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2017年5月14日 (日)

宇治神社 兎と創建悲話

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事の宇治上神社を出て、さわらびの道を西(宇治川の方)に行くと、宇治神社があります。上は宇治川に面している一の鳥居で、最後にくぐります。

さわらびの道には「式内宇治神社」の石標があります。江戸時代までは宇治上神社と宇治神社は一つの神社で、それが式内社(延喜式で認定された社)だったことを示しています。

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こちらからは直接二の鳥居の前に来ます。昨日の記事で紹介したように、この地は応神天皇の皇子・菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の邸宅があった場所で、皇子が亡くなった後、邸宅跡に兄の仁徳天皇が祠を建てその霊を祀ったのが両神社の始まりです。

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かっては一対の木造狛犬(宇治市指定文化財)が置かれていました。鎌倉時代作の木造としては最大級のもので、現在は宇治市歴史資料館に預けられています。

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祭神として応神天皇、仁徳天皇、菟道稚郎子を祀り、学問や開運のご利益があると信仰されてきました。

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菟道稚郎子が河内国から宇治に入る途中で道に迷い、そのとき一把の兎が道案内をしたという伝承があり、「みかえり兎」は宇治神社の神使とされています。

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本殿の右手前に絵馬舎があります。

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絵馬は今年の干支以外に、みかえり兎が描かれてるものもあります。合格祈願のものが多くみられました。

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横から見える「本殿」は鎌倉時代初期に建立され、重要文化財に指定されています。

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本殿の横に伊勢神宮遥拝所があります。伊勢神宮には足腰の神などのパワースポットで知られる「宇治神社」があるそうですが、こちらの神社とは関係がありません。

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遥拝所の横に兎が潜んでいます。

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本殿の裏にはたくさんの摂社が並んでいます。春日神社、日吉神社、住吉神社、松尾神社など、よく知られた神社の名があります。これらは、現地の神社に行けない参拝者のために、それぞれの神を勧請したものと考えられています。

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ところで、仁徳天皇が弟の菟道稚郎子の霊を弔うために祠を建てた裏には、悲しい物語がありました。(授与所)

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『日本書紀』によると、菟道稚郎子は幼少から学問に優れ、父・応神天皇の寵愛を受けて、兄たちを差し置いて皇位継承順位の1位(皇太子)となりました。「参集殿」

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応神天皇の死後、菟道稚郎子は皇位(皇太子)を兄の大鷦鶺(おおさざき)皇子(後の仁徳天皇)に譲り、自らは宇治に離宮を建てて移り住みます。

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大鷦鶺皇子も皇位を受けず、皇位継承は3年に及んで混乱します。この間に、異母兄である大山守皇子(おおやまもりのみこ)が菟道稚郎子を殺害して皇位を奪おうと、数百の兵を挙げました。(桐原殿)

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菟道稚郎子と大鷦鶺皇子は大山守皇子の挙兵を察知して、宇治川を渡る際に船を転覆さえて、大山守皇子を討ちとりました。(参道途中にある手水舎)

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大山守皇子を討った後、菟道稚郎子は、優柔不断な大鷦鶺皇子を即位させるために自らも命を絶ちます。この事態になって大鷦鶺皇子はようやく皇位を継いで仁徳天皇となり、菟道稚郎子の霊を祀るために祠を建てたのです。

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ところが、この話は日本書紀以外には記載がなく、『古事記』では菟道稚郎子は夭折(若くして死去)したとだけ書かれています。そのため、菟道稚郎子は兄に謀殺されたのではないかという説もあります。(一の鳥居まで来ました。)

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いずれにしても、宇治で気楽に暮らそうとしていた菟道稚郎子は、皇位継承に巻き込まれ不幸な運命をたどったといえます。下は「兎楽(うらく)の樹」、兎たちがいつでも集うことができるようにと植えられた楠の大木です。 

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菟道稚郎子は『源氏物語』に出てくる八の宮のモデルといわれています。光源氏の死後、息子の薫が八の宮の屋敷を訪れるところから宇治十帖が始まります。やがて薫は八の宮の娘・浮舟をめとりますが、宇治の山荘においたまま帰ってこない日が続きます。

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薫に対抗する美男子と噂される匂宮は、二条院で見かけた浮舟が忘れられず、偶然知った宇治の屋敷を訪ねます。朝霧橋のたもとに、その後逢瀬を重ねることになった匂宮と浮舟のモニュメントがあります。

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コメント

横に兎が潜んでいる。
こういうところが京都はいいですよね。

投稿: munixyu | 2017年5月14日 (日) 09:44

こんにちは。
今日もたくさんの写真と丁寧な解説で、よく理解しました。ありがとうございます。
また取材もご苦労様です。

投稿: さゆうさん | 2017年5月14日 (日) 12:59

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