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2019年9月 4日 (水)

市比賣神社 市場と女人の守護神

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事で下寺町の寺院を巡りましたが、その最後に市比賣(売)神社を訪れました。

上は河原町六条の交差点角にある喫茶「いちひめ」、下は少し上った市姫通との交差点角に神社の建物が見えます。特徴のある朱色ですが、神社も喫茶店も同じ色です。

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「市比賣神社」は、女人守護の神社として知られ、その創建は平安時代初めにさかのぼります。市姫通を西に入ります。

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桓武天皇が平安京を造営した翌年(795)、当時の左大臣藤原冬嗣に命じて、東西両市場の守護神として、宗像三女神を勧請して市姫大明神として祀りました。神社が経営するマンション「リリジョンいちひめ」の1階です。

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両市場は官営の常設市場で、全国から産物が集められ貴族から庶民にいたるまで多くの人々で賑わいました。東市は現在の七条北の大宮東、西市は七条北の西大路西にありました。

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上の手水舎に「瀞」という字が刻まれていて、清と浄の文字が組み合わさっているので「すがすがしい」と読むのだそうです。

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それぞれの市場の門に市姫大明神が祀られ、東市に市姫大明神が祀られた社が当神社の始まりです。「社務所・授与所」、祈祷の受付も行っています。

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清和天皇(在位858-876)から後鳥羽天皇(在位1183-1198)に至る27代の間は皇室、公家の尊敬篤く、皇子又は子女の誕生ごとに当社の「天之真名井(あめのまない)」の水を産湯に加えられたと伝えられています。

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本殿には祭神として、多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)、市寸嶋比賣命(いちきしまひめのみこと)、多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)の宗像3女神とともに、

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神大市比賣命(かみおおいちひめのみこと)、下光比賣命(したてるひめのみこと)を祀ります。

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神大市比賣命はスサノオノミコトと結婚して、大歳神(おおとしかみ、正月の神)と宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ、稲荷神)を産みます。下光比賣命は多紀理比賣命と大国主命の子神です。

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縁結び、子授け、安産、女人厄除け、婦人病平癒などの女人守護のご利益に加え、市場守護、商売繁盛の信仰があります。現在でも京都中央市場の守り神として、市場市有地の中央に分社が祀られています。京都十六社朱印めぐりの一つ。

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平安時代中頃、東市の近くに踊念仏の祖とされる空也(903-972)が天台宗の金光寺を開きました。東市に近いことから市屋(いちや)道場とも呼ばれたといいます。下は「カード塚」で、

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使い終わったカードに感謝する意味で、祓い清めて供養してくれます。

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中世になると両市場は衰退したようで、金光寺の境内に市姫大明神が祀られ、寺は市姫金光寺とも呼ばれたといわれています。「祈祷殿」

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安土桃山時代の1591年、本願寺の進出にともなって豊臣秀吉の命により、金光寺は現在地へ移転しました。境内の南側に摂社や井戸があります。

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摂社の「植松稲荷社」 祭神として植松稲荷大神、松玉稲荷大神、光玉稲荷大神を祀り、商売繁昌や金運アップのご利益があるとされます。

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「天之真名井」が再現されています。地下60mから汲み上げられ、神水を飲み祈ると、一つの願い事が叶う一願成就の井戸といわれています。

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この井水は名水とされ、茶の湯都七名水のひとつでいまも茶会などに用いられているそうです。

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「姫みくじ」 張り子人形の中におみくじが入っていて、人形を井戸の上にお供えしています(持ち帰ってもよいそうです)。

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「衆霊(しゅうれい)殿」、市比賣神社に所縁のある大国主命、花山天皇、恵比須大黒、護国英霊、社家祖霊、崇敬者祖霊、蛭子大霊を祀ります。

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明治初年(1868)の神仏分離令により、市比賣神社は金光寺より独立、現在金光寺は西隣にあります。市比賣神社が北向きに建てられているのは、御所を守護するためだそうです。

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市比賣神社の向かいにも神社の建物があります。市比賣神社と金光寺を後に、河原町通を北に行くと二つの寺があり、ともに秀吉の都市改造以前からこの地に建っています。

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「等善寺」 平安時代中期、源融の邸宅・六条河原院の跡地に官人・橘行平が開いた浄土宗の寺院です。昨年6月から、住持の中西玄禮氏が浄土宗西山禅林寺派(総本山・永観堂)の管長を務めています。

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少し北に浄土宗捨世派の「竹林院」があります。京都所司代・村井貞勝の叔父の良雲入道が創建したとされ、村井貞勝は織田信長の家臣で、本能寺の変で討ち死にしました。

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河原町通は御土居の外にあるのでそれ以後に開かれ、江戸時代初期の角倉了以による高瀬川開闢によって発展、角倉通とも呼ばれました。このあたりにも市比賣神社の建物があります。

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神社が経営する「リリジョンいちひめ」は1Kで女性専用のようです。ちなみに、リリジョン(religion)は宗教という意味ですが、信者専用というわけではありません。

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コメント

井戸水は地下水ということで、
とにかく物凄く冷たいですよね。
冷蔵庫と冷凍庫の間のような気がします。
姫みくじ、京都は面白いみくじや可愛いみくじが多くて
楽しいですよね。

投稿: munixyu | 2019年9月 4日 (水) 13:06

★munixyuさん こんばんは♪
姫みくじは、願い事を書いて井戸の上に乗せるとそれが叶うとも言われています。もちろん、持って帰ることもできます。

投稿: りせ | 2019年9月10日 (火) 23:58

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