大河内山荘 2017春
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一昨日の記事の天龍寺の北門を出て、竹林の道を大河内山荘に向かいました。
「大河内山荘」は映画俳優・大河内傳次郎(でんじろう)が別荘として造営して、現在その回遊式庭園が「大河内山荘庭園」として公開されています。
竹林の道の突き当りに大河内山荘の入り口があります。竹林では混雑していても、ここに入る人は多くありません。拝観受付を過ぎると、散策路と反対方向に「大河内資料館」があります。
四角く囲った塀の内側に、大河内傳次郎の年表や映画のポスターなどの資料が展示されています。サイレント期では、『忠次旅日記』や『新版大岡政談』などの名作に主演し、昭和3年の『新版大岡政談』で初めて丹下左膳を演じました。
その丹下左膳が当たり役となり、その後のトーキー時代を含めて題名に丹下左膳がつく主演映画は生涯で17本を数えました。戦後も数々の有名作品に出演しましたが、敵役や脇役を演じることも多くなり、昭和37年に64歳で亡くなりました。
通常の拝観順路に戻ると、斜面に上る回遊路の右手にお茶席があります。拝観券にはお茶券もついているのですが、後で寄ることにします。
昭和6年(1931)、傳次郎34歳のときに、当時長期保存が難しかったフィルムに対し永く消えることのない美を追究するため自身で山荘の設計・造営を始めました。上の石段を上ったところにある「中門」は登録有形文化財です。
中門をくぐると広場になっていて、奥に休憩席が設けられています。そこからは見晴らしがよく、比叡山が正面に見えます(TOPの写真)。
休憩席の前に「大乗閣」(登録有形文化財)があります。寝殿造、書院造、数寄屋造など日本住宅の伝統的様式を合わせ入れた建物です。他の建物も含めて、傳次郎の構想に基づいて数寄屋師の笛吹嘉一郎が施工しました。
大乗閣は、建設当初あまり評判がよくなかったそうjです。山の斜面を上る回遊路に沿って、建物がある平地が3段になっています。1段目が大乗閣で、上ると見晴らしが開けてきます。
この地は小倉百人一首でも知られる小倉山の南東面と、嵐山公園(亀山公園)に挟まれた約2万平方メートルの荒地でした。傅次郎は映画出演料の大半を注ぎ込み亡くなるまで30年の歳月をかけてこつこつと山荘を作り上げました。
ちょっとした窪地に高床式の「持仏堂」(登録有形文化財)が建っています。昭和6年に二尊院、九条家の位牌堂を写して一番最初に建てられた建物です。熱心な仏教徒だった傅次郎は、このお堂で座禅をしました。
この石仏のことかわかりませんが、傅次郎が常盤で転がっている野仏を見かねて山荘に持ち帰りました。それを子供が見ていて、村人たちが野仏を返せと裁判沙汰になりかけました。話し合いの末、野仏は山荘に寄贈されたそうです。、
ここには茶室があり、きれいな苔地の露地庭に石段がついています。
「滴水庵」 1937年に移築され、木造平屋建で、2室の広間の茶室と土間のある数寄屋造りの水屋です。この地に山荘を造営したとき、建物で一番苦労したのが井戸だったそうです。
高い山頂近くだったので、地下水脈に至るまで相当深く掘らなければならず、出来上がった井戸は石を投げ込んで七、八ツを数えなければ音がしないほどの深さだったといいます。
すべての庭も傅次郎の着想にもとづき、傅次郎と庭師・広瀬利兵衛が一緒に造営したといわれています。
保津川を挟んで正面に嵐山があります。すぐ下には、亀山公園の展望台から尾根伝いの道が通っています。
上流は保津峡、右は小倉山の斜面です。
大悲閣が間近に見えます。
尾根伝いに少し北に行くと、開けた場所に茶室「月下亭」があります。ここが一番高い3段目になります。
傅次郎はこの山荘に住み、自ら木を植え石を据えて庭園を造り続け、最期は大乗閣で亡くなったそうです。(ここからは市内の大部分が見渡せます。)
回遊路は月下亭から直接茶席まで下り、途中に瓦を敷き詰めた場所があります。
傅次郎の死後、妻をはじめとする遺族が山荘を維持してきました。(お茶席に戻ってきました。)
傅次郎が亡くなってから40年後の2002年、山荘は国の登録有形文化財に指定されました。現在この山荘は大河内家kら京都市に寄贈され、「大河内山荘庭園」として京都市が管理しています。
抹茶に茶菓子(最中)がついています。
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コメント
もう時期的に終わりですが、見上げても見下ろしても、
桜、桜景色は最高ですよね。
投稿: munixyu | 2017年4月22日 (土) 10:30
★munixyuさん こんばんは♪
お返事が滞りすみませんでした。
ようやく市内の桜の季節が終わりましたが、頑張ってあちこち回ったおかげで、まだ写真がいっぱい残っています。実際より遅れますが、できるだけ季節の移ろいを感じるような順番で紹介していこうと思っています。
投稿: りせ | 2017年4月23日 (日) 22:58