« 大覚寺 嵯峨菊展 | トップページ | 東福寺 秋の看楓特別拝観 »

2022年11月 6日 (日)

貴船 もみじ灯篭

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

Jnz_8416a
※写真は全てクリックで拡大します。

昨日(11月5日)から「京の奥座敷・貴船もみじ灯篭」が開催されています。期間は11月5日~11月27日、ライトアップ時刻は日の入り~20:30です。コロナ以前の11月15日に撮影した記事を再編集して、今年の最新情報を交えてお届けします。

最初に貴船(きふね)神社・本宮にお参りしてから、もみじ灯篭を見ながら結社、奥の院に向かいます。貴船街道の中ほどに、貴船神社・本宮の二の鳥居があります(上の写真)。一の鳥居は貴船川のかなり下流の貴船口にあります。

Jnz_8405a

二の鳥居の右脇に末社「白髭社」があり、猿田彦命(さるだひこのみこと)を祀ります。天孫降臨の道案内をした神で、延命長寿のご利益があるとされます(祭礼は4月15日)。

Jnz_8421a

この貴船神社は全国に約500社ある貴船神社の総本社ですが、創建の年代は不詳です。貴船神社では11月7日11:00から「御火焚祭・御日供講員大祭」が行われます。燃え盛る火の霊力によって罪穢を祓い清める「祓」の神事で、水の供給を司る貴船大神が火の神様から誕生したという貴船大神様御出現の故事(後述)を今に伝える重要な神事だそうです。

Jnz_8424a

伝説によると反正(はんぜい)天皇の時代、神武天皇の母である玉依姫命(たまよりひめみこと)が出現して、黄色い船に乗って浪花から淀川・鴨川・貴船川を遡って、奥宮の地に水神を祀ったとされます。

Jnz_8440a

天武天皇の白鳳6年(666)に社殿造替えが行われたという社伝が、最も古い記録です。『日本後紀』に、延暦15年(796)東寺の造営の任に当たっていた藤原伊勢人の夢に貴船神社の神が現れ、鞍馬寺を建立するよう託宣したとされます。

Jnz_8442a

『延喜式神名帳』には「山城国愛宕郡 貴布禰神社」として名神大社に列し、保延6年(1140)には最高位の正一位の神階を授けられました。(休憩所の「龍船閣」)

Jnz_8448a

永承元年(1046)7月、出水により社殿が流失し、天喜3年(1055)現在の本宮の地に社殿を再建・遷座して、元の鎮座地は奥宮としました。(龍船閣から貴船川が見えます。)

Jnz_8451a

貴船神社には水神である高龗神(たかおかみのかみ)を祀り、古くから祈雨の神として信仰されてきました。(「拝殿」と「本殿」も見えます。)

Jnz_8515a

平安時代前期の嵯峨天皇の時代、弘仁9年(818)日照りの際に朝廷より奉幣使が遣わされ、以後雨止には白馬を、雨乞いには黒馬を奉納する祈雨神事が始まったとされます。(下は奉納された神馬像)

Jnz_8444a

ときには、高価な生きた馬の代わりに、馬の絵を描いた「板立馬(いたたてうま)」が願掛け馬として奉納されました。それが、絵馬を奉納する習わしの始まりとされています。

Jnz_8459a

長らく賀茂別雷神社(上賀茂神社)の摂社とされてきましたが、これは上の天喜3年の社殿再建が契起という説があります。近世以降、それを不服として訴えが続けられ、明治以降になってようやく独立の神社となりました。(一段高い場所に、社務所・授与所があります。)

Jnz_8490a

「水占(みずうら)みくじ」 山からご神水が引かれ、齋庭(ゆにわ)と呼ばれる遣水におみくじを浮かべると文字が現れます。このおみくじには「大凶」が出ることもあるそうです。*授与所の開設時間は9:00~20:00です。

Jnz_8500a

本宮の本殿に祀られている高龗神は貴船大神ともよばれ、記紀にその誕生神話が記されています。『古事記』では、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の夫婦神が天照大神を始め様々な神を生みました。

Jnz_8508a

しかし、伊弉冉尊は最後に火の神を生んだとき焼かれて死んでしまいました。怒った伊弉諾尊が腰の十握剣で火の神を斬ると、流れ出る血の雫のそれぞれから神が誕生。剣の柄に溜まり指の間から漏れ溜まった血が闇龗(くらおかみ)となりました。

Jnz_8505a

一方、『日本書紀』では、斬られた火の神は三つに分断され、雷の神、大山祇神(おおやまづみのかみ)、高龗となったと書かれています。そして、社伝によると高龗と闇龗は名は違うが同じ神だとされています。

Jnz_8461a

林羅山の『本朝神社考』や卜部兼方の『釈日本紀』によると、この「龗」という字は、龍蛇の類(たぐい)とされ、水を司るという龍神の一種と考えられるそうです。(本宮の西の門から出ます。)

Jnz_8484a

もみじ灯篭の期間中、叡山電車では鞍馬線市原駅~二ノ瀬駅間にある「もみじのトンネル」をライトアップ、時刻表が変更されます。また、京都バスでは「貴船」停留所を移設、「梅宮橋」停留所を休止、時刻表を変更します。それぞれご確認ください。

