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2023年1月11日 (水)

八坂神社 初蛭子と三社詣

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

実は昨日の京都ゑびす神社の初ゑびすのあと、八坂神社の初蛭子(はつえびす)にも行こうと思っていました。しかし、こちらも大変な賑わい(混雑)が予想されますので出かけるのを諦め、コロナ以前の初蛭子 を紹介することにします。

1月9、10日、八坂神社でも初蛭子が行われました。「えびす」の文字は神社によってそれぞれ異なります。西楼門を入って右手の参道には露店が並んでいます。下は参道が南から東に曲がる角です。

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「商売繁昌で笹もってこい!」のかけ声でおなじみの「えびす信仰」は、日本各地に拡がっています。その神「えべっさん」が八坂神社に祀られたのは平安時代で、全国でも歴史はかなり古く、珍しく社が北向きなので「北向蛭子社」と呼ばれています。

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上は夏に撮影された北向蛭子社で、八坂神社の数ある摂社の一つとして目立ちません。ただし、社殿は江戸時代前期の正保3年(1646)の建造で国の重要文化財に指定されています。下はこの前にテントが張られています。

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大きなテントには、福笹や、それに飾る大判、小判、鯛、俵などの縁起物が置いてあります。飾り付けた福笹は、商売繁昌、家内安全のお守りとして店先や台所に飾ります。

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大阪・今宮戎神社は、八坂神社の氏子が今宮に移り住んだとき、祇園の「えべっさん」をその地にお祀りしたことに始まります。その縁で、今宮戎神社から、祇園祭に幣帛、大晦日には鯛の奉納、八坂神社からは今宮戎神社の十日戎前の献茶祭に神水をお供えします。

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テントの奥に見える北向蛭子社の社殿は、3間4面、流造、杮(こけら)葺きで、扉が開かれています。中には奉納品が並んでいて、左上にサッポロビールの「ヱビス」の箱が見えます。

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ところで、八坂神社では毎年、初蛭子にあわせて1月9、10日の午前10時~午後6時まで「三社詣」が行われます。三社とは、北向蛭子社、その斜め向かいにある大国主社、御本社(本殿)です。

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「大国主社」は大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀ります。大国主命は日本神話に登場する神で、様々な女神との間に多くの子供をもうけていることから、良縁成就、家内安全のご利益があると考えられています。近世から大黒天と同一視されることもあります。

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大国主命は「因幡の白兎」のおとぎ話で知られていますが、古事記などの神話では、天孫降臨以前から日本を治めていた土着の国津神(くにつかみ)の代表的な神とされます。一方、天照大神など高天原にいる神々は天津神(あまつかみ)と呼ばれます。

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大国主命は、天照大神の使者からの国譲りの要請を受け入れ、代わりに須佐之男命から賜って建立した大きな宮殿(出雲大社)を修復して欲しいとの条件を出しました。(大国主社の隣に、その御朱印所が建てられていました。)

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現在では、この国譲りの神話はヤマト政権が国津神を信仰していた地方を平定した歴史的事実を反映したものと考えられています。なお現在の出雲大社の祭神は大国主命です。下は常設の八坂神社の授与所で、一年中賑わっています。

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本殿には素戔嗚尊(すさのをのみこと)とその妻神・櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、および子供たち・八柱御子神(やはしらのみこがみ) を祀ります。ただし、三社詣の対象は素戔嗚尊で、厄除・災難除のご利益があるとされます。

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素戔嗚尊は高天原を追われて天下ったので国津神とされ、その六世の孫神が大国主命です。また、蛭子神は大国主命の子神・事代主命(ことしろぬしのみこと)と同一視されてきました。本殿の左に御本社(素戔嗚尊)の御朱印所があります。

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新年に、以上の三社の祖神(おやがみ)、子神、孫神を参拝することで、より強いご神徳がいただけるそうです。各御朱印所に三社詣朱印紙が置いてあり、それぞれの社で御朱印をいただきます。無料なので私も三社詣をしました。

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少し時間があったので、南楼門の方に向かいます。八坂神社のこれからの祭礼を紹介します。1月19日午前10時「疫神社祭」では境内疫神社で厄除を祈ります。1月27日午前9時「又旅社新年祭」が行われます。

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2月2日午前9時「節分祈願祭」が行われ、上七軒を除く四花街のうち輪番で二花街の芸舞妓さんの舞踊奉納と豆まきがあり、参道商店街(午後4時)でも豆まきが行われます。この日境内では景品付福豆授与・甘酒の接待があります。(中村楼)

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2月3日午前9時「大年社祭」が行われます。同日の「節分祭」では、今様(午前11時)、上の二花街以外の奉納後豆まきがあり、参道商店街(午後4時)でも豆まきがあります。境内で景品付福豆授与・甘酒の接待があります。(南楼門を外から)

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ところで、最近発見された資料によると、ヱビスビールは明治23年の発売当初大黒天にちなんだ名称にする予定でした。ところが、既に大黒ビールが存在していたので、大黒天の子神の恵比寿(事代主命)を採用したそうです。

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ただし、大黒ビールは大黒天にちなんだ名称ではなく、横浜の大黒町にあったビール会社(明治31年に廃業)でした。この会社が別の土地にあったなら、大黒天が描かれたにビールが誕生していたことでしょう。(舞殿、干支の大絵馬が飾られています。)


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西楼門まで戻ってきました。最後の写真は大国主社の御朱印所で、巫女さんが打ち出の小槌を振ってくれます。

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コメント

こんばんは。
つい最近行ったところの写真を載せて下さりとても嬉しいです。
これらの写真はすべてコロナ以前の写真なのですね。
今年の正月に行った時、初めて南楼門をくぐりました。
八坂神社から円山公園、知恩院へ行くコースでは、
南楼門付近を通らないので、初めてでした。
西楼門と共に立派な楼門ですね。
こんなところにも、大国主命と因幡の白兎の像が
あるのですね。
ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2023年1月12日 (木) 03:35

★ゆーしょーさん こんばんは♪
南楼門が八坂神社の正門のようです。祇園祭の神幸祭の神輿はここから出発します。

投稿: りせ | 2023年1月15日 (日) 02:44

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