田中神社 初詣と田中の構
←目次 2006年1月27日から毎日更新しています。
昨日の夕方、初詣に田中神社を訪れました。昨年9月に記事にしたばかりなので、創建の歴史は簡単にします。下は一の鳥居。
社伝によると、平安時代末期の応保元年(1161)に創建され、鎌倉時代中期の弘安年間(1278-88)に河崎総社という神社の跡地に遷座されたとされます。 (参道途中の盛り土は旧社地を表すそうです。)
一方、平安時代の歴史書『日本三代実録』の貞観5年(863)5月22日条に出てくる「田中神」が当社という説もあります。いずれにしても、平安時代には創建されていたと考えられます。「弘安殿」は参集殿です。
室町時代の「応仁の乱」(1467-77)では、田中郷の村民が自警団を組織し神社と村を守るために「田中構」(たなかのかまえ)という防壁を築きました。(手水舎、その向うは公園になっていて奥に二宮尊徳像があります。)
田中構の範囲は叡電元田中駅から東の当神社あたりに築かれたとされています。ただし、これは田中構の北部のことで、東西の範囲を表していると考えられます。
一方、昨年暮れに記事にした下鴨神社に再建中の河崎社の由緒に田中構が登場します。(拝殿には毎年可愛い大絵馬が掲げられます。)
先年の応仁の乱によって略奪、放火にあった河崎の集落(田中郷南部のようです)を守るために田中構という防護壁を築いたとあります。1503年5月には、また乱により集落が襲われ兵火にみまわれ、
その後の1530年12月にも襲撃をうけ集落がことごとく焼き討ちにあい壊滅状態となったと記されています。1536年7月(天文法華の乱)で兵火にあい、田中構と集落に祀られていた河崎社は壊滅したとあります。(社務所・授与所)
たび重なる乱の兵火によって崩壊した集落は、下鴨神社本宮糺の森西方の神舘御所跡へ氏人の村ごと移住し、河崎社も遷座されとされます。
この集落は下鴨神社の社地で現在の京都大学の辺りから田中神社一帯とされ、河崎社は現在の知恩寺の境内に鴨神社して奉斎されているそうです。結局、田中構の南の端は今出川通かその南の辺りのようです。
本殿と拝殿は、下鴨神社の式年遷宮の度に譲り受けてきたと伝えられています。寛永5年(1828)に比良木社の旧殿を賜った際には銅貨を下鴨神社に奉納した記録が残っているそうです。
本殿には祭神として大国主命(おおくにぬしのみこと)が祀られています。両側に摂社として倉稲魂大神(うかのみたまのおおかみ)、稲田姫大神(いなだひめのおおかみ)、
事代主大神(ことしろぬしのおおかみ)、猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)が祀られています。(本殿右に「御神水」の池があります。)
明治12年(1879)に氏子の要望によって「談合の森」(現在の叡電茶山駅周辺)から遷されました。毎日お参りする人がいるようで、よく手入れされています。
社務所の向かいにケージがあり、神の使いとされる孔雀が飼われています。現在3羽いて、1羽は人懐っこくて寄ってきます。
田中構は、近年の土地開発によって遺構は失われ、旧跡の場所を示す標識もありません。(帰りに北の田中構とされる場所を見てきました。下は叡電元田中駅。)
昭和初期までは南に堀跡が残っていたそうです。叡電元田中駅の南東に、線路に沿って小道があります。
小道は叡電の線路から別れ、田中神社の北を通ります。この付近の他の道路と比べると、少し斜めになっていて曲がりくねっています。京都市内では、このような道はかっての街道か川跡が多いといわれています。
この道が田中構の跡だという方もいて、道に面して田中神社の北の鳥居があります。
最後に、本日(1月3日)午後2時から「金獅子頭かじり」が行われます。徳川家から寄進された獅子に頭をかじってもらうと一年の厄払いになるとされます。神社の神紋も三葉葵で、徳川将軍家とのつながりが深かったことが分かります。
最初に拝殿の周りで阿波踊りの奉納(3年前)と宮司さんの舞など神事が行われます。その後、一年の厄払いとして、大人も含めて希望者すべてが金獅子にかじってもらえます。
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コメント
大絵馬の鼠は、ほろ酔いな感じで可愛いですね。
お土産でしょうか、張子の虎ならぬ張子の鼠も可愛いです。
鼠グッズは、可愛いから、みんな欲しくなりますよね。
投稿: munixyu | 2020年1月 3日 (金) 12:10
困ったときの「りせさんブログ」新年早々お尋ねします。
「京都御所」で検索すると、祭りの出発や他の寺社の記事の文中の「御所」が列挙されます。
「京都御所」単独で記事になっている日を探すにはどうしたらいいですか?
広そうですが、去年の骨折後遺症が残る足で1周できるかも教えてください。
投稿: ゆっこ | 2020年1月 3日 (金) 15:02
★munixyuさん こんばんは♪
干支の人形はお守りのようで、あちこちの神社にあります。でも、張り子の鼠は珍しいですね。それぞれいい値段がします。
投稿: りせ | 2020年1月 5日 (日) 02:21
★ゆっこさん こんばんは♪
お返事が遅れてすみませんでした。「検索」は私のブログのことでしょうか?
そうだとしたら、右のサイドバーにある「ブログ内寺院検索はこちら」の窓(空欄)に京都御所と入力すると、京都御所を含む記事が出力されます。
それぞれ京都御所の文字がハイライト(色つき)で表示されるので、最初の行(記事の題名)に京都御所という文字を含むものを探してください。
出力される記事は新しいものから古いものへの順番ですので、一番下にある一覧(出力ページ)の番号を順にたどってください。
題名に京都御所を含む記事は多くないので、容易に2018年4月13日と15日、2016年8月1日と2日の記事が見つかると思います。
通年公開だと各自で見学できるので(説明つきのツアーもあるようですが)、ご自分のペースで歩くことができます。歩く道は平坦で、距離は長くはありません。どちらかというと建物を見て回る感じです。
お怪我をされたそうで、楽しいご旅行になりますよう願っています。
追伸:もしかしたら、(京都人のように)京都御所が京都御苑のことかも知れません。ブログではできるだけ区別をしていますので、そのときは京都御苑で検索してください。
投稿: りせ | 2020年1月 5日 (日) 03:29
ありがとうございます。
京都について調べたいときは、いつも「りせさんブログ内の検索窓を使わせて頂いてます。どこよりも正確で季節感があるので、訪問日時に近い記事を探します。
京都御苑はナビタイムで調べてとても無理だと思ったので、京都御所だけなら、回れるだろうか?と計画しました。
上↑で日付を教えて頂いて助かりまする行けそうです♪
投稿: ゆっこ | 2020年1月 7日 (火) 13:38