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2021年2月13日 (土)

雪の京都 祇王寺

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

現在外出を自粛して、過去に大雪が降った日の風景をお届けしています。先日の記事の二尊院を出て、祇王寺まで来ました。紅葉が美しい寺ですがこの日は雪に覆われています。

嵯峨野路(府道50号)を北に行き、脇道を西に入ると正面が二尊院(山門が見えます)、右手は壇林寺です。

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「祇王寺」は、山号を高松山という大覚寺の塔頭尼寺です。『平家物語』に登場する白拍子・祇王の悲恋の尼寺として知られています。(脇門が参拝入り口になります。)

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平安時代の末、法然上人の門弟・良鎮によってこのあたりに往生院が創建されました。往生院は山上山下にわたって広い寺域を占め、数多くの僧坊が建ち並んでいたといいます。(拝観順路は最初に東の山門の方に向かいます。)

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平清盛の寵愛を失い、尼となった白拍子・祇王と、妹の祇女、母の刀自(とじ)らは、往生院の一院にこもり、尼僧として余生を送りました。(拝観順路は山門の前を通り、左回りに庭を一周します。)

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往生院は後年、荒廃してささやかな尼寺が残るだけになりました。江戸時代になって、尼寺は復興して祇王寺とよばれるようになりました。

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江戸時代中期の明和8年(1771)庵主の法専尼(ほうせんに )が、祇王没後600年忌に際して「妓王妓女仏刀自之旧跡」の追悼碑を建立しました。脇門の「祇王寺」の額も法専尼の筆です。

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明治政府の神仏分離令(1868年)後の廃仏毀釈によって、祇王寺は廃寺となり大覚寺がその跡地や墓、仏像を管理しました。(庭の端から、向うは本堂。)

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大覚寺門跡の楠玉諦師は祇王寺の廃寺を惜しみ再建を計画し、この話を聞いた元京都府知事北垣国道は明治28年に嵯峨にあった別荘一棟(茶室)を寄付しました。この建物が現在の本堂です。(庭の北から、西には竹林があります。)

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そして、楠玉諦師や文人画家・富岡鉄斎らの尽力によって1895年に祇王寺は再建され、水薬師の智鏡尼が住職となりました。1902年には大覚寺から、本尊の大日如来像、平清盛、祇王、祇女、刀自、仏御前の木像を遷し、墓もこのとき遷されたと考えられます。

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しかしながら、この尼寺も荒廃してしまいました。昭和10年(1936)に高岡智照が無住の寺に入り祇王寺を再興し現在に至ります。

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以下では新橋の芸者・高岡たつ子(のちの智照)が庵主となるまでの波乱万丈の人生を紹介します。たつ子は親に騙されて花街に売られましたが、新橋で美貌の人気芸妓になりました。

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芸妓時代に、情夫への義理立てに小指をつめたことで有名になり、絵葉書のモデルとして人気を集め、海外でも"Nine Finger Geisha"として紹介されました。

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たつ子は1919年に北浜の相場師で映画会社社長の小田末造と結婚。夫について渡米して帰国後夫婦仲がうまくいかなくなり、2度の自殺未遂を起こしました。(本堂の控の間の吉野窓は影が虹色に見えることから「虹の窓」と呼ばれます。)

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独りでアメリカからヨーロッパを渡り歩き、帰国後の1923年には小田照葉の名で映画『愛の扉』に主演。1925年に離婚が成立して、医者と再婚しましたがこれも破綻し

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大阪でバーを経営するかたわら、1928年には自伝『照葉懺悔』、その後も自らの体験を綴った本を出版しました。1935年に久米寺で得度し、智照を名乗り、39歳のときです。

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翌年、寂れていた京都の祇王寺の庵主となり復興させました。(本堂横の手水鉢、どういう仕組みが分かりませんが水琴窟になっています。)

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以後、祇王寺は傷ついた女性たちの心の拠り所として話題を集め、智照は瀬戸内寂聴の小説『女徳』のモデルになりました。

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本堂を出ると出口付近に墓地があり、その入り口に江戸時代の再建時に建てられた祇王の追悼碑もあります。下の写真の正面は出口で、墓地は右です。

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「宝筐印塔」 左が祇王、祇女、母刀自の墓、右が平清盛の供養塔で、いずれも鎌倉時代に造られたものです。

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祇王寺を昭和期に再興した高岡智照は、明治、大正、昭和を生き抜き、平成6年(1994)98歳で亡くなりました。上の宝筐印塔の横に智照の墓があります(下の写真中央)。

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コメント

固い感じの雪の日ですね。
こういうしっかりした雪は、
なんとなく温かみがあっていいですよね。

投稿: munixyu | 2021年2月13日 (土) 12:33

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