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2020年2月18日 (火)

矢田寺 満慶上人と地蔵菩薩

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

寺町京徳商店街の三条近くに矢田寺があります。「矢田寺」は山号を金剛山という西山浄土宗の寺院で、洛陽四十八願所地蔵めぐり(京都四十八願寺)の第28番札所です。

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矢田寺の創建は古く、平安時代の初め(845年)大和国・矢田山金剛山寺(こんごうせんじ)の別院として五条坊門(下京区)に創建されたのが始まりです。開山は金剛山寺の住持・満慶(まんけい)上人です。

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本尊の地蔵菩薩(矢田地蔵)は、満慶上人が地獄で見た亡者を救う僧侶の姿を彫らせたものだそうです。代受苦(だいじゅく)地蔵とも呼ばれ、人々の苦しみを代わってくださるといわれています。

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一度お参りすると、10種の福を得、8大恐怖を取り除き、28種のご利益があるとされます。特に、縁結び、安産守護、学業成就、病気平癒、土地豊穣、家宅永安、子孫繁栄などの信仰があるそうです。

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満慶上人が地獄に行った理由は、閻魔大王から冥界で菩薩戒(菩薩が守るべき戒律)を授ける者を尋ねられた小野篁が、満慶上人を紹介したからです。満慶上人は六道珍皇寺の井戸から冥途に出かけ、閻魔大王に菩薩戒を授けたといいます。

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閻魔大王が礼を与えるというと、満慶は地獄を訪れたいと申し出て、阿鼻城で人々に代わり責め苦を受ける地蔵菩薩を見ました。

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炎熱地獄では亡者を救出する一人の僧を見ました。僧は自らを地蔵菩薩といい、娑婆で衆生を救うために上人に帰ったら地蔵菩薩像を造るようにと伝えたのです。

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また、閻魔大王は土産に箱を与えました。箱には米が入っており、取り出しても減ることがなく、食い逸れがなかったといいます。そのため、満慶は満米(まんまい)上人ともよばれたといいます。

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南北朝時代(1359年)に鋳造された「梵鐘」は、六道珍皇寺の「迎え鐘」に対して「送り鐘」と呼ばれています。8月16日の精霊送りの日、あるいは葬礼の精霊送りの時にも撞かれ、死者の霊を迷わず冥土へ送るのだそうです。

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矢田寺はその後衰退し、南北朝時代の1359年に綾小路西洞院矢田町で復興されました。室町時代(1417年)に焼失後、綾小路町尻(下京区矢田町)に移りました。「ぬいぐるみ地蔵」

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さらに、安土桃山時代、(1579年)豊臣秀吉の都市改造により現在地に移されました。ぬいぐるみ地蔵は、胎内にお札が入っていて、お守りにして持ち帰るか奉納します。手作りなので、すべて表情が違うそうです。

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江戸時代には、宝永の大火(1708年)、天明の大火(1788年)、蛤御門の変(1864年)で焼失しますが、その都度再建されました。「水子地蔵」

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「しあわせ大日如来」 密教では大日如来は宇宙の真理を現し、宇宙そのものを指し、すべての命あるものは大日如来から生まれたとされます。現世安穏、所願成就のご利益があるとされます。  

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悟りを得るための智慧を象徴する金剛界大日如来と無限の慈悲の広がりを象徴する胎蔵界大日如来があり、この像のように左手の人差し指を立て、その人差し指を右手で包みこむ智拳印をしているは金剛界大日如来だそうです。

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ところで、左手前の石柱に「東山若王子」と刻んであります。上の部分が切り取られていて、正東山若王子のことだと思われます。熊野若王子神社は、江戸時代まで聖護院門跡院家として「正東山(しょうとうさん)若王子乗々院」という名でした。

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明治初年の神仏分離令によって神社だけが残り、観音菩薩像や鰐口とともに碑(いしぶみ)が矢田寺へ移されたという記録があります。こちら側には、「所第一番」とありますが、洛東三十三所第一番(若王子観音)が削られたものと思われます。

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以上は以前の記事のときに調べたことですが、矢田寺と若王子神社のどちらにも記録が残っていないそうで、若王子観音の行方は未だに不明です。下は、哲学の道に残された石柱。

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矢田寺の石柱は明治初めの廃仏毀釈(仏教排斥運動)の混乱を示す負の遺跡ということもできます。

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コメント

矢田寺は、
商店街のわちゃわちゃ感の中で、
寺の中もわちゃわちゃと賑やかで楽しそうですね。
その割に絵馬はシンプルで落ち着いていて、
その差が面白いですよね。

投稿: munixyu | 2020年2月18日 (火) 13:30

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