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2020年11月 1日 (日)

三千院 律川周辺と大原再開発問題

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

三千院で最後に訪れたのは境内北部の津川周辺です。上の写真は金色不動堂の右横で「おさな六地蔵」の道しるべがあります。下の写真の向うに橋が見え、手前は「あじさい苑」です。

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律川にかかる橋から、上流にも橋があり観音堂から直接行く道もできています。三千院の参拝領域はほぼ南の呂川と北の津川で囲まれていますが、律川の北も境内地となっています。

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「大原の石仏」鎌倉時代中期に念仏行者たちによって作られた阿弥陀如来像です。かってこのあたりで炭焼きが行われ、その製造・販売に従事する人々にちなんで「売炭翁石仏」ともいわれています。当時の浄土信仰を物語る貴重な遺物とされています。

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寂然法師(新古今和歌集)「炭竈のたなびく煙ひとすじに心細さは大原の里」 大原石仏の横の律川右岸にはお地蔵さんが並んでいて、坂道を上りながら見ていきます。

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一番手前に、以前から2体のお地蔵さんがいます。石柱から掘り出したようで、少し角ばっています。ここから上流側に3年前に新たにお地蔵さんが置かれました。

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「猫地蔵」猫を抱いています。ここには「おさな六地蔵」として6体のお地蔵さんが置かれでいますが、三千院のHPの境内地図には猫地蔵だけが記載されています。

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「スマホ地蔵」 以下のお地蔵さんの名前は、この六地蔵を見つけた人々が呼んでいるもので、正式な名前かどうか分かりません。

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「鳥地蔵」 全ての生命は6種の世界に生まれ変わりを繰り返すという、仏教の六道輪廻の思想に基づき、六道にいる人々を救うのが六地蔵です。

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「良寛地蔵」 六道は、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道とされることが多いのですが、このわらべ像が、六道を救う六地蔵かどうかは分かりません。

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「笑み地蔵」 わらべ六地蔵は、宮崎県日南市在住の彫刻家・橋口弘道氏の作品です。様々な素材を用いて主として仏像を制作、都城市立美術館前に宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を意識した不軽菩薩という作品があります。

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「お花地蔵」 橋口氏は宮崎市の「森のこども園」の園長でもあります。わらべ六地蔵の周りにはたくさんの石が積み上げられて、賽の河原のようになっています。  

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もう一度大原石仏の前に戻ると、苔むした岩に可愛いお地蔵さん2体います。同じお顔のお地蔵さんをどこかの寺で見たことがあるのですが、未だに思い出せません。

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ところで、あまり話題になっていませんが、三千院でも高級ホテルの建設問題が持ち上がっています。まだコロナが流行する以前の2016年10月のことです。場所は、律川の北側のこのあたりではないかと思います。

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外国人観光客による空前の観光ブームにもかかわらず、大原を訪れる観光客は最盛期の1/3に減少しているとして、地域団体などが結集「京都・大原創生の会」が立ち上がりました。(写真はここから御殿門まで戻り、説明はありません。)

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大原再開発を進める企業として、京都大原保存・開発会社を設立、代表はサンクチュアリグループ(SG)の竹中靖典社長、最高顧問に堀澤祖門三千院門主、相談役に森井源三郎三千院門徒代表が就き、門川市長が推進役でした。

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場所は、三千院の前住職のとき取得して保全しようとしていた市街化調整区域かつ風致地区でもありました。そこに、市の『上質宿泊施設誘致制度』の特例として、高級ホテルを建設しようという計画が持ち上がりました。

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仁和寺のホテル建設の記事でも紹介しましたが、この特例は住民の合意のもとで地域が高級な宿泊施設を「誘致」することが望ましいとされています。ところが、この計画は地元自治会(大原勝林院町)や住民には知らされていませんでした。

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翌2017年2月に計画を知った住民や地元自治会は議論を重ね、同年5月末には地元自治連合会の総会で計画を凍結することを表明しました。ただし、計画が中止になったわけではなく、現在でも京都市のHPには上の創生会議による大原地区の再活性化計画が掲載されています。

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その再生計画では、「当面の取組」としてあたりまえの振興策の(1)大原の観光振興の取組に加え、(2)当面の課題の検討として、現状の環境を保全しながら、観光受入れ体制の整備や生活者関連整備(ホテル建設を含む)が挙げられています。

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また「行政や民間事業者との連携による課題の検討」として、参拝ロープウェイ(大原-比叡山)や岩倉-大原地区間の隧道(トンネル)の早期整備、国道367号線の拡幅なども挙げられています。

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現在京都市のHPに掲載されている再開発計画は、創生会議による「地域からの提案」という形になっています。だだし、上述のように自治会は計画に同意していません。また会長は堀澤祖門三千院門主となっています。

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ところが、この再開発計画に関して詐欺事件が発生しました。2018年5月、千葉県の不動産開発会社が、三千院の土地買収資金の手付金として1億円を拠出したのに、中間業者Yが詐欺的手法によってこれを奪い取ったとして、返還を求めて民事訴訟を起こしました。

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三千院の持つ土地(価格10億円)に対して、土地売買の第1契約は三千院とSGで、第2契約がSGとY で、第3契約がYと原告の間で結ばれていたといいます。ミュージアムショップ「円融蔵」

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しかし、原告からYに支払われた金は、そのままSGに渡らず支払われたのは3千万円で残りはYが勝手に費消。原告はSGに対し不当利得請求権を代位行使。しかも、売買契約書におけるSGの印影が偽造されたものであるとして、SGが絡む契約全体に疑義を呈しました。

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告訴状を受理した千葉県警が関係者の参考人聴取を進めており、民事でも東京地裁で1億円の損害賠償請求訴訟の審理が始まっています。事件を伝えた当時のメディアは、架空の再開発計画に踊らされたともいっています。

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大原観光の最盛期とは例の歌がヒットした後の異常なブームのときで、現在よりも不便な交通にも関わらず大勢の観光客が詰めかけ大混雑でした。コロナが流行する直前でも、観光客は決して少なかったとはいえません。帰路にあった「輪廻転生」

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コロナが流行してからも、清水周辺や嵐山と違いこちらでは廃業したお店は見当たりません。コロナが終焉して通常の観光客が戻っても、さらに最盛期のような大勢の観光客を誘致したいのは誰なのでしょうか。

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コメント

集団のお地蔵様もいいけど、
こうしてぽつぽつをお地蔵様を見ていくのもいいですね。
大原の再開発計画。
まぁ、とりあえず大きな動きはしなくてよかったですね。
ホテルを建てていたら、このコロナ禍でどうなっていたかわかりません。
お地蔵様を増やしたり、小さなことをこつこつとすればいいし、
大原を満員にしてしまうと、価値がなくなってしまうような気がします。

投稿: munixyu | 2020年11月 1日 (日) 15:34

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