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2019年6月19日 (水)

上賀茂神社 摂末社と神山湧水

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事で上賀茂神社・渉渓園を訪れましたが、その前後に境内を散策して摂末社を見て歩きました。一の鳥居から二の鳥居に行く参道の東に二つの末社が見えます。

左の「山森神社」は病気平癒、右の「梶田神社」は厄除けの神を祀っています。ならの小川の下流にあり、式年遷宮で補修されました。

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二の鳥居の前から右(東)に行き、ならの小川を渡って渉渓園に行きました。橋の上から先ほど二つの末社が見えます。上賀茂神社では、本社(祭神)に関連する神を祀るのが摂社、それ以外の小社を末社としているようです。

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渉渓園の向かいにある摂社「奈良神社」 祭神は奈良刀自神(ならとじのかみ)で、左にある神饌所での神饌の盛り付けの際に、楢の葉を閉じて用いていたことから祀られたとされます。

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二の鳥居の前に戻ります。上賀茂神社の式年遷宮は21年毎で、第42回の遷宮が平成27年(2015)に行われました。関連事業は来年まで続くようです。

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二の鳥居をくぐると茅の輪ができていました。6月30日には「御禊の儀(ぎょけいのぎ)」が行われ、宮司以下奉仕神職は茅ノ輪をくぐった後、正面の「橋殿」(TOPの写真も)において祓の行事・御禊を行います。

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引き続く「夏越神事」では、神職に続いて参加者が茅の輪をくぐり上半期の罪穢を祓います。参加者は「楽屋」で人形(ひとがた)に名を記入、夜8時からの「夏越大祓式」で氏子や参加者から罪穢を託された人形をならの小川に流し祓を行います。

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式中に伶人(神心流)により、当神社の大祓式の情景を詠んだ和歌「風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりける」(藤原家隆)が読まれます。「土屋」(重文)の対岸のこの辺りで見学することができます。

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末社「岩本社」 上のなら小川の下流にあり、祭神の底筒男命(そこつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、表筒男命(うわつつのおのみこと)は、祓いの神、海上安全守護神、港や河瀬の守護神です。

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「岩上(がんじょう)」 大岩が露岩しており(神が降臨する)磐座(いわくら)です。葵祭の際にここで宮司が勅使にそんきょの姿勢で返祝詞(かえしのりと)を述べ、古い神道の形を残している場所とされています。

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「楼門」(重文) 手前の「玉橋」(重文)は渡ることができません。昨日紹介した摂社「片山御子神社」(片岡社)が右あり、その右の斜面の上に摂社「須波神社」があります。

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平安時代に始まり、祭神の阿須波神(あすはのかみ)は、神域を支配する神、波比祇神(はひきのかみ)は本宮前庭の守護神。生井神(いくいのかみ)、福井神(さくいのかみ)、綱長井神(つながいのかみ)は御物忌川、御手洗川の守護神です。

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この辺りの小川は御物忌川とよばれ、左から流れてくる御手洗川と橋殿の前で合流してならの小川となります。片岡橋を渡り楼門をくぐります。

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「中門」と左の「西局(にしのつぼね)」、右の「東局」は共に重文です。中門の中に国宝の「本殿・権殿」があり、本殿には賀茂別雷大神(かもわけいかずちのおおかみ)を祀ります。権殿は本殿修理の際、仮本殿となります。

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中門の右脇にある末社「棚尾社」(重文)  祭神は櫛石窓神(くしいわまどのかみ)、豊石窓神(とよいわまどのかみ)で、中に悪霊が入らないように門を守る神です。

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楼門の前から右に回ると、末社「川尾社」(重文)があります。祭神は、水の神・罔象女神(みずはのめのかみ)で 御物忌川を守ります。

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更に回り込むと「新宮門」(重文)があり、その中にある摂社「新宮神社」(重文)は水を司る高龗神(たかおかみのかみ)、末社「山尾社」は山の神・大山津美神(おおやまつみのかみ) を祀ります、右手に「伊勢神宮遥拝所」があります。

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もう一度楼門の前に戻り、境内の西に向かいます。下は奉納された竹細工「亥」みくじ結びです。

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「手水舎」に湧き出る「神山湧水(こうやまゆうすい)」は、上賀茂神社の祭神が降臨した神山からのくぐり水とされ、飲料にも適している京都の名水の一つです。

