺院で、その中でも「玉鳳院」は妙心寺発祥の地ともいえる塔頭寺院です。(南総門から真っすぐ進むと法堂と大方丈があります。)

Jmu_7696b

建武4年(1337)花園法皇が離宮を禅寺に改めたのが妙心寺の始まりです。翌年法皇は開山として関山慧玄(かんざんえげん、夢想大師)を迎え、日常の住まいとする禅宮御殿・玉鳳院を建立しました。法堂の右(東)の道沿いに塔頭が並んでいます。

Jmw_3678a

法皇と慧玄はここで問答を行い禅の教えを深めたといいます。法皇が亡くなると玉鳳院は慧玄の塔所となりました。玉鳳院は山内最古の塔頭寺院で、妙心寺では最も神聖な場所とされています。

Jmw_3685a

左の建物は方丈で、明暦2年(1656)に仙宮(上皇の御所)を模して建てられた檜皮葺屋根、寝殿風の造りです。*公開期間中、方丈の屋根の修復工事を行っているそうです。

Jmw_3686a

向こうは「鐘楼」、手前の「牛石」には逸話があります。開山の慧玄が伊深(美濃加茂市)にいたとき、田畑を耕す際に慣れ親しんだ牛がいました。慧玄が法王に招聘されて伊深を離れる時に、牛は涙を流して後を追ったといいます。

Jmw_3688a

この逸話にもとづいて、昭和34年(1959)に滋賀県安土町で見つかったという「牛石」が奉納されてここに置かれています。

Jmw_3689a

また、方丈の前庭は蓬莱式の枯山水庭園で見どころの一つです。庫裡の玄関に拝観受付があり、中に入ると室内はおろか、建物の外形や庭も撮影ができません。以下の写真は京の冬の旅のパンフレットやサイトからの転載です。

Jmw_3700a

方丈の各室はそれぞれ異なる画題の襖絵で飾られています。狩野永真(えいしん、安信)筆と伝わる障壁画「麒麟図」「竜図」「山水図」や狩野洞雲(とううん、益信)の筆と伝わる「秋草図」などです。

Amg230124a

上と下は、室中の間を飾る狩野永真筆の「竜図」。

Amg230124b

花園法皇が世を去られて3年、慧玄は雲水の指導に専念しますが、延文5年(1360)12月12日に亡くなりました。上間一の間には「拈華室(れんげしつ)」とも称されれる花園法皇の玉座があり、今回初めて間近で見ることができます。

Amg230124e

方丈と渡り廊下で結ばれた開山堂「微笑庵(みしょうあん)」(重文)は、慧玄を祀る山内最古の建物で、室町時代の見事な唐様建築。堂内には常夜灯と常香盤(じょうこうばん)、手前には珍しい形の「妙心寺型石灯龍」が据えられ蘇鉄の木が植えられています。

Amg230124c

方丈の奥には花園法皇の木像が安置される昭堂があり、方丈と開山堂の間の中庭は蓬来式と須弥山様式を合わせ国の史跡・名勝に指定されている枯山水。渡り廊下を挟んで南北に分かれ、北側には枯滝や石組み、

Amg230124f

南側には一面の白砂に松や敷石が配されています。慧玄がその傍で亡くなったという井戸「風水泉」(上の写真)や、蓮の葉の台石に乗る亀型手水鉢があります。

Jmw_3701a

その北には夭逝した豊臣秀吉の子・鶴松の霊屋が建ち、開山堂裏には武田信玄・勝頼、織田信長・信忠の石塔が残っています(下の写真)。

Amg230124d

庭も撮影できなくて残念ですが、洗練された庭園と建物の配置、見事な襖絵と見ごたえがあり、ガイドさんの丁寧な説明も好感が持てました。

Jmw_3681a

最後に、励みにしていますので、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしく。

★こちらを是非よろしく→   ブログ村→にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
-------------------------------------------------------------------

Jmw_3706a

|

« 大徳寺・総見院 特別公開 | トップページ | 雪の岡崎を歩く »

コメント

こんにちは。
妙心寺へはまだ行ったことがないのです。
京都案内の本などで、有名な石庭などの
写真を見て、一度行きたい行きたいと
思っているのですが、つい、嵐山や嵯峨野の
方へ足が向いてしまうのです。

投稿: ゆーしょー | 2023年1月24日 (火) 14:20

ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2023年1月24日 (火) 14:20

★ゆーしょーさん こんばんは♪
禅宗の大本山は歴史的な見どころは多いのですが、華やかさがないので、観光客には魅力がないのかも知れませんね。

投稿: りせ | 2023年1月30日 (月) 00:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 大徳寺・総見院 特別公開 | トップページ | 雪の岡崎を歩く »