桜 額縁門の天寧寺 閑臥庵
←目次 2006年1月27日から毎日更新しています。
早咲きの枝垂れ桜の本満寺から、北に上がると鞍馬口通りの手前に「天寧寺」があります。境内にある紅の枝垂れ桜の咲く頃には必ず、と思いながら何年経ったでしょうか、今年は忘れずに行ってきました。
天寧寺の山門からの眺めは絵画のようで比叡山の「額縁の門」と呼ばれています(天寧寺は拝観寺院ではありませんが、門の中には入れます)
天寧寺(てんねいじ) 山号 萬松山 曹洞宗。
もとは会津城下にあったが、天正年間(1573~1592)に、天台宗松陰坊の遺跡といわれるこの地に移転されたと伝えられています。
その後、天明の大火により堂宇を焼失したが、本堂は文化9年(1812)に、書院は天保14年(1842)に再建されました。
正面が比叡山、紅枝垂れは5-6分咲きというところでしょうか(撮影:4月9日)
以前から気になっていた物が何なのか分かりました。それは左手前にある石造りの「丸い太鼓の上に鶏が乗っているもの」です。これは「諌鼓鶏」(かんこどり)といいます。
「諌鼓鶏」(かんこどり)
中国の昔のこと、政治に不満のある時に諌言する人民に打ち鳴らさせるために、朝廷の門外に諌鼓(かんこ)という太鼓を設けました。
しかし、善政を行ったので太鼓は鳴ることもなく永年の間に苔むし、鶏の格好の遊び場となっていたといいます。
「閑古鳥が鳴く」を普通使いますが、閑古鳥とはカッコウの別称で、鳴き声が物悲しいから、人の訪れがなく寂れた店を「閑古鳥が鳴く」と表現されますが、
「諫鼓鳥が鳴く」は善政によって諫鼓(太鼓)をならす必要がなく、「天下泰平の象徴」であると言われています。
前者は客が来ないで商売にならない意味、後者は過疎化したという意味です。
そしてもう一つ・・・門の扉の柱に何やら貼られているのに気づきました。
「立春大吉」のお札です。立春大吉とは立春の日に禅寺の門前に張り出される、「厄除け」のお札です。
立春の前日の「節分」の日に豆まきをして一年間の厄を払い、新しい年の始まりの立春の日に厄が来ないようにという願いで「立春大吉」のお札を貼ったそうです。
「立春大吉」は、縦に書かれます。
この四文字の真ん中に線を引くと四文字すべてが左右対称になり、 裏から見ても表から見ても「立春大吉」と読むことが出来ます。
このお札が玄関に貼ってあると、 鬼が家に入ってから振り返っても同じように「立春大吉」と書かれた お札が見えるため、勘違いして逆戻りする。つまり鬼が入って来ず、一年を平穏無事に過ごすことが出来るという意味で、厄除けとして「立春大吉」という言葉が使われるようになったそうです。
「立春大吉」のお札は以前の写真にもありましたが、今回初めて気づきました。
鐘楼と枝垂れ桜
「諫鼓鳥」(かんこどり)と「立春大吉」が分かり、今回訪れてスッキリしました。
可愛い紅枝垂れの花です。
紅枝垂れと八重の桜の道
お地蔵さまと
葉も出たばかりの若い色
比叡山、九重の石塔、明智光秀公報恩塔の小さな石柱。椿が満開でした。
---------------------閑臥庵-----------------------
ここからは閑臥庵、天寧寺からほんの少し北に上がった鞍馬口通りです。
閑臥庵(かんがあん) 山号:瑞芝山 黄檗宗の禅寺
もとは、梶井常修院の宮の院邸であったが、江戸時代前期に後水尾法皇が、夢枕に立った父・後陽成天皇の言葉に従って、王城鎮護のために貴船の奥の院より鎮宅霊符神をこの地に歓請し、初代隠元禅師から六代目の黄檗山萬福寺管長千呆禅師が開創となって寺としたのが当寺の起こりです。
閑臥庵に祀られている北辰鎮宅霊符神は、十千十二支九星を司る総守護神で、陰陽道最高の神とされています(正面のお堂です)。花は「紅白源平枝垂桃」。
「紅白源平枝垂桃」
羅漢さんは「嵐山の羅漢」とよく似ていますね。
◆閑臥庵は「京懐石普茶料理」で有名。以前お昼に行った時の記事をご覧ください。普茶料理とは思えない美しさです。
◆チベットの高僧によって「砂曼荼羅」が公開された記事はこちらです。とても美しい砂曼荼羅です。
本堂右横の枝垂桜「あけぼの」も咲き始めていました。
京都の桜は「盛り過ぎ」「見頃終了」が多くなりましたが、八重桜はまだ咲いているようです。桜が咲きだすと1日に何ヵ所も訪れる為、まだまだ桜の京都は撮っています。引き続き京都の桜をお楽しみくださいね。
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「紅白源平枝垂桃」
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コメント
立春大吉という言葉は知っていますが、
見ることってほとんどないですよね。
不思議ですよね。
桜はいろんな春を見せてくれて嬉しいですよね。
投稿: munixyu | 2017年4月19日 (水) 08:56