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2018年9月 3日 (月)

喜運寺 元・五条坂の弁財天

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事の小松谷正林寺の境内に接して、喜運(きうん)寺の山門があります。「喜運寺」は山号を紫雲山という浄土宗の寺院で、正林寺の塔頭ではありません。*山号が「延命山」となっている情報もありますが、御朱印には紫雲山と書かれています。

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喜運寺の開山・開基は不明ですが、江戸時代前期の寛永年間(1624-1645)に創建され、当初は五条坂にあったそうです。この場合の五条坂は五条通の東部を指し、喜運寺は川端通と東大路通の中間にあったようです。(左は「本堂」。)

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当時の境内に「延命大弁財天」(白蛇弁財天)が祀られ、宮川町の芸舞妓をはじめ地域の人々に信仰されていました。また、毎月2日、15日には縁日が出て賑わったそうです。(本堂の前に「弁天堂」があります。)

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昭和20年(1945)3月、第二次世界大戦末期の強制疎開によって喜運寺は現在地に移転しました。以前の五条坂は幅6mほどの狭い通りでした。空襲による火災延焼を防ぐため、南側の建物が移転させられて道幅が広げられました。(弁天堂の横にはちょっとした庭が。)

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本堂には本尊の阿弥陀如来立像、地蔵菩薩像、仁王像などが安置されています。通常は非公開ですが、過去何回か京都の「浄土宗寺院特別大公開」に参加して、本堂が公開されてきました。

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また、チベットの仏画、蟹江廣吉作の「般若心経」や「白字三尊」、棟方志功の版画などの寺宝も公開されました。下は白字三尊で、黒っぽい背景は浄土三部経を細字33万字で書いたもので、空白で阿弥陀三尊が浮かび上がっています。

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今年の4月~8月の各1回、前住職の法話「洗心の集い」がありました。また、ヨガとタイマッサージ教室が本堂で行われています。平成15年(2003)にようやく弁天堂が完成して、それまで仮安置していた弁財天が祀られました。

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弁財天坐像は江戸時代前期作の一面八臂で、頭の後ろに宇賀神がいます。音楽などの技能、財福や智慧のご利益があるとされます。毎年正月三が日に御開帳され、特別大公開でも開帳されたときがありました。

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左奥に墓地が見えます。幾松(木戸松子)の妹、京都相撲力士・頭取(親方)・松ヶ枝政右衛門、人間国宝の組紐師・深見重助(1885-1974)らの墓があります。特別大公開では、松ヶ枝政右衛門所蔵(寄進?)の「六道図」や「地獄絵」も公開されることがありました。

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現在の大相撲の前身は、かって京都、大阪、江戸の寺社の修繕費を集めるために境内で行われた「勧進相撲」です。当初は三都が独立して興行しましたが、その後合同で行われ「大相撲」という言葉が誕生、やがて東京に集中しました。

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ところで、戦争末期の建物疎開(第3次)は東京大空襲の1週間後に始まり、五条坂とともに御池通と堀川通がそれぞれ幅50mに広げられました。現在の五条坂は北側が古い町並み、疎開した南側がビルや駐車場などが並ぶ独特の景観になっています。

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京都では昭和20年1月から6月に少なくとも5回の空襲があり、死者200名以上が出ました。報道管制のため詳細は不明で、被害はもっと多いともいわれます。1回目がこの付近の「馬町空襲」で死者34名、負傷者56名でした。山門を出て正林寺の境内を抜けます。

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渋谷街道の南側の道を西に戻ると、喜運寺の裏を通ります。この道沿いには「京都女子学園」の様々な建物が並んでいます。

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喜運寺は今年(2018年)の浄土宗寺院特別大公開にも参加して、10月20日(土)の10時~15時に公開されます。本尊と弁財天の参拝、墨書「般若心経」(一部)と白字三尊(細字33万也)の展示、住職の法話があるそうです。

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コメント

喜運寺happy01 記事、1位に返り咲いていましたheart04
ランキングといえば、 りせさんが一番 心癒される寺社はどこですか?
先日、大原に行ったとき、ドライバーが「猫好きでしたら猫猫寺がありますよ」と連れて行ってくれたのですが、お店?テーマパーク?でした。親切にして頂きましたが、癒しにはなりませんでした。時間貸しなのでタクシー代も気になりsweat01

喜運寺のように字面のよい寺社もいいですが、家族(猫)がいない寂しさを、前向きに変えてくれるヒーリングスポットに行きたいです。

投稿: ゆっこ | 2018年9月 3日 (月) 13:09

こじんまりといいましょうか、
可愛くまとまっていますね。
可愛い寺、そんな印象です。少し雰囲気が違いますよね。

投稿: munixyu | 2018年9月 3日 (月) 15:21

★ゆっこさん こんばんは♪
お返事が遅れてすみませんでした。猫好きの私ですが。最近寺社で猫に癒やされることが少なくなりました。3年前に施行された京都市の「動物との共生に向けたマナー等に関する条例」は「野良猫への適切な給餌の基準等」と銘打っているにも関わらず、「野良猫への餌やりの禁止」と誤解している方が多いのが現状です。そのため、寺社や公園には餌やりの禁止の看板がでていることも多く、猫の姿が見られなくなりました。通称「猫寺」もありますが、猫の姿は見かけません。
 そんな中でも、市内の何か所かで「地域猫」として近所の方が野良猫に定期的に餌やりをしている場所もあります。でも、猫嫌いや猫好きの人が嫌いという方も多く、場所をいうことができません。野良猫は、人間の責任で野良になってしまい、人間が餌をやらなけれ生きていけません。猫の命をまっとうさせてやるのが人間の責任だと思います。
 ちょっと長くなってしまいましたが、境内の片隅でペットの墓を見ると、人間に大事にされてきたんだなと、ちょっと癒やされます。

投稿: りせ | 2018年9月 6日 (木) 00:11

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