梅小路公園 朱雀の庭のライトアップ
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11月11日(金)~11月27日(日)の期間、「梅小路紅葉まつり」が行われ、17:00~21:00(最終入園 20:30)に日本庭園「朱雀の庭」がライトアップされます。 料金は大人400円、小学生200円、未就学児無料。
明日が最終日ですが、京都駅からわずか徒歩15分の距離にも関わらず、静かで広々とした日本庭園の紅葉のライトアップが楽しめるので、是非紹介しようと思っていました。駐車場から会場の朱雀の庭に行く途中にも紅葉がありました。
受付は「緑の館」の2階です。私が訪れた年の紅葉まつりは12月3日まで行われ、撮影は12月2日です。まだ楓は緑や黄色の葉もあり、紅葉まつりの期間を過ぎても9:00~17:00(最終入園16:30)の時間帯には入園できます。休園日は、毎週月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)および年末年始(12月28日~1月4日)です。
「朱雀の庭」は平安建都1200年を記念し、長い歴史の中で培ってきた京都の作庭技術、技法の粋を結集し、伝統と創生の調和をめざして作庭された平成の日本庭園で、広さは約9,000㎡。中央の池の周囲に散策路があり、最初は左上から左回りに池を回ります。
緑の館の2階から渡り廊下を伝って散策路に出ます。朱雀の庭は作庭者は吉田昌弘(設計)および井上剛宏(造園)の池泉式庭園です。
散策路の最初(西の部分)は築山の高台になっていて、庭園が見渡せます。向うには京都タワーも見えます。
ここ梅小路の周辺は、平安京の羅城門や朱雀大路、平清盛の邸宅を含む西八条第がありました。また、中央卸売市場に代表されるように近代まで物流の中心地として栄えてきたところです。敷地は旧国鉄貨物駅跡地で、梅小路蒸気機関車館が隣接しています。
このあたりはアカマツ林の中に散策路があります。照明はところどころに必要最小限しかなく、下のライトアップが見やすくなっています。この日はほぼ満月でした。
池を半周したあたりで野筋があり、芝生でつくった起伏の間を緩やかな曲線を描きながら滝の上部から水が流れていきます。「野筋」は平安時代からの庭園技術で、 野辺のなごやかな景色を庭に写そうとした王朝貴族好みの意匠とされます。
野筋の向こうに最初に通った緑の館が見えてきました。
池の周囲を3分の2程度回ったところから、池の中に造られた小道を伝って池を渡ります。ここから直接出口に行くこともできますが、係の人が見どころを案内してくれました。
この池は「水鏡」とよばれ、景色を水面に綺麗に反射するように設計されています。インド産の黒御影石の上に1cmだけ水を張り、池全体を水鏡にするという斬新な手法が取り入れられました。
このように平らな底に浅く水が張られた状態では波が起こりにくく、水面が鏡の役割をするそうです。
10年ほど前からCMなどで知られるようになったウユニ塩湖も、広大で水平な塩の平原に雨水が数㎝たまって「天空の鏡」が出現します。朱雀の庭の水鏡はそれより10年以上前に設計された斬新的な手法です。
向う岸に近くなったところで、滝からの野筋の水が流れこんで水面にさざ波が立っています。水鏡が単なる水溜まりではなく、新鮮な水が作る効果だということを際立たせています。
少し見にくいですが、池の南の崖に滝があり、京都の市街地では最大の落差6mだそうです。
こちらから見ると野筋が本当の丘のように見えます。
足元を照らす行灯
上の見取り図で桟橋と書いてあるあたりにきました。向うに緑の館が見えます。緑の館の1階に京野菜レストランがあり、講演会、展示会、ギャラリー、会議など、各種の催し物の会場としても貸し出しをしています。
見取り図にはないのですが、桟橋から舞台と書いてあるところに渡る小道が造られていました。庭園に舞台を設けて歌舞演芸(コンサート)など様々な催しをするのも、王朝文化の継承といえます。
緑の館を囲むように骨組みで造られている構造は「覆屋(おおいや)」といい、池を見渡しながらカフェで甘いものや飲み物をいただけます。一休みしてから出口に向かいました。
覆屋は神社などで重要な建物を守るために造られた構造物です(ここでは現代的な建物と日本庭園の調和を意図しています)。金沢駅東口広場に造られた鼓門(2005年竣工)も和建築の覆屋の一種で、朱雀の庭ではそれよりも10年近く前に建造されました。
覆屋は今年の10月には和の花展会場となり、香老舗松栄堂主催の 『水尾より届いた藤袴の香り』が行われました。藤袴は平安時代の文学にも描かれた香り高い草で、現在では稀少な品種です。
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