Jnz_8580a

NAKED GARDEN ONE KYOTOが連携して、NAKEDディスタンス提灯の貸出しや、結社での絵馬による光の演出体験(有料)も楽しみいただけます。本宮を出て貴船川沿いに歩くと、左手に結社(ゆいのやしろ)があります。祭神の磐長姫命(いわながひめのみこと)には、次のような神話があります。

Jnz_8599a

日向国に降臨した瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が美しい木花開耶姫(このはなさくやひめ)を見初め、父の大山祇命(おおやまつみのみこと)に結婚を申し出ました。(社殿の周囲を一周します。)

Jnz_8607a

父は大いに喜び、風が吹いても石のように変わらず働くようにと姉の磐長姫命を添えて送り出します。ところが、姉の磐長姫命が大変醜かったのに驚き恐れ、瓊瓊杵尊は磐長姫命を送り返してしまいました。(ご神木の桂の大木)

Jnz_8613a

磐長姫命は大いに恥じて「我長くここにありて、縁結びの神として世のため人のために良縁を得させん」とこの地に鎮座したといわれます。結社とよばれる理由もこのためです。ホトトギス同人の松尾巌の句碑「貴船より奥に人住む葛の花」。

Jnz_8620a

平安時代には既に縁結びの神として知られ、貴族から庶民までが参詣したといわれます。女流歌人の和泉式部は夫の心変わりに思い悩んで結社に参詣、貴船川に浮かぶ蛍を観て「ものおもへば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる魂かとぞみる」と詠むと、

Jnp_5940a ?

「おく山にたぎりて落つる滝つ瀬の玉ちるばかりものな思ひそ」という返歌が聞こえ、やがて願いどおり夫婦仲が円満になったといいます。結社は、男女の縁結びだけでなく、人と人、子授け、就職、企業間など様々な縁を結ぶ神としても信仰されているそうです。

Jnz_8622a

さらに貴船川を遡り奥宮に向かいます。かって貴船神社は奥宮が本社で、参拝者は下の写真の川で手を洗い口をすすいで身を清めてから奥宮に向かいました。禊(みそぎ)の川、御物忌(おものいみ)の川でした。

Jnz_8657a

和泉式部の話からいつしか「思い川」と呼ばれるようになりました。高浜虚子は「遅桜なほもたずねて奥の宮」、「思い川渡ればまたも花の雨」と詠みました。「奥宮参道」

Jnz_8662a

「奥宮」すなわち、貴船神社の創建は、社伝によると第18代反正(はんぜい)天皇の時代と紹介しましたが、反正天皇の西暦での在位期間は不明で、仁徳天皇の第2皇子とされます。「奥宮神門」の左手前に手水があり山からの清水が流れこんでいます。

Jnz_8668a

玉依姫命は黄色い船に乗ってこの奥宮の地に来たので、「黄船の宮」と称されたといわれます。黄色は貴人を表す色です。「拝殿」

Jnz_8687a

玉依姫命が乗ってきた黄色い船は人目に触れぬよう石で包み囲んだといわれ、現在も「船形石」として本殿の横にあります。石に付けられた灯りで船の形が浮かび上がっています。

Jnz_8697a

奥宮には祭神として本宮と同じ、高龗神を祀り、闇龗神と玉依姫命も併せ祀っているとされます。奥宮の祭神は、古来船乗りたちから航海の安全を守護する神・船玉神としても信仰され、現在でも船舶関係者らの崇敬が篤いそうです。

Jnz_8709a

祭神の高龗神は龍神と考えられ、本殿の真下には誰も見ることが許されない「龍穴」という大きな穴があいているといわれます。右隣りにある権地(空地)は本殿の仮移転先です。古来社殿の造営や修理などに際しては特殊な「附曳(ふびき)神事」が行われてきました。

Jnz_8715a

平成23年の奥宮本殿の大修理の際にも附曳神事が行われました。氏子代表として料理旅館「右源太」のご主人が参加、神事の様子が店のHPに載っています。氏子一同がロープで社殿を引っ張って隣りの権地に移動させ、龍穴の覆いの上に祠を載せて本殿は権地で修理したそうです。

Jnz_8721a

神社関係者の二人が確認のために龍穴を覗くと、木屑で覆われた畳半畳ほどの大きさでした。それを丁寧にどけるとその下は比較的柔らかい粘土質のようなもので覆ってあり、さらにその下に 気になっていた龍穴が実際にあったことに感慨深かったそうです。

Jnz_8732a

この後、料理旅館街や貴船川畔のライトアップを見ながら貴船口に向かいました。川の中も灯篭で埋まっていました。

Jnz_8854a

お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。

★こちらを是非よろしく→   ブログ村→にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
-------------------------------------------------------------------

Jnz_8597a

|

« 大覚寺 嵯峨菊展 | トップページ | 東福寺 秋の看楓特別拝観 »

コメント

この辺りは寒そうですよね。
コートが要りそうな気がします。

投稿: munixyu | 2022年11月 6日 (日) 20:40

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 大覚寺 嵯峨菊展 | トップページ | 東福寺 秋の看楓特別拝観 »