東福寺 秋の看楓特別拝観
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
東福寺では11月1日(火)~12月4日(日)の期間、秋の看楓特別拝観が行われています。看楓(かんぷう)とは見慣れない文字ですが、文字通り楓(かえで)を看(み)るという意味のようです。
見頃の時期はもっと先ですが、最新の注意事項やこの時期に合わせて特別な形の拝観の受付をしていますので、今の時期に紹介することにしました。写真の撮影は11月22日です。最初は「臥雲橋」から見た通天橋です。
通常より30分早い8時半より通天橋、普門院庭園、方丈庭園の拝観ができ、併せ重森三玲作の庭園も特別公開されます。ただし、例年公開されている龍吟庵は現在修復工事中のため、当面の間拝観は中止になっています。
この年の臥雲橋はスムーズに通れ、写真も充分に撮れました。年によっては立ち止まってはいけないと注意されるときもありましたが、今年の情報はありません。
この楓の渓谷を「洗玉澗」(せんぎょくかん)といい、洗玉澗一帯に繁る楓は俗に「通天もみじ」と呼ばれ、葉先が3つにわかれている「三葉楓」など楓の木が多いそうです。
ここからは「通天橋」からの眺めです。通天橋は「仏殿(法堂)」から「開山堂」に至る渓谷(洗玉澗)に架けられた橋廊です。その中央から先ほど通ってきた臥雲橋が見えます。通天橋・開山堂の拝観料は大人600円(11月10日~30日は1,000円)です。
もとは桜の木が植わっていましたが「後世に遊興の場になる」という理由で伐採され、楓の木が植えられたもの。数は二千本に及んでいます。日の当たる上部は見事に真っ赤です。
令和4年度「第58回京都非公開文化財特別公開」も行われています。三門は10月8日(土)~12月4日(日)、法堂は11月1日(火)~11月30日(水)の期間に特別公開されます。洗玉澗の紅葉を上から・・・
「早朝先行貸切拝観」 11月12日(土)~11月27日(日)の期間、一般拝観が始まる前の時間帯に、通天橋・開山堂エリアを、先行してお楽しみいただく贅沢な催しです。時間は7:30~8:30(最終受付8:00)、受付場所は日下門拝観受付(最終受付8:00)。
通常の拝観時間になってもそのまま拝観できるとのことです。
年によっては、拝観順路の最初は通天橋を通らずに谷底の橋を渡り、帰りに通天橋を渡ることもありました。今年の情報はありませんが、写真は一旦谷底に下りています。
通天橋の中央はいつも人がいっぱいです。
「東福寺 夜間拝観」〈完全予約制〉 京都屈指の紅葉の名所、京都五山である大本山東福寺の夜間拝観。今年度も完全予約制にて人数を限定して実施します。日中とは異なる、静寂な禅寺をゆっくりとお参りすることができます。
期間は11月18日(金)~30日(水)、時間は17:00~20:00(19:30受付終了)、受付時間は17:00~(17:00・18:00・19:00の三部制です。)※11月24日の受付は17:15・18:00・19:00、11月28日は18:00・19:00。
金額は3,000円、受付場所は通天橋前(出入口は「日下門」のみで、スタッフが案内します)。谷底の洗玉澗も素敵な風景です。
谷を上り向かいの台地から。通天橋の中央部分は人で溢れていましたが、そこ以外の歩廊の人出はまばらでした。
「秋期駐車場」 乗用車でお越しの方は10月25日(火)から12月4日(日)まで東福寺拝観者様の駐車場(東福寺境内駐車場・北駐車場)を閉鎖します。乗用車でお越しの際は「恵日みやこパーキング」(有料)をご利用ください。シルエットで
24時間年中無休ですが、11月の19日、20日、23日、26日、27日の午前9時から午後4時までは周辺で通行規制があり駐車できません。※道路の混雑が予想されるため、できる限り公共交通機関をご利用ください。
右から三ノ橋川を渡って来た通天橋がここで(上の写真)向きを変え、歩廊は開山堂の方に上ります。「開山堂」(重文、府指定文化財) 開山の円爾弁円は鎌倉時代の1280年に没し、一条実経が常楽庵(現開山堂)を贈ったとされます。
「普門院」 東福寺創建後の1246年に建造された弁円の住居です。円爾弁円は鎌倉幕府の帰依を受け、1311年に天皇から「聖一国師」の名を贈られ、最初の国師となりました。
この「普門院庭園」の作庭者は不明ですが、昭和14年(1939)に重森三玲により修復され、三玲が東福寺で最初に手掛けた庭となりました。その後三玲が作庭した本坊庭園の市松模様や三神仙鳥の石組の原型ともなった庭です。
「東福寺本坊庭園」 当初は“東福寺方丈「八相の庭」”という名称でしたが、2014年に国指定名勝に登録され、「国指定名勝 東福寺本坊庭園」と改められました。*別途500円の拝観料が必要です。本坊庭園はサツキの頃(5月31日)の撮影です。
方丈の東西南北の四庭は、「八相成道」にちなんで「八相の庭」とよばれ、昭和14年(1939)に重森三玲によって作庭されました。「東庭」 三玲は、日本庭園と四神相応の繋がりが深いことを知り、北斗七星を選び星は常に東から上ることから東庭に配置しました。
方丈の「南庭」 ここでは日本庭園における定型的な蓬莱神仙思想を中心とした形態となっていて、蓬莱、瀛洲、壺梁、方丈の四神仙島を石だけで表現しています。
「西庭」の大市松模様「井田の庭」は、日本古来から伝えられてきた伝統的な市松模様を、サツキの刈込と葛石の使用によって表現したものです。禅の精神に基づいて、本坊内に使われていた縁石(カズラ石)を再使用しています。
「北庭」では、勅使門から方丈に向けて敷きつめられていた切石を再利用して市松模様を造っています。西庭の大市松を受けてさらに小さな姿となり、そして東北方向の谷に消えていくように表現されています。
東福寺境内の洗玉澗を流れる川は三橋ノ川というのは、上流から下流へ「偃月橋」「通天橋」「臥雲橋」と3本の橋が架っているからです。偃月(えんげつ) 橋は本坊の横を抜けて龍吟庵への参道にあります。
先に書いたように今年の龍吟庵の特別公開はありませんが、龍吟庵への参道にある「偃月橋」は渡れるかも知れません。このあたりは日当たりが悪いためかまだ紅葉が始まっていません。
ご参考に、龍吟庵 の「無の庭」は方丈の南庭で、白砂を敷いただけのシンプルな庭です。「表門」(重文)は、安土桃山時代の建造。正面は板扉、1間、一重、切妻造で妻入の杮葺です。
方丈を囲んだ東西南の三庭は、重森三玲氏の昭和39年(1964)の作庭です。西の「龍門の庭、清光苑」は龍吟庵に因み、龍が海中から黒雲を得て昇天する姿を石組みにより構成した枯山水庭園です。雲を黒砂によって表し、所々に出ている石は雲間から出ている龍の身体の部分です。
お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。
★こちらを是非よろしく→ ブログ村→
-------------------------------------------------------------------
| 固定リンク
コメント
朝がかなり冷えてきましたし、
この数週間が見頃でしょうね。
天気もしばらくよさそうですし、今年はいい紅葉がみられそうですね。
投稿: munixyu | 2022年11月 7日 (月) 16:23
★munixyuさん こんばんは♪
冷え込んで、天気がよいと紅葉の色づきがいいのですね。今年の紅葉は楽しみです。
投稿: りせ | 2022年11月17日 (木) 00:24