嵐山・法輪寺 2021秋
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一昨日は阪急の嵐山駅から「嵯峨街道」を歩いて法輪寺を訪れました。街道沿いのこちらが参道入口で、右になだらかな駐車場への坂道があります。車を誘導している警備員さんが座る椅子には猫ちゃんが。
「法輪寺」 奈良時代の和銅6年(713)行基が開創、当初は木上山葛井寺(かずのいでら)と呼ばれました。以後、歴代天皇の勅願所として国家安泰、五穀豊穣、産業興隆などの信仰を集めました。山門の左手に稲荷社があります。
平安時代前期の天長6年(829)空海の弟子・道昌が寺を再興して、自刻の虚空蔵菩薩像を安置して、法輪寺と称しました。その像は今も本尊として本堂に祀られ、嵯峨虚空蔵ともよばれ日本三虚空菩薩像の一つです。
山門をくぐると急な石段が本堂の前まで続きます。
本堂を守るのは狛犬ではなく、左は梅の木の下に狛牛、右は彼岸桜の下に狛虎です。現在では梅も桜も既に葉が落ちています。
本尊の虚空蔵菩薩(嵯峨虚空蔵)は、丑年と寅年の守り本尊だけでなく、記憶を増し智慧を授けるとの信仰があります。産業振興、技芸上達、学問向上、開運・招福などのご利益もあるとされます。
平安時代初め、幼くして即位した清和天皇が数え年の13歳になったとき、成人の証として法輪寺で勅願法要を催しました。そこから、成人の儀礼として法輪寺の虚空蔵菩薩に詣で、13歳の厄を祓い、智恵を授かる「十三まいり」が行われるようになりました。
上の授与所では、十三まいりなどのお祈祷の受付を行っています。本堂の左には大黒天が祀られていて、本堂とともに撫で仏でもある賓頭盧(びんずる)さんがいます。
十三まいりは、江戸時代の中頃から京都のみならず近畿一円に広がり、「難波より 十三まゐり 十三里 もらひにのほる 智恵もさまざま」と歌われました。参道石段の横には虚空蔵菩薩の使いとされる山羊の像があります。
展望台となっている舞台に行きます。数年前にコンクリートの床になり、中門も新しくなりました。
左手には嵐山が迫っています。舞台のこちら側半分は立ち入りできません。
左(北)には五山送り火の鳥居形。
ところで、現在も十三歳は人生の大きな節目とされ、十三まいりは智恵を授けていただき立派な大人になり、幸福な人生を送ることができるよう祈願する重要な通過儀礼とされます。清凉寺(嵯峨釈迦堂)
古来、写経を奉納するのがもっとも丁重な参拝方法とされていたのに習って、十三まいりでは漢字一字を書いて「一字写経」として虚空蔵菩薩に奉納します。渡月橋あたり
書いた文字を本人の身代わりとして、姓名を読み上げて一定期間ご祈願するそうです。紅葉があるのは臨川寺、その前は嵐山公園(臨川寺地区)となっています。
十三まいりの期間は、春は3月13日~5月13日(4月13日を中日とした前後一月間)、秋は10月~11月です。仁和寺の五重塔、後ろは衣笠山。
双ヶ岡と比叡山、ここから右に東山連峰が連なります。
「多宝塔」 昭和17年(1942)に再建された方形と円形の二重塔です。
「針供養塔」 秦氏がこの地に養蚕や機織、染織などの技術をもたらし、裁縫や服飾の技芸上達を祈願する「針供養」が行われました。平安時代から皇室で使われてきた針が奉納されているそうです。
現在でも12月の針供養では皇室からお預かりした針の供養をしています。針供養に来られた方は、一所懸命働いてくれた針に休んでいただこうと、蒟蒻(こんにゃく)に大針を刺します。注射針は受け付けていないそうです。
石段の途中の平地の右に「電電宮」があります。 かって雷の神・電電明神を祀る明星社が祀られていましたが禁門の変(1864)で焼失。
昭和44年(1969)関西の電気電波関係者により再興、電電明神を電気電波の祖神として祀り電電宮と改称しました。現在では電気、電波事業者だけでなく、ITや電子機器、電気自動車などのメーカーからも信仰を集めているそうです。
法輪寺のマイクロSD御守には虚空蔵菩薩の画像と梵字が入っていて、待ち受け画面にするといつもそばで守って下さるそうです。この日は電電宮の向かいから近道を下りました。舞台下には綺麗な庭園があります。
出口の近くに「人形塚」があります。10月15日の人形の日に人形の老舗「京都島津」の主催で「人形感謝祭」が行われ、毎年3000体の人形が供養されるそうです。
ここから渡月橋の方に行きます。先ほどの舞台から見るとかなりの人出のようです。
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コメント
「十三まいり」
昔は13歳で成人だったですよね。
なんか凄いです。昔の人はみんな大人だったのでしょうね。
渡月橋はいつもの人出が戻って、一安心ですね。
満員がいいんだと思います。
投稿: munixyu | 2021年11月27日 (土) 14:30
★munixyuさん こんばんは♪
観光地は人出がないと、お店も困るし、歩いていても寂しいですね。
投稿: りせ | 2021年12月 5日 (日) 00:52