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2022年11月10日 (木)

蓮華寺 紅葉の額縁庭園

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

今日は過去の写真を再構成して、上高野の蓮華寺の紅葉を紹介します。かってはタクシードライバーの方が案内する隠れた紅葉の名所だったり、山門に「中学生以下の修学旅行生は受け入れていません。」という貼り紙がありました。

「蓮華寺」は山号を帰命山(きみょうざん)という天台宗延暦寺派の末寺です。この記事の写真は11月29日の撮影です。

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蓮華寺の創建年代などの詳細は不明ですが、かつて西八条塩小路にあり、西来院という時宗の寺だったといわれています。(山門を入った左に300体ほどのお地蔵さんが祀られた「百体地蔵」があります。)

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河原町通の路面電車敷設工事の際に土中より堀り出されたものです。明治の廃仏毀釈を受けた明治4年の地蔵撤去の京都府布令によって、市民が地蔵を隠したものと思われます。

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西来院は室町時代の応仁の乱(1467-1477)で焼失し、その後荒廃しました。(右が鐘楼、中央の道は庭を横切り本堂に続いています。)

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一方、この地には加賀藩、前田利家家老の今枝重直(1554‐1628)の隠居所がありました。重直(しげなお)は織田信長、豊臣秀次に仕え、勲功により豊臣の姓を許されました。秀次の死後前田利長に仕え、その間の戦いに加わりましたが1619年に隠居しました。

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上の写真の左の土蔵は、明治5年(1872)の学制以前に、男女共学の寺子屋の教室として使われていたそうです。その正面の道は庭への木戸で、拝観は下の写真の庫裏の玄関から入ります。

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拝観受付を過ぎて、庫裏と一棟になった書院に上がります。書院の東(左)から南(右)に広がる庭園は「蓮華寺庭園」ともよばれます。

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江戸初期の寛文年間(1661-73)加賀藩家老・今枝近義(ちかよし)は、祖父・重直の菩提を弔うために、洛中にあった西来院をこの地に移し、中興開山として延暦寺・実蔵坊実俊(じつぞうぼうじっしゅん)を迎えて再興しました。

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書院の東は池を中心とした池泉回遊式庭園です。池の中央に中の島(亀島)があり、南岸(右)から石橋がかかっています。橋の左の立石は鶴石だそうです。

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右手前に舳先が上がった舟石があります。出舟ではなく入舟を表す珍しい例だそうです。すなわち、対岸の彼岸ではなく此岸(しがん)を目指していて、浄土世界は現世にあることを教えているのだそうです。

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この庭は江戸初期の移転の際に作庭されたと考えられ、作庭者は石川丈山という説があります。さらに、狩野探幽、木下順庵や黄檗宗の木庵禅師・隠元禅師といった当時の文化人・著名人が協力ともいわれています。

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なかでも、近くの『詩仙堂』を造営した石川丈山は作庭者としても実績があり可能性はありますが、確かな資料は残っていないそうです。

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山沿いのモミジは、様々な木々が紅葉し、日当たりも複雑なので色彩が豊かですね。

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写真では誰も写っていませんが、辛抱強く縁先に座っている方が立ち去るのを待ちました。わざわざ部屋の奥に毛氈や座布団を敷いてあるのですが、近くで鑑賞したいという気持ちも分かります。

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書院から渡り廊下(板敷き)を歩いて本堂に向かいます。最近では渡り廊下から先では撮影禁止といわれるようです。

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池の畔に石仏が佇んでいます。

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本堂付近には茶人の間では有名な「蓮華寺型石灯籠(六角灯籠)」や、造園当初に建立された今枝重直の石碑などもあります。本堂の横(書院の南庭)は散紅葉で覆われていました。

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この庭は晩秋の雰囲気ですが、まだまだ紅葉が降り積もると思われます。

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昨年の紅葉の頃には大勢の観光客が訪れていたそうです。市内のはずれにあるので、落ち着いて見学するには早朝に訪れるのがよいかも知れません。

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