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2017年6月 5日 (月)

本願寺北山別院 親鸞ゆかりの寺

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

先日、詩仙堂を出て金福寺に行く途中、本願寺の北山別院に立ち寄りました。いつも素通りしていて記事にするのは初めてです。

「本願寺北山別院」は、山号を聖水山といい、浄土宗西本願寺派の本山直属の寺院です。

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この寺は、かつて元養源庵という天台宗・比叡山延暦寺の末寺でした。

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親鸞(1173-1263)は、藤原北家の流れをくむ父・日野有範と源氏の出身の母の間に長男として、京都の日野(伏見区)に生まれました。

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しかしながら、幼くして両親を失い、8歳のとき叔父・日野範綱に引き取られ、9歳で青蓮院・慈円のもとで出家得度して、範宴(はんねん)と称しました。

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その後、この寺で1年余り修業をしたのち比叡山に登り、横川首楞厳院の堂僧として20年近く修行を続けました。

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29歳の時、親鸞は比叡から六角堂の救世観音に百日間参籠し、師・源空(法然)の導きにより、浄土教に帰依しました。

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親鸞は六角堂への参籠の際にも、当寺に立ち寄ったといわれます。比叡山から、雲母(きらら)坂、一乗寺、北白川、出町、河原町通を通って六角堂に向かいました。

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往きはここで身を清め、帰りは休憩して草鞋の紐を締めなおして急な雲母坂に向かったといわれています。その井戸水が「御聖水」として今なお沸いています(下の写真)。

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隣に「上宮太子影向(ようこう)石」があります。上宮太子は聖徳太子の別名で、影向石は神が降臨する(腰掛ける)石だそうです。聖徳太子は日本仏教の始祖といわれ、親鸞は「和国の教主」として崇めていたといわれます。

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親鸞35歳のとき、1207年の「承元の法難」による専修念仏停止(ちょうじ)にともなって、越後に流罪になりました。その後、1211年に赦免され、1214年に42歳で妻子らとともに関東で布教を行いました。

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1224年に浄土真宗の教義が体系化された『教行信証』を著し、その宗祖となりました。

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その後、寺は臨済宗・南禅寺派、浄土宗・西山派に改宗したといわれます。(御聖水の前には浄土真宗系の「聖水保育園」があります。)

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江戸時代の1677年、浄土真宗の寺として再興されて養源寺と名を変えました。さらに、1680年には西本願寺の別院となり輪番で住職を務めました。


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この梵鐘は、室町時代の1544年中国(明時代)で製造されたと伝えられ、1902年に大阪御花講により寄進されました。「春のまどろみを起こす」音色だそうです。

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明治時代の初めの1884年、歌人でもある僧・与謝野礼厳(れいごん、1823-1898)が養源寺に留守居(留守番)として入りました。

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丹後与謝郡温江村(現与謝野町温江)の細見儀右衛門の二男として生まれ、幕末には勤王活動に奔走し、明治維新後は小学校や療病院設立など社会福祉事業に携わりました。

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歌号は「尚綱(しょうけい)」といい、八木静修(せいしゅう)に歌を学び、大田垣蓮月、天田愚庵らと交友しました。本願寺派の僧侶となったのち「与謝野」を名乗ったといわれ、与謝野寛(鉄幹)は岡崎で生まれた四男です。

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歌集に『礼厳法師歌集』がありますが、これは礼厳没後の13回忌に鉄幹が編纂したものです。その長大な前書は、兄たちから「お前が選べ」といわれて、「自分はそんなに暇でないのに」などと不平をいいながら、3万首もの和歌を一通り読むところから始まります。

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父の歌が世に知られていないことを残念に思ったのか、その理由を、老年期の初までは新思想の人で進取の気概に富み、その後は世から逃れて念仏風雅の隠棲を楽しんだので、一生の出来事すべてが世に知られることを避けたからだと結論づけます。

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鉄幹は、特に晩年の「世を恨み、己の老いを嘆く」歌に心を打たれたのか、その時期を中心に壮年期の歌を織り交ぜた(長・短歌)630首を選んでいます。礼厳は後に清閑寺に移りますが、この別院にいた時代の歌も多く、そのうちの2首だけを・・・

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「翡翠(かはせみ)も 世をや厭ひしのがれきて わが山の井に処定めつ」
「山霧に 月はくもりて蓮の実の ちるおとさむし山寺の庭」

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コメント

「春のまどろみを起こす」音色
ってどんな音色だろうか。
面白い表現ですよね。

投稿: munixyu | 2017年6月 5日 (月) 09:34

★munixyuさん こんばんは♪
この鐘の下の縁(駒の爪?)が波打っていて、見たことがない形でした。音を聞いてみたかったのですが、撞いてはだめと書いてあって、「春のまどろみ」は謎です。

投稿: りせ | 2017年6月 6日 (火) 23:01

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