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2018年5月 9日 (水)

葉山観音と光子内親王

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

曼殊院から圓光寺に行く山沿いの道の途中に葉山観音があります。このあたりは家がまばらで田園風景が広がります。大きな石仏が置かれている「石俊 山本石材店」の向かいに入口があります。

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「葉山観音」は正式名称を一燈(いっとう)寺という臨済宗のお寺ですが、現在は残念な状態にあります。2013年の豪雨で境内に土砂崩れがあり、まだ復興していないのです。少しでも事態が良い方向に動くことを願って、一昨年に続いて記事にします。

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一燈寺は、江戸時代前期後水尾上皇皇女の朱宮光子(あけのみやてるこ)内親王が観世音菩薩を信仰して、堂宇を整備したのが始まりです。東山三十六峰の一つの葉山の中腹にあることから、「葉山観音」と呼ばれてきました。石標は「葉山馬頭観世音」とあります。

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光子内親王は後水尾天皇の第八皇女で、母は女官の櫛笥(くしげ)隆子です。通例では内親王になれず、比丘尼御所で生涯を終える身分でした。(2年前に訪れた時と同じで、フェンスで囲まれ、境内の斜面にはブルーシートが敷かれています。)

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しかし、多くの兄弟姉妹中で幼い頃から聡明で、父帝より特別に寵愛され、中宮(当時は女院)徳川和子(東福門院)の養女となり、宣下を受けて内親王となりました。宣下とは、天皇の命令を公示することです。

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養母・東福門院の薦めで、四代将軍徳川家綱との縁談が持ち上がったこともありましたが、父・後水尾天皇の反対によりこの縁談は成立しませんでした。その後、内親王に縁談はなく生涯を独身で過ごしました。(フェンスの向こうに参道が見えますが入れません。)、

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本堂にあたる「観音堂」と右の十三重塔は無事だったようです。観音堂には三面馬頭観世音菩薩を祀っていましたが、現在どうなっているか分かりません。さらに左に庫裡の建物があったはずですが見当たりません。

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幕末の尊攘派志士・梅田雲浜(うんぴん)一家が一時期、堂守小屋に住んでいたことでも知られています。崖下の道路に面して「梅田雲浜先生旧蹟」という石碑があり、下の写真の左端に一部が見えます。

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後水尾上皇が修学院離宮を造営したときには、光子内親王は別殿を賜って楽只軒(らくしけん、音羽御所)と称しました。(下は以前の写真で、向うに庫裡が見えます。)

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1680年に上皇が没すると、出家して照山元瑤と号し、音羽御所を林丘(りんきゅう)寺と改め、門跡尼寺としました。葉山観音のお堂を建てたのもこの頃だと思われます。(下の写真は北にある音羽川の対岸に見える林丘寺の山門で、修学院離宮に隣接しています。)

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生母が亡くなると、光子内親王は寺を出ることはなく、経典の読謡や写経をして両親の菩提を弔いながら過ごしました。また、捨て子を引き取り養育したといわれています。光子内親王は林丘寺宮とも呼ばれました。

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1707年に異母弟霊元天皇の皇女亀宮(後の元秀女王)が林丘寺に入ると、光子内親王は普門院と号して隠居し、1727年(享保12年)に94歳の高齢で亡くなりました。葉山観音の前の道を奥にいくと、宮内庁が管理する「林丘寺宮墓地」があります。

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ここには、元遥内親王、元秀女王、元敞(げんしょう)女王が葬られています。元遥内親王は光子内親王の法名、元敞女王は閑院宮家に生まれ、10歳で桃園天皇の猶子(養子)となり、2年後に林丘寺に入り得度しました。成長すると門跡を継いで3世門跡となりました。

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この場所に光子内親王が葬られたのは、葉山観音を深く信仰していたからだと思われます。光子内親王は和歌や書、絵画に優れた才能を持ち、特に絵画は狩野安信と狩野派を学んだ黄檗宗の卓峯道香に手ほどきを受け、多数の作品を残しています。

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下の自画像(泉涌寺所蔵)と父・後水尾天皇の肖像画2点、花鳥図などが残されています。それら以外に修行の一環として1000点以上の観音像を描き、檀家や寺社に配ったといわれています。

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今日は光子内親王の話ばかりになってしまいました。今まで拝観や境内の公開をしてこなかった林丘寺がまもなく公開されるそうです。葉山観音ではかって毎月17、18日に観音堂が開かれ御本尊が拝めたそうで、早く復興してほしいと思っています。、

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コメント

白いさつきも、よく咲いてますね。
さつきや躑躅は、白が一番好きかもしれません。

投稿: munixyu | 2018年5月 9日 (水) 09:55

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