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2019年10月17日 (木)

伝道院 西本願寺のレトロ建築

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

西本願寺、興正寺を訪れたあと伝道院に向かいました。下は西本願寺の「総門」で、宗祖・親鸞聖人450回忌の境内の改修事業の一環として、宝永8年(1711)に建立された高麗門です。

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総門の向こうは「正面通」と呼ばれ、仏具店が並んでします。

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正面通の西ははほとんど仏具店で、それぞれを紹介するのは諦めました。通りの北は「仏具屋町」、南は「数珠屋町」です。

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ドームを乗せた特徴的な建物が見えてきました。

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油小路通との交差点、南東(向い)の角に伝道院があります。

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「本願寺伝道院」 この建物は明治28年(1895)に設立された真宗生命保険株式会社の社屋として、明治45年に東京帝国大学教授・伊東忠太が設計、竹中工務店の施工により建造されました。

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当初は「本館」の他に、「付属屋」、「倉庫」2棟、「物置、人力車置場、便所」、「屋根付伝ひ廊下」がありましたが、現在は本館だけが残っています。本館は2011年に竹中工務店によって改修されました。玄関、内部は公開されていません。

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伝道院は伊東忠太が提唱した「建築進化論」を明確に表現した建物だといわれています。建築進化論とは、石材や鉄に依存しつつも、欧化でも和洋折衷でもなく、日本建築の木造伝統を進化させることだそうです。(油小路通の南から)

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外観は古典様式に基づくものの、開口部まわりや軒まわり、塔屋の形態などにサラセン様式、日本の伝統的様式が用いられています。サラセン様式とは、中世インドのイスラム様式のことだそうです。

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煉瓦造りで外壁には化粧タイルを貼り、花崗岩の白帯を張り巡らせるのは英国風。建物上部には石組みの「破風」が設けられ、懸魚(板飾り)まで付いていて、伊東忠太の建築進化論が具体化されています。

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塔屋(ドーム)の外見はインド風、花頭窓は従来の日本の寺院建築、高欄は中国建築に見られるものです。

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「南通用門」はサラセン様式? 燈明のようです。

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その後、建物は銀行、事務所、研究所、診療所と変遷、 現在は本願寺伝道院として浄土真宗本願寺派の僧侶の布教・研修の道場として使われています。建物下部にある通気口にも手を抜いていません。

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建物の周囲の石柱には妖怪の石像が乗っています。伊東忠太は妖怪好きでも有名だったそうで、彼が設計した一橋大学・兼松講堂や震災祈念堂(現東京都慰霊堂)などでも様々な妖怪や怪獣が見られるそうです。

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平成25年(2013)伝道院は「BELCA賞ロングライフ部門」を受賞しました。この賞は、長年にわたり適切に維持保全されてきた模範的な建築物を表彰するものです。(正面通りから。)

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伝道院は伊藤忠太の実験的な建物でしたが、百年を越えて使用するために様々な改修が行われてきました。外観を損なうことなくレンガ壁や床の内部に鉄骨を貫通して耐震補強を行い、新設サッシは既存窓枠に隠しています。

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現代の省エネ技術を適用して照明や空調設備を各部屋に調和して配置しています。この賞は公益社団法人ロングライフビル推進協会(BELCA)が主催し、受賞建物の多くは近代的なビルです。

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正面通りの東から見ると、屋根の南東の隅にも塔が建っています。2階建て煉瓦造りですが、一部(塔屋)は地上3階、地下1階となっていて、建築面積628㎡だそうです。

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こちらの塔屋は六角形をしていて、窓は変わった形をしています。

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正面通側にも妖怪の石像が並んでいます。ヒンドゥー教やインド神話に出てくる妖怪に似ているともいわれますが、伊東忠太のオリジナルだそうです。向うは西本願寺の総門。

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平成26年(2014)伝道院は「伊東忠太の建築進化論に基づく初期の代表作であり、我が国における建築様式の道程を体現した建築として価値が高い」として、国の重要文化財に指定されました(妖怪像も含まれています)。

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