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2020年3月14日 (土)

乗願院 その歴史と花咲く境内

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

北白川天神宮から白川街道を北に行くと、山中越えの坂道の手前に乗願院があります。ちょうど御蔭通の東端です。「乗願院」は山号を霊芝山という浄土宗の寺院です。

山門が閉まっていることが多く初めて訪れました。山門横の祠の中に役行者の石像があります。

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「北白川小学校開校の地」の碑 明治7年(1874)この近くの寺子屋として使用されていた毘沙門堂で開校、当初は読み書きの他に石工のための授業も行われたそうです。何度かの移転の後、現在は別当町にあります。

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寺伝によれば、乗願院は比叡山延暦寺の支坊のひとつだったといいます。(山門を入った左に庫裏・寺務所があり、御朱印が頂けます。)

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元亀2年(1571)織田信長の叡山焼討ちの際に焼失しました。「霊芝観音」

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まもなく慶長13年(1608)信誉上人によって再興されました。境内には様々な花や置物があり、心を和ませてくれます。歌碑や石碑も多数あるのですが、ほとんど解読できません。

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それ以後、江戸時代を通じて照高院(のちの北白川宮)の御霊所となり、照高院4代道寛法親王によって乗願寺山が寄進されるなど種々の保護が与えられました。

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「照高院」は豊臣秀吉が帰依した天台宗・道証が妙法院(現在の東山七条)内に創建、 方広寺を管理しました。しかし、慶長19年(1614)の方広寺鐘銘事件にともない廃寺となりました。

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元和5年(1619)後陽成天皇の弟・興意法親王が伏見城の建物を移して北白川外山町付近に照高院を再建。その後、聖護院門主の退隠所となりり、雪輪御所とも呼ばれました。(境内の端に池があります。)

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近代には伏見宮邦家親王第13王子で最後の門主となった智成法親王(1856-1872)が還俗して白川宮と改称されました。明治初めの宮家の東京移転に伴い堂舎は取り壊されました。

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照高院(白川宮)の廃絶後は、道寛法親王らの位牌は当寺に遷され、乗願寺山にあった照高院の墓地も当寺が管理することになりました。枝垂梅が咲いていました。

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池の畔に「昇竜の松」があります。水辺から昇天する竜の形に似ていることから名づけられたそうです。

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本堂は、もと上賀茂神社境内にあった神宮寺観音堂を譲りうけて明治2年(1689)に移築したもので、屏障具として蔀(しとみ)形式になっていてます。両側の上に開く扉です。

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双葉葵紋が彫られた蛙股が施され、江戸時代・寛永期(1624-1645)の建築様式の特徴があるといわれています。

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本堂横に白幽子(はくゆうし、1646-1709)が揮毫した「南無阿弥陀仏」の名号があります。白幽子は江戸時代前期の隠士で、北白川の瓜生山中の岩窟に住み、書、天文、医道、仙術に通じ、数百年を生きた仙人という伝説があります。

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禅僧白隠慧鶴は禅に打ち込むあまり禅病(ノイローゼ)に苦しみ、噂を聞いて修行していた美濃国(岐阜県)から洞窟の白幽子を訪ねました。 そこで、「内観の法」を授かり病が治ったといいます。

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白隠はその時の様子を記録に残していて、噂では200歳を超えるとされた白幽子は膝まで髪が届く老翁で『中庸、老子、金剛経』を置いた机の前で瞑目端座していたそうです。

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白幽子は架空の人物と思われていましたが、後に吉田芝ノ墓地(神楽岡東墓地)で墓が見つかり、その墓碑から実在が確認されました。ところが、この墓が盗難に遭います。「観音霊芝水」

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明治36年(1903)富岡鉄斎により吉田芝ノ墓地に墓碑が再建されました。さらに、昭和18年(1943)法輪寺(上京区、だるま寺)の後藤伊山住職が東京・青山墓地内で白幽子の墓石を見つけ、持ち帰って法輪寺境内に墓を移しました。

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上に書いた白幽子の生没年は墓碑の記述からで、確かであろうと考えられています。一方、白隠は白幽子と会ったのは1710年(没年の翌年)と書いていて、謎が残っています。

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いずれにしても、乗願院に伝わる白幽子による南無阿弥陀仏の名号は、伝説の人物の数少ない足跡です。

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コメント

春の日差しが嬉しいですよね。
コロナ対策で、病棟閉鎖につき、
しばらくコメントができないかもしれませんが、
ご安心ください。

投稿: munixyu | 2020年3月14日 (土) 18:28

★munixyuさん こんばんは♪
お知らせいただいてありがとうございます。コロナの影響がmunixyuさんにも及んでいるとはちょっと心配です。お大事になさってください。

投稿: りせ | 2020年3月15日 (日) 00:48

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