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授与所の横にある末社「橋本社」 衣通姫神(そとおりひめのかみ)を祀り、和歌、芸能上達の守護神です。俗に、橋本社は平安時代の歌人・藤原実方を、前述の岩本社は在原業平を祀ったと信じられてきました。

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吉田兼好の徒然草に、橋本社と岩本社の区別がつかないので神職にたずねると、「実方を祀ったのは御手洗側に影が写ったところ、業平は月を愛で花をながめた人といわれているので、あなた方の方がよくご存知でしょう」とかわされた話が出てきます。

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西の鳥居から社務所の前に出るとその左隣に、4月10日オープンした「神山湧水珈琲 煎(せん)」があります。神山湧水の成分を味の素AGFが調べ、合うコーヒー豆をブレンドしたそうです。

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向かいにある「憩いの庭」で珈琲をいただくようになっています。上賀茂神社の約2600年の歴史の中で初めて常設されるお休み処だそうです。

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憩いの庭も整備されて、白砂が敷き詰められて高い木立で日影ができています。円形に造られた腰掛けには2600本の檜の木材が使われ、日本を代表する建築家・長谷川豪氏が空間デザインを担当したそうです。

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アイスコーヒーと葵家の焼餅とのセットを頂きました。憩いの庭を出ると向うに神山が見えました。

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コメント

お休み処のやきもきは、神馬堂ではないんですね~。

わたしも14年、京都で暮らしていますが、
上賀茂神社も下鴨神社も、ほかにも梨木神社とか、いろいろと変わりましたね。

この10数年でここまで変わると、「豹変」という感じを受けます。

世界遺産委員会から、
「あんまりいろいろ変えるな」とか言われないんですかね。

投稿: manabu | 2019年6月19日 (水) 12:47

ならの小川は、名前がまたいいですよね。
そう言えば、そろそろ七夕。
時間はどんどん進んで行きますね。
早いものです。

投稿: munixyu | 2019年6月19日 (水) 19:57

★manabuさん こんばんは♪
神馬堂の焼餅の方が趣があるという京都通の方も多いですね。葵家の方は他の和菓子も販売していて、上賀茂神社御用達をうたっています。神山湧水珈琲は小さなスタンドで、目立たないので気が付かない方が多いと思います。憩いの庭は以前からありお祭りなどの会場の一部に使われていました。今回整備しましたが、珈琲を飲まなくても自由に立ち入りできます。
神社は世界遺産といえどもどこも財政難で苦労しているようです。特に社殿の修復や式年遷宮には莫大な費用がかかります。下鴨神社のように糺の森の一部をマンション業者にゆだねるのではなく、上賀茂神社は境内地を守ってよくやっていると思います。

投稿: りせ | 2019年6月20日 (木) 01:03

★munixyuさん こんばんは♪
七夕では特に神事はないようです。上賀茂神社では七夕の笹と短冊があって、各自で願い事を書いてつるすようになっていました。

投稿: りせ | 2019年6月20日 (木) 01:09

京都に来てコーヒー派になって、あちこちのコーヒーを飲んで回っているので、
こんど神山湧水珈琲も飲んでみます。秋にでもポタリングついでに、ぐるっと上賀茂の方をまわってみます。ひさしぶりに(先日記事になっていた)深泥池もみたいですし。

憩いの庭が以前からあるとは知りませんでした。
結婚式のひとたちの、集まる集合場所程度に思っていてい、部外者は入れないのかと思っていました。

下鴨神社は困りましたね。
5月に流鏑馬を見に行ったときに様子を見たのですが、仁和寺とか、世界遺産の「緩衝地帯」の存在ををあんまり認識していないんでしょうか。

投稿: manabu | 2019年6月28日 (金) 06:55

★manabuさん こんばんは♪
やはり式年遷宮はお金がかかるようですね。下鴨神社では、関連事業として懸案だったいくつかの摂社を再建して、糺の森の史跡を発掘調査して整備しました。この資金は南のマンション敷地の賃貸料です。下鴨神社のような多くの文化財や自然遺産を抱えた神社が、自力でそれを維持していくのはもともと困難な状況だと思います。文化財や自然環境の保護に対して、日本の行政がもっとはっきりした方針をもって欲しいと思います。もちろん、宗教と文化遺産を区別する必要はありますが。戦争で破壊されたヨーロッパの世界遺産は、それぞれ豊かではない国ですが世界中の資金を募ってで再建してきました。、

投稿: りせ | 2019年6月29日 (土) 00:27

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