真如堂 紅葉の境内を巡る
←目次 2006年1月27日から毎日更新しています。
先日の記事で吉田山の宗忠神社を訪れた後、正面の道を通り真如堂まで来ました。
「総門」元禄8年(1695)完成、赤門とも呼ばれます。神楽岡(吉田神社)の神々が夜にお参りに来る際につまずかないように敷居がないとされています。
真如堂は、正式には鈴聲山真正極楽寺(れいしょうざんしんしょうごくらくじ)といい、永観2年(984)に戒算上人が開創した天台宗の寺院です。「極楽寺と名乗る寺は多いが、ここが正真正銘の極楽の霊地」という意味とか。
真如堂を訪れたのは11月24日で、紅葉した葉と緑の葉が混じっているカエデもありました。
「三重塔」は、江戸時代の宝暦年間(1751-1764)に建立され、1817年に再建されました(京都府指定文化財)。一昨年の台風で被害を受けけ修復工事が行われました。
「本堂」度々の戦火で焼失、享保2年(1717)に再建。7間4面総欅、本瓦葺の入母屋造で、内陣は金箔の天蓋や瓔珞(ようらく)で飾られ、本尊の阿弥陀如来、不動明王、千手観音が祀られています。右は菩提樹。
本堂の右手、ここから本堂の周囲を回ります。
「鐘楼堂」 元禄年間の建立当時は極彩色で今も部分的に名残があります。梵鐘は宝暦9年(1759)に鋳造、戦時中に供出されましたが、溶かされる直前に終戦となりました。ただし、材質検査のための穴が4か所残っているそうです。
「唐金(からがね)弥陀如来」 江戸時代の1719年、木食(もくじき)正禅により造立されました。像の作製のため、正禅自ら作った像の首模型を担いで廻り勧進を行ったといわれています。
「たてかわ桜」 立皮の名のとおり幹に縦に筋が入っています。徳川家光の乳母・春日の局が、父の斉藤内蔵介利三の菩提を弔うために植えたといいます。水上勉の小説『桜守』の題材になっていますが、実際は桜守ではなく当寺の貫主が接木に成功したそうです。
本堂の右奥(南東)、右に南の金戒光明寺への道があります。
本堂の裏(東)にある「万霊堂」、1934年に三井財閥本家の寄進により、地蔵菩薩を安置しています。真如堂には三井家の家祖・三井高利夫妻の墓などが祀られ、300年以上にわたり祭祀が行われています。
この石は燈籠の台座で、戦時中に供出されて銅製の燈籠が失われてしまいました。
向うは書院、本堂から上がり庭園の拝観ができます。ここに「山茱臾(さんしゅゆ」の木が植えられています。中国・朝鮮半島原産の落葉小高い木で、享保年間に薬用として果実が渡来しました。
果実は強精、止血、解熱作用があり、小石川の幕府御薬園で栽培され、秋に紅塾した果実からサンゴバナとも呼ばれるそうです。水原秋桜子「山茱臾にけぶるや雨も黄となんぬ」
平成2年(1990)に建立された「三井二木会物故社員慰霊塔」 二木会は三井グループの中核企業で、塔の裏には寄進した二木会会員会社名が刻まれています。
「石薬師堂」 平安遷都の頃、地面から光沢のある蓮華の蕾のような大石が現れ、桓武天皇が石の頭で薬師如来を彫り、石の上に建てたお堂に安置しました。江戸時代、正親町天皇が命じて、真如堂の僧・全海が本尊として祀ったといいます。
本堂を書院を繋ぐ渡り廊を横切り、本堂の北に出ます。
境内の北東にある「真如山荘」(左)と寺務所(右) 真如山荘は二木会が寄進した研修道場で、宿泊や会議ができます。境内を通る3本の参道のうち、北の参道の突き当りにあります。
「赤崎弁天」室町時代の1519年、美作国の善阿弥という念仏行者が、真如堂の完成行事のため周防国赤崎弁財天前で祈念、勧進を行ってようやく費用が工面できました。感謝のために真如堂の境内に赤崎弁天を勧請して祀ったといわれています。
「京都映画誕生」の碑 1908年に牧野省三は横田商会(横田永之助)の依頼により、日本で最初の時代劇映画「本能寺合戦」を真如堂境内で撮影しました。境内を本能寺に見立てて、森蘭丸の奮闘場面が撮影されたそうです。池の畔から移動しました。
境内の南の参道を下ると、三重塔の南を通ります。
春は枝垂桜の美しい場所ですが、既に葉が落ちていました。
塔頭「覚円院」芭蕉の門人・向井去来は嵯峨に落柿舎を営み、しばしば芭蕉が訪れ「嵯峨日記」を執筆しました。覚円院が菩提寺で、境内の墓地に墓があります。門前にカリンの実が置いてあります。
総門を出て、金戒光明寺の方に向かいました。
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コメント
ここの紅葉は、
錦秋と言う言葉が似合う、いい紅葉ですね。
写真も、京都旅行のパンフレットに出てきそうな
いい写真
ばかりで癒されます。
投稿: munixyu | 2020年11月28日 (土) 14:59