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2022年11月12日 (土)

嵯峨大念仏狂言 公開稽古と特別公演

過去の全記事  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

清凉寺で行われる嵯峨大念仏狂言は国の重要無形民俗文化財で京都三大念仏狂言の一つです(他は壬生寺とゑんま堂)。例年は3月、4月、10月に定期公演を行ってきましたが、新型コロナウイルスの影響により全公演が中止となっています。

嵯峨大念仏狂言を継承してきた保存会には、中学生から80歳代までの30数人が所属していて、毎週、消毒やマスクなど感染予防の上、狂言堂での稽古を続けてきたそうです。写真は清凉寺の「お松明式」(3月15日)に行われた定期公演です。仁王門の前の参道から。

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練習の成果を披露したいと、事務局長の加納さんが秋季公演に替わる公開稽古を提案。10月23日(日)に実施しましたが、狂言堂前に設ける椅子を置かず、周知もしませんでした。「地元住民や通りがかりの人に自由に見てもらえたら」ということです。

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通常の定期公演では三つの演目を披露しますが、演者が衣装や面を使い回すのを避けるため一つに絞ったそうです。以下はコロナ以前のお松明式に先立って狂言堂で行われた土蜘蛛です。「融通念仏」と「大念佛会」に連なる宗教的な背景を持っています。

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能楽の狂言と違うところは、すべての役者が面をつけ、台詞がなく身振り手振りだけで芝居が進行する点です。「土蜘蛛」の登場人物、右から、平安時代中期の実在の人物「源頼光」、「渡辺剛」、「藤原保昌」で、一番右は「太刀持ち」です。

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ある日彼らは酒宴を開きますが、頼光は病気らしく頭に「病(やまい)鉢巻」を巻いています。江戸時代の芝居では、(病気平癒を願って)漢方薬のシコンで染めた紫の鉢巻を頭の左で結ぶことが、病人を表現しているそうです。

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実は、本日(11月12日)嵐山昇龍苑(嵐電「嵐山」駅前)で11:30~、14:30~の2回「嵐山昇龍苑特別公演」が行われます(観覧無料)。頼光はじきに酔いつぶれてしまいます。

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昇龍苑ではおそらく新型コロナの感染防止の措置が取りやすいのだと思われます(頼光が寝てしまったので、家来たちは控えの間に引き上げます。)

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雨天決行ですが、悪天候やコロナ情勢悪化などにより中止、開始時刻は変更になる場合があります。

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また、明日の11月13日(日)は清凉寺(嵯峨釈迦堂)で 13:30から公開稽古が行われます。( しばらくすると、下座のほうで何かがうごめいています。)

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演目は未定で、こちらも観覧無料、雨天決行ですが、悪天候やコロナ情勢悪化などにより中止、開始時刻は変更になる場合があります。(土蜘蛛が現れました。)

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土蜘蛛は忍び寄って頼光に襲い掛かりますが、病とはいえさすが勇猛な武将だけあって、とっさに目を覚ましてかわします。

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例年の秋季公演は清凉寺大念佛会の創始者・円覚上人の命日である10月26日に近い日曜日、]13:30 から開催されてきました、(頼光は刀を抜いて応戦します。)

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今年は 10月23日(日)に[愛宕詣 ]と[紅葉狩」の公開稽古が行われました。(蜘蛛は必殺技の糸を放って頼光を絡めようとします。))

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また、特別公演や公開稽古について、昇龍苑や清凉寺に問い合わせるのはご遠慮ください。(頼光は蜘蛛の糸にもひるみません。)

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最新の情報は嵯峨大念仏狂言の保存会のHPをご覧ください。太刀回りとなり、そのうち土蜘蛛は逃げ去ります。

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来春の2023年1月14日(土)に開催される「大念佛狂言の世界 ~嵯峨・千本ゑんま堂・和久里壬生狂言~」に出演します。右京ふれあい文化会館主催の2023年新春特別公演で、12:30開場 13:00開演です。(騒ぎを聞いて綱と保昌が駆けつけます。)

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それぞれの演目は、嵯峨大念佛狂言 [愛宕詣]、千本ゑんま堂大念佛狂言[牡丹獅子]、和久里壬生狂言[花盗人]です。(頼光は家来たちに、身振り手振りで今起こったことを教えます。この場面はちょっと笑えます。)

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入場料は1,000円(自由席)で10月1日(土)午前10時から発売を開始しています。(土蜘蛛退治を命じられた二人は、身支度を整え松明を持って屋敷内を探し回ります。)

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上はオンラインチケット(要事前登録)のみで、保存会のHPにURLがあります。(剛が土蜘蛛と出会い、太刀回りとなります。

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直接、清凉寺や保存会に問い合わせることはご遠慮ください、(剛にも糸を放ち、しばらく攻防が続きますが、やがて土蜘蛛は逃げ出します。)

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剛は逃げた土蜘蛛を追いかけます。

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念仏狂言は台詞がないだけに分かりやすく、機会があれば公開稽古もお楽しみいただけると思います。(今度は、保昌の後ろに土蜘蛛が忍び寄って、)

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京都には土蜘蛛の墓など所縁のある場所がいくつかあります。上品蓮台寺や北野の東向観音寺などです。(不意に糸で攻撃します。)

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近年では、神話や説話も何らかの史実を象徴しているのではないかという研究が進んでいます。保昌もひるまず太刀回りが続きますが、土蜘蛛は逃げようとします。

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記紀にもみられるように、古来「土蜘蛛」という言葉は朝廷への恭順を表明しない土着の豪傑・豪族・賊魁などに対する蔑称として用いられてきました。(そこに剛が駆けつけ、土蜘蛛は二人に挟まれて刺されます。)

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時代を経るにしたがって、説話集や歴史書で土蜘蛛は妖怪の一種とみなされるようになっていきました。(ついに土蜘蛛は倒れ、)

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保昌が土蜘蛛の首を切り取ります。この話は鎌倉時代の「土蜘蛛草子」や「平家物語」に登場する説話ですが、「平家物語」では頼光の病気はマラリヤで土蜘蛛を退治した後すぐに回復したそうです。

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源頼光や渡辺剛らによる土蜘蛛退治が実際にあった出来事を象徴していると考えると、ちょっと物悲しいストーリーでもあります。(後ろのお囃子の方々)

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コメント

嵯峨大念仏狂言は、俳句の季語にもなってますよね。
春になっていた気がします。伝統的な文化。
いつまでも続いて欲しいものです。

投稿: munixyu | 2022年11月12日 (土) 17:02

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