東福寺・善慧院(明暗寺)
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東福寺に行く前に必ずといってよいほど立ち寄るところがあります。 東福寺までの道の階段を上がった所にあり、苔がとっても美しい塔頭・善慧院(ぜんねいん)です。
山門には明暗寺(みょうあんじ)という表札もかかっています。「明暗寺」は、禅宗の一派・普化宗のお寺で「虚無僧発祥のお寺」として知られ、「尺八根本道場」でもあります。
明暗寺は建武2年(1335)天外明普(てんがいめいふ)が虚竹了円禅師を開山として、三条白川に創建したといわれます。開山・虚竹(寄竹)禅師は日本の普化宗の開祖でもあります。なぜ、異なる宗派の寺が同居しているのでしょうか?
やがて、深編笠をかぶり、尺八を吹いて諸国を歩く尺八禅の一派・虚無僧が現われました。虚無僧は普化宗の僧であり、剃髪しない半僧半俗の存在です。その尺八は尺八明暗流(普化尺八)といわれました。
明暗寺は尺八明暗流の根本道場でもあり、虚無僧発祥の寺、「虚無僧寺」といわれます。
一方、「善慧院」は大永年間(1521-28)に臨済宗の僧、彭叔守仙(ほうしゅくしゅせん)が退隠所として創建された東福寺の塔頭です。
明治4年(1871)に廃仏毀釈により普化宗と明暗寺は廃宗廃寺となりましたが、寺が所蔵していた虚竹了円禅師像などが善慧院に預けられました。明治23年(1890)には善慧院内に「明暗教会」が設立され虚無僧が復活しました。
さらに昭和25年(1950)に善慧院に間借りする形で「宗教法人普化正宗明暗寺」が再興されました。善慧院には和尚(善慧院住職)と明暗尺八の法系を継ぐ尺八看首がいます。(アラハシラガゴケのふかふかの絨毯です。)
左の石碑には「吹禅」と刻まれています。尺八が単なる楽器ではなく法器・明暗尺八と呼ばれたことを表しています。
「大弁財尊天」の額が架かっています。この辺りから萩の花が迎えてくてました。
善慧院(明暗寺)は拝観はしていませんが、開門中は門の中に入って庭を眺めることができます。この年は秋の訪れが早くて、萩の花が美しく咲いていました。
毎年11月の第一土曜日には尺八の会が大々的にとり行われ、全国の名だたる尺八演奏家が一同に集います。
この記事を書いていて、遠い昔に虚無僧が家の前で立ち止まって尺八を吹いていて、お布施を持って行って手を合わせたことを思い出します。
また、清水寺の下参道の出口や四条大橋でも見かけました。白い萩も、美しいですね。
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コメント
今年の秋は、どのくらいで深まるのでしょうか。
この台風のあとぐらいから、秋めいてくれると嬉しいのですが・・・。
投稿: munixyu | 2022年9月 3日 (土) 11:08