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2018年8月 2日 (木)

貴船神社 本宮 七夕と創建神話

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

鞍馬寺から木の根道を通って貴船まで来ました。鞍馬寺の西門から貴船川を少し遡ると、貴船(きふね)神社・本宮の二の鳥居があります(上の写真)。一の鳥居は川を下った叡電・貴船口駅の近くにあります。

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「貴船神社」は水の供給を司る水神・高龗神(たかおかみのかみ)を祀る旧官幣中社で、神社本庁の別表神社、全国に約500社ある貴船神社の総本社です。別表神社とはかっての官幣社や一部の大神社で特別な「役職員進退に関する規程」が設けられた神社です。

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創建の年代は不詳です。社伝では反正(はんぜい)天皇の時代、神武天皇の母である玉依姫命(たまよりひめみこと)が出現して、黄色い船に乗って浪花から淀川・鴨川・貴船川を遡って、当地に水神を祀ったのに始まると伝えています。(境内には七夕飾りが)

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貴船神社では7月7日に「七夕神事」が行われました。七夕の記事で紹介したように、中国の伝説から始まった七夕は、日本に伝わり平安貴族の祭から民間ではお盆の行事と結びつきました。精霊の依代として笹を立てて飾り付け、願いを込めた短冊を吊るします。

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笹が依代(よりしろ)として選ばれた理由は、真っ直ぐに伸びてその葉が擦れ合うことで奏でられる軽やかで爽やか音が「神様を招く」と考えられたようです。貴船神社では8月15日まで七夕笹飾りのライトアップ(20:00まで)が行われています。

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「水占(みずうら)みくじ」 山からご神水が引かれ、齋庭(ゆにわ)と呼ばれる遣水におみくじを浮かべると文字が現れます。このおみくじには「大凶」が出ることもあるそうです。最近では下鴨神社や北野天満宮でも同様の水みくじを始めましたが、こちらが「本家」です。

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本殿の横に「権殿」が見えます。権殿は本殿が改築や修理の際に、ご神体を一時移し・安置する仮殿です。本殿は幕末の文久3年(1863)までに36回以上造り替えられ、大正11年には国費で大修理が行われたそうです。

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本宮・本殿に祀られている高龗神は貴船大神ともよばれ、記紀にその誕生神話が記されています。『古事記』では、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の夫婦神は、天照大神を始め様々な神を生みました。

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しかし、伊弉冉尊は最後に火の神を生んだとき焼かれて死んでしまいました。怒った伊弉諾尊が腰の十握剣で火の神を斬ると、流れ出る血の雫のそれぞれから神が誕生しました。剣の柄(つか)に溜まり指の間から漏れ溜まった血が闇龗(くらおかみ)となりました。

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一方、『日本書紀』では、斬られた火の神は三つに分断され、雷の神、大山祇神(おおやまづみのかみ)、高龗となったと書かれています。そして、社伝によると高龗と闇龗は名は違うが同じ神だとされています。

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林羅山の『本朝神社考』や卜部兼方の『釈日本紀』によると、この「龗」という字は、龍蛇の類(たぐい)とされ、水を司るという龍神の一種と考えられるそうです。(「龍船閣」は休憩所です。)

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平安時代前期の嵯峨天皇の時代、弘仁9年(818)日照りの際に朝廷より奉幣使が遣わされ、以後雨止には白馬を、雨乞いには黒馬を奉納する祈雨神事が始まったとされます。後に、亀山上皇は国事多難克服、後奈良天皇は疫病流行の厄払い祈祷を行いました。

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ときには、高価な生きた馬の代わりに、馬の絵を描いた「板立馬(いたたてうま)」が願掛け馬として奉納されました。それが、絵馬を奉納する習わしの始まりとされています。本殿の横には奉納された白と黒の神馬像があります。

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凶作や国家の大事の際には必ず朝廷から勅使が使わされ、その数、数百回に及んだといわれます。近年でも大正13年天皇陛下病気平癒祈願の皇后陛下を始め、昭和54、57年、平成2、3、24年にも皇室の参拝があったそうです。

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また、水に関係する水道、料理飲食、菓子製造、染織、浴場などの生業に従事する方々や、消防士や海上自衛官なども参拝に訪れるそうです。下は末社の「祖霊社」 神職、氏子、崇敬者の祖先の御霊(みたま)を祀ります。

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一方、庶民の間でも様々なご神徳の信仰が広がりましたが、平安時代以後は恋愛や夫婦円満の神としても崇拝されました(その話は別の記事で)。北門の横から本殿の裏手に登れます。

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正面は末社「牛一(ぎゅういち)社」 木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀ります。 天照大神の孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)は美人の木花開耶姫と結婚し、岩のような顔の姉・磐長姫命(いわながひめのみこと)を追い返してしまいました。

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怒った姉妹の父・大山祇神によって、邇邇芸命の子孫(皇孫)の命は限りあるものになったとされます。下は末社「川尾社」、病気平癒の神・罔象女命(みずはのめのみこと)を祀ります。

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末社「鈴鹿社」は、大比古命(おおひこのみこと)を祀ります。大彦命とも書き、孝元天皇の第1皇子で垂仁天皇の外祖父です。また、阿倍臣(阿倍氏)を始めとする氏族の祖で、四道将軍の1人として北陸に派遣されたといわれています。

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上の写真では権殿が見えますが、近くに行くことはできません。このあたりから、本殿の横にある庭が見えます。

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貴船神社では、水を司る貴船大神を称え、神域に流れる清らかな水がいつまでも濁らないようにとの祈りをこめて、神社名を「きふねじんじゃ」と呼ぶのだそうです。

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コメント

笹飾りは、涼しくていいですよね。
不思議な涼しさのある、不思議な祭りですね。

投稿: munixyu | 2018年8月 2日 (木) 12:34

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