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2019年7月10日 (水)

建仁寺 方丈の襖絵と法堂の双龍図

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の続きで、建仁寺の方丈に来ました。方丈は慶長4年(1599)恵瓊(えけい)が安芸の安国寺から移築、優美な銅板葺の屋根が印象的な禅宗方丈建築です。

東北の隅の「書院の間」の障壁画「花鳥図」 西側の大小の壁貼付絵二面と襖絵二面には二本の松を生やす盛り上がった地面から今まさに飛び立たんとする孔雀を描いています。

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方丈の障壁画は全て安土桃山時代の建仁寺復興の際に、絵師・海北友松(かいほうゆうしょう、1533-1615)が描いたもので、重要尾文化財、京都国立博物館に収蔵、展示は高精緻の複製です。下は「裏の間」。

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複製はキャノンと京都文化協会が共同で行っている「綴(つづり)プロジェクト」の一環として作成されました。こちらも裏の間で写経道場になっています。写経は受付で申し込みます。

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海北友松は浅井氏の重臣・海北善右衛門尉綱親の子として近江に生まれ、幼くして東福寺に入り、絵を狩野元信に学びました。後に還俗して武士になりますが、画家としても活動しました。

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方丈の北庭に「納骨堂」があります。昭和39年(1964)建造で、この辺りは紅葉が美しい場所です。

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北西の隅の「衣鉢の間」の「琴棋(きんき)書画図」 本作品のみが著色画ですが、狩野派とは大きく異なり水墨画的要素をとどめています。主題を画面中心部(写真では右)に集め両端に空間が広がっているのは狩野派の構図では珍しいそうです。

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ちなみに、衣鉢(えはち)とは一般に僧侶が身にまとう三衣(さんえ)との鉢のことで、禅宗では法を伝える証拠として授ける袈裟と鉢、転じて、師から伝えられる奥義のことだそうです。方丈の西庭、

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今まではここから下に降りて方丈の北にある茶室に行くことができましたが、通行止めになっていました。

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南西の「檀那の間」の「山水図」 下は水景と楼閣滝の場面、溌墨草体(墨のにじみ、かすれで表現)で淡墨を基調に濃墨の巧みなアクセントが入り、大きな余白も効果的で、友松様に昇華された画風だそうです。 

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庭の南西隅に七重の塔があります。織田有楽斎が兄の信長追善のために立てた供養塔で、1898年に開山堂の南からここに移されました。

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方丈の前庭(南庭)は「大雄苑(だいおうえん)」と呼ばれます。昭和15年(1940)に作庭された枯山水式庭園で、白砂地に縁苔、巨岩を配し、中国の百丈山の眺めを模しています(百丈山の別名が大雄山)。

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方丈の「室中」の襖には「竹林七賢図」が描かれています。竹林七賢とは、中国の魏晋の時代(3世紀半ば)国難を避けて、竹林の中に入り、酒を飲み、楽を奏で、清談(俗世から超越した談論)にふけった七人の賢者のことです。

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当時の権力者、司馬一族による礼教政治(言論の自由が許されない)を批判していたといわれ、その自由奔放な言動が後世の人々から敬愛されたと伝わっています。

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中央には本尊として、東福門院寄進の十一面観音菩薩像を祀っています。東福門院は徳川2代将軍・秀忠の娘で、後水尾天皇の皇后。奔放で幕府と対立する後水尾天皇と徳川家との間を取り持つために奔走したといわれています。

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大雄苑の正面に「唐門」、向うの屋根はこれから訪れる法堂で、南から勅使門、三門、法堂、唐門、方丈が一直線上に並んでいます。

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南東にある「礼の間」の「雲龍図」 建仁寺方丈に招かれた客が最初に通される礼の間に、北面(下)には咆哮とともに雲間から出現する龍が、

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西面(左)には待ち構えるように睨みをきかす龍が、それぞれに雲を従えながら圧倒的な迫力をもって描かれています。

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近世以来、武門・禅門に特に好まれた龍を画題として、力量の試される大画面に余すことなく描きあげた本作品は、海北友松の得意とする水墨の龍の中でも随一の作品だそうです。

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方丈から法堂への渡り廊下の途中に花頭窓があります。大雄苑を東から眺めています。

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「法堂」は江戸時代中期の1765年に上棟した禅宗様仏殿建築で、「拈華堂(ねんげどう)」とも呼ばれます。

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法堂の正面須弥壇には本尊・釈迦如来座像と脇侍として迦葉尊者・阿難尊者が祀られています。

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天井には建仁寺創建800年を記念して、平成14年(2002)日本画家・小泉淳によって双龍が描かれました。画伯が約2年の歳月をかけ取り組んだ畢生(ひっせい、一生涯)の大作だそうです。

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二匹の龍が天井一杯に絡み合う躍動的な構図で、二匹は争うのではなく共に協力して法を守る姿が重厚かつ独特の水墨世界観で表現されています。

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縦14.4m、横15.7m、畳108枚の大きさで、麻紙とよばれる丈夫な和紙に最上の「程君房(ていくんぼう)」の墨で描かれました。建仁寺は拝観領域では何を撮影してもOKだそうで、一杯写真を撮りました。

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何枚かの写真を合成、縦横比を修正して真下から見た双龍図を再現しました。一番最後の写真は、建仁寺のポスターにならって少し彩色してみました。

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コメント

凄い迫力の龍ですね。
今にも、動き出しそうな躍動感を感じます。

投稿: munixyu | 2019年7月10日 (水) 14:36

★munixyuさん こんばんは♪
今回写真のゆがみを補正して、真下から見えるように加工すると、より迫力を感じるようになったと思います。

投稿: りせ | 2019年7月14日 (日) 01:01

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