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2023年1月19日 (木)

市比賣神社 女人守護と市場繁盛の神

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事に続いて、河原町通五条下ルにある市比賣(いちひめ)神社を訪れました。TOPは河原町通と上之口通の交差点(南東)にある喫茶「いちひめ」、名称(地名ではない)や壁の色から何かしら神社と関係あるのではないと思っています。

夜はスナックになり、気さくなご夫婦や店内の雰囲気が人気で、外国人客も多いようです。河原町通に「女人厄除祈祷所 市比賣神社」の看板があり、左の市比賣通に入ります。

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「市比賣神社」は、女人守護の神社として知られ、その創建は平安時代初めにさかのぼります。桓武天皇が平安京を造営した翌年(795)、当時の左大臣藤原冬嗣に命じて、東西両市場の守護神として、宗像三女神を勧請して市姫大明神として祀りました

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両市場は官営の常設市場で、全国から産物が集められ貴族から庶民にいたるまで多くの人々で賑わいました。東市は現在の七条北の大宮東、西市は七条北の西大路西にありました。

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手水舎に「瀞」という字が刻まれていて、清と浄の文字が組み合わさっているので「すがすがしい」と読むのだそうです。入口右の「社務所・授与所」では祈祷の受付も行っています。

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それぞれの市場の門に市姫大明神が祀られ、東市の社が当神社の始まりです。現在の本殿には祭神として、多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)、市寸嶋比賣命(いちきしまひめのみこと)、多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)の宗像3女神に加え、

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神大市比賣命(かみおおいちひめのみこと)、下光比賣命(したてるひめのみこと)を祀ります。神大市比賣命はスサノオノミコトと結婚して、大歳神(おおとしかみ、正月の神)と宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ、稲荷神)を産みます。

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下光比賣命は多紀理比賣命と大国主命の子神です。以上の祭神は全て女神で、縁結び、子授け、安産、女人厄除け、婦人病平癒などの女人守護のご利益とともに、市場守護、商売繁盛の信仰があります。

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昭和2年、日本で初めての公設市場として京都中央市場が開設したとき、その守り神として市場市有地の中央に分社「市姫神社」が創建されました。京都十六社朱印めぐりの一つ。

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市姫神社の総本宮の当社宮司は、市場に出入りする業者の鑑札の役目も担っていました。その由緒から、使い終わった(身分証明でもある)
カードに感謝して、祓い清めて供養する「カード塚」を設置したそうです。

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境内の南にある摂社の「植松稲荷社」 祭神として植松稲荷大神、松玉稲荷大神、光玉稲荷大神を祀り、商売繁昌や金運アップのご利益があるとされます。

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清和天皇(在位858-876)から後鳥羽天皇(在位1183-1198)に至る27代の間は皇室、公家の尊敬篤く、皇子又は子女の誕生ごとに当社の「天之真名井(あめのまない)」の水を産湯に加えられたと伝えられています。

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「天之真名井」が再現されています。地下60mから汲み上げられ、神水を飲み祈ると、一つの願い事が叶う一願成就の井戸といわれています。

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この井水は名水とされ、茶の湯都七名水のひとつでいまも茶会などに用いられています。 「姫みくじ」 張り子人形の中におみくじが入っていて、人形を井戸の上にお供えしています(持ち帰ってもよいそうです)。

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「衆霊(しゅうれい)殿」、市比賣神社に所縁のある大国主命、花山天皇、恵比須大黒、護国英霊、社家祖霊、崇敬者祖霊、蛭子大霊を祀ります。

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平安時代中頃、東市の近くに踊念仏の祖とされる空也(903-972)が天台宗の金光寺を開きました。東市に近いことから市屋(いちや)道場とも呼ばれたといいます。

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中世になると両市場は衰退したようで、金光寺の境内に市姫大明神が祀られ、寺は市姫金光寺とも呼ばれたといわれています。(神社が経営するマンション「リリジョンいちひめ」、神社はその1階にあります。)

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安土桃山時代の1591年、本願寺の進出にともなって豊臣秀吉の命により、金光寺は現在地へ移転しました。明治初年(1868)の神仏分離令により、市比賣神社は金光寺より独立、現在金光寺は西隣にあります。

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例祭として、1月中 新春特別祈祷(商売繁昌・家庭円満)、2月 節分前後 女人厄除まつり、3月3日 ひいなまつり、四月中 京都中央市場春祭(市場守護)、5月13日 春季大祭、13日前後 奉祝祭、6月30日 水無月祭(人形流し)

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「女人厄除まつり」 福女性(ふくおんな)と呼ばれるお祭参加者は、日本女性の最も美しいと姿とされる和服を着て、厄除けのお詣りをします。祭典後、五条大橋にて「厄除福豆」を撒き、その年の厄除けを願います。

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「ひいなまつり」では、大きなひな壇を作りその前で十二単の着付け実演に「ひと雛」が勢ぞろいします。五人囃子の雅楽に合わせ、三人官女の舞が披露されます。又投扇興など平安貴族の優雅な遊びも披露されます。

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7月7日 七夕まつり、9月9日 重陽祭(敬老感謝)、カード感謝祭、11月13日 秋季大祭、11月中旬 火焚祭、12月11日 京都中央市場秋祭(市場守護)。河原町通を北にいったところに「市比賣神社 神輿庫」があります。

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コメント

「姫みくじ」
京都には、可愛いおみくじがたくさんありますよね。
引くのがもったいないものばかりだと思います。

投稿: munixyu | 2023年1月19日 (木) 16:12

こんばんは。
京の五条の橋の上から豆まきをするのですね。
ついつい、♪ 京の五条の橋の上と口ずさんでしまいました。

投稿: ゆーしょー | 2023年1月20日 (金) 00:53

ポチ♪2

投稿: ゆーしょー | 2023年1月20日 (金) 00:54

★munixyuさん こんばんは♪
最近はおみくじを持って帰るのを推奨しているところも多いようです。だだし、入れ物は飾って置いて欲しいかも知れませんね。

投稿: りせ | 2023年1月21日 (土) 00:30

★ゆーしょーさん こんばんは♪
五条大橋の西詰に牛若丸と辨慶が戦っている石像があります。ただし、可愛すぎて賛否両論あったようです。橋の上から豆撒きはちょっと恥ずかしい気がします。

投稿: りせ | 2023年1月21日 (土) 00:53

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