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2019年4月 4日 (木)

北白川 桜と名建築を訪ねて

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

琵琶湖疏水分線は哲学の道からしばらく今出川沿いに西に流れ、やがて北に向きを変えます。そのあたりの疏水と平行な北白川疏水通の南部は桜並木になっています。今日は高原町から南に歩き、付近にある洋館を見て歩きます。

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疏水通から東に入ったところに、レトロな建物と枝垂桜で知られる「銀月アパートメント」があります。玄関横の枝垂桜は満開になっていました。

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大正末期から昭和初期に建てられたようですが、詳しいことは分かりません。全20数室と共有スペースがある建物はコの字になっていて中庭があります。一昨日は壁の塗り替え工事をしていました。

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閑静な場所とレトロな雰囲気のため、芸術家や作家、美大生などの方が多く住んでいて、アトリエや事務所になっている部屋もあります。
かって映画監督の大島渚が住み、現在は作者・編集者の早川茉莉さんが住んでいて「銀月お部屋マーケット」を開催しています。

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鴨川ホルモーやクローズドノートなどの映画のロケ地となり、四畳半神話体系にも登場しています。西側から見ると洋館であることが分かり、スパニッシュ・コロニアル様式だそうです。

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北白川疏水通を少し南に行くと「駒井家住宅」があります。京都帝国大学理学部教授の駒井卓博士の住居として、昭和2年に建てられた洋風建築です。駒井博士は、動物分類学、遺伝学、進化学に大きな功績を残し、昭和天皇に生物学を教授したことでも知られています。

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この住宅は、米国人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの円熟期に建てられた昭和初期の洋風建築として質が高くよく保存されていることから、平成10年に京都市指定有形文化財に登録されました。疏水沿いのソメイヨシノは4~5分咲き程度でした。

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今年の3月29日(金)~ 4月7日(日)の期間「春の連続公開」を行っています。博士が愛した温室をカフェとして、近隣カフェや駒井家住宅ボランティアによるコーヒー、焼菓子などの販売をしているそうです。(下は以前の特別公開時の写真。) 

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疏水沿いの道は御蔭通と交差し、そこから御影通を少し西に行ったところにカトリックの「聖ヴィアトール北白川教会」があります。聖ヴィアトール修道会直轄の教会で、日本での宣教活動は1946年に始まり、京都を活動の拠点としました。

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高野教会の信徒から敷地(現在地)の寄贈を受け、当初は日本家屋を改装して修道院として小規模な聖堂を構えたそうです。現在の聖堂は1994年に建てられた3代目で、満野久氏の建築設計です。

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満野久氏は京都大学建築学部卒で、稲沢市庁舎や伊勢神宮社務所などを手掛けた設計事務所ゲンプランの所属です。鐘楼の3つの鐘には「信、望、愛」の文字が印されていて、イタリア人、リノ・ベリーニ神父の出身地の教会から寄付されたものだそうです。

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この教会から再び御蔭通と北白川疏水通の交差点まで戻ります。そこから疏水と離れて南東に少し行くと、京都大学人文科学研究所の「東アジア人文情報学研究センター」があります。

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京都大学の中国学研究のシンボル的存在で、書庫には30万冊を超える漢籍を収蔵、その会読を基軸とする共同研究を推進する研究拠点として世界中の研究者が結集するそうです。

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建物は東方文化学院(後の東洋文化研究所)として建てられ、戦前は民間の研究機関でした。1930年に竣工し設計者は武田五一と東畑謙三です。スペイン僧院を模したロマネスク風のデザイン(スパニッシュ・ロマネスク様式)の秀逸な建物として、2000年に国の登録有形文化財に指定されました。

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当初の研究所の目的は「中国の文化的復興」でしたが 、東洋趣味を強調せず、学問的瞑想の場にふさわしい風貌にすることで、旧態依然とした漢文学から脱却して近代的な中国学を再生しようとするコンセプトが込められたそうです。(外壁に日時計があります。)

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日本近代建築においてスパニッシュ様式が流行したのは、スペインからの影響ではなく、1920-30年代にアメリカ全土で流行したスペイン風建築(アメリカ南西部旧スペイン植民地を源とする)のリヴァイバル様式を取り入れたものだそうです。こちらは北側です。

 

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上の研究所の西を流れる疏水沿いに京都大学北部キャンパス・グラウンドがあります。下は北部キャンパスの北東(グラウンドの南)にある「湯川記念館」で、前にある陽光桜が満開でした。

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湯川秀樹が日本人として初めてのノーベル物理学賞を受賞したことを記念して1952年に建てられ、翌年基礎物理学研究所が設立されました。1994年から、京都大学大学院理学研究科の物理学・宇宙物理学専攻などから大学院生を受け入れて大学院教育も行っているそうです。

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湯川記念館の斜め向かいに「旧演習林事務室」の建物があります。

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昭和6年に建設され、スパニッシュ瓦葺、ベランダをめぐらしたバンガロー風の木造建築です。天井の意匠などモダニズムの清新さ溢れる建物として、平成10年に登録有形文化財建造物に指定されました。

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平成22年度に外観はそのままに耐震補強工事および内装修繕工事を行い、全学で利用できるスペースにリニューアルしました。紹介者を介して申請、認められれば学外者でも利用できるそうです。庭には枝垂桜も咲いていました。

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現在、建物の一画に同窓会組織の京都大学農学部四明会の事務局が入っています。かって北山の芹生原生林(旧京大農学部演習林)に立ち入るためには、ここで許可証をもらう必要がありました。

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現在は芹生研究林と名を変え、宿泊施設などの利用も含めてインターネットで申込をすることができます。

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コメント

桜は、なぜこんなに心を動かすのでしょうか。
不思議な花です。
和の魅力は、奥深いものだといつも思います。
言葉にならないですよね。

投稿: munixyu | 2019年4月 4日 (木) 18:51

★munixyuさん こんばんは♪
満開となる季節も、桜を引き立てますね。人が活動的になり、心も弾む気候、別れの季節の3月から4月になって、新しい門出が始まる季節に相応しい花だと思います。、

投稿: りせ | 2019年4月 8日 (月) 00:13